あるところに、二人のカップルがいました。
その二人はとても仲が良く、将来を誓いあう程のものでした。

そんなある日、男の浮気がばれてしまい彼女が身を投げて自殺しました。
男は悲しみと後悔に満ち溢れ、彼女を抱いたまま一日中泣き崩れました。

気がつくとだんだん臭くなってきたので、仕方なく、男は庭に埋めてこのことを無かったことにしたのです。
そして浮気相手の彼女とそこに同居させて、若干後ろめたさを背負いつつも、新たに人生をスタートすることにしました。

その1年後。
二人のカップルは結婚して、子供を産んで幸せな家庭を築いていた。男はもうあの時の事なんてすっかり忘れていました。

男が庭の草むしりをしてると、小さい木が生えていました。

「へー、こりゃ柿の木じゃねえか」

男は、大きくなったら息子に食べさせてあげたいと思い、毎日水をやることにしました。

そして一週間後、信じられないスピードで柿の木は成長しました。
だが、不思議なことに柿が一向に実らないのです。

実らないのならしょうがない。
男は柿の木を切り倒すことにした。

その翌朝。
家族で山へピクニックに行くことになり、庭においてある車を取りに行きました。

男はギョっとして立ちすくんだ。
そこには昨日切り倒した筈の柿の木が元通りになっていたのだ。

なぜだ?
男はとりあえずピクニックに行くことにして、柿の木はあとで処理することにした。

その日の夕方、息子は死んだ。
下山してる途中に、転落死だった。そしてなぜか首が無かったのだ。男と女は絶望に浸りながら家に戻った。