88 無名さん
>>85
「うっわ、19人だって。凄くない?」

マネージャーの仕事もそこそこに、部室でなんとなくテレビを見ていたら、速報が入ってきた。
某関東地方の障害者施設で19人の重度障害者が、たったひとりの若者に無惨にも刺し殺されたそうだ。

「アンネシュ・ブレイビクには負けてるけどな」
ー博識さから来る傲慢。

「誰だっけ?」

「ノルウェーの単独テロリストだよ。確か1人で77人殺した。てか覚えてないの?」
ー絶対的な自信。

「それ、5年前でしょ?私、健ちゃんや花宮みたいに記憶力良くないの」
ー非日常に対する強い興味。

「って言っときながら覚えてるじゃん」

「19人殺すとかやベーな。通り魔か?」
ー真っ当な反応。

「莉穂ー、今日帰りホテル行こ。溜まってんだよねーオレ」
ー無関心。

「残念だったな、原。今日はオレが使うんだよ」
ー無節操。

「えー!最近花宮ばっかじゃん」

「花宮、6時に造園士が家に来るんだ。悪いが今日は早退していいか?」
ー共感性の欠如。

「ああ、今日はもう終わりだ」

「通り魔じゃなくて障害者がいなくなればいいって思ったらしいよ、ザキ」

「ふはっ、まぁ言いたい事は分からなくもないがな」
ー無慈悲。

「確かにね。あの人達、社会に迷惑掛ける事はあっても、社会の発展に貢献出来るなんて事はまず無いしね」
ー横暴。

「よく分かんねぇけど、そんなもんなのか」
ー考えの無さ。所詮は、他人事。