88 無名さん
http://nanos.jp/vinushka6/novel/4/5/
「千聖は俺と参謀、どっちが好きなんじゃ?」

 どっちが好き?二人とも好きに決まっている。蓮と雅は、私にとって大切でかけがえのない存在。異性として、恋愛対象として好きだとは断言出来ないが好きなことには変わりない。

「二人とも同じくらい大切で好きだよ。どちらかを選べるわけが、ない」

 固く瞼を瞑り、震える声を喉の奥から絞り出す。こんな曖昧な返答しか出来ない私は優柔不断なのかもしれない。だけれど、二人が同じくらい大切なのは本当のことで。
二人からどんな言葉が返ってくるのかが怖くて、胸の辺りをきゅっと掴む。

「そうか。ならば、俺達二人と同時に付き合えばいい」

なぜそうなる