89 無名さん
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後半の方赤ペンしてみたよ
序盤だから優しめにしてみたつもり

「リョーマ君!」
「…あ、」
部活が終わり帰宅しようと歩き始めた彼を見つけ、声をかけるとリョーマ君は足を止めてこちらを振り向いた
「お疲れ様。今日の荒井君との試合見てたよ。流石ね」
「…どーもっス。それより、あんたの事思い出したよ。あんたに負けたって事をね」
「思い出してくれたんだ!でも、あれはリョーマ君がまだ幼かったから勝てただけ。もう敵わないよ」
「借りを返さないとね。今からする?」
「残念だけど、試合は出来ないんだ」
「?」
リョーマは首をかしげる。当然の反応かと栞は苦笑を漏らす
「激しい運動すると、喘息の発作が出ちゃうからちょっとお休み中。今はマネージャーなの。だから、ごめんね?」
「ふーん、喘息ね。じゃあなんであんたマネージャーなんてやってるわけ」
「え…?だってテニスはできないから」
「マネージャーだってその”激しい運動”になるんじゃない」
今度は栞が首を傾げる
どうやらリョーマのその言葉の意味を分かっていないようだ
リョーマは声のトーンを下げて続ける
「マネージャーだって部員と走り込みもするし重い荷物の持ち運びくらいはするんじゃない?あんた、やってないの?」
図星を付かれた栞は顔をひきつらせた
そう、栞はマネージャーとは名ばかりでマネージャーのやるような仕事は一切せずただ手塚達にちょっかいを出すだけなのだ
だから喘息で運動を制限されていてもマネージャーという方が気でいられるのであった
「ま、俺はどーでもいいけど」
「リョーマ君…そっそれよりほら、えーっとそうだ!南次郎さん元気にしてる?」
無理やり話題を変えようとしたがリョーマはもう歩き始めていた
少し強引に腕を絡めようとするものの肘で振り払われた
「なにしてんの、あんた」
「えっ。ごめん、つい。私、抱きついたり抱きしめちゃう癖があるんだよね」
「厄介な癖っすね。やめたほうがいーんじゃない」
テニスバッグを肩にかけなおし、再び歩き始めた
栞はその時に見えたリョーマの不快そうな顔が不思議で仕方なかった