92 無名さん
お前、殴られちまえば良かったんだ、あきらに。


ばたばたと走っていく。その騒々しさまでが作戦にしか見えなくて舌打ち。

「帰ったのか、ハルコさん」
「っ、…………お前、」

ん、と。汗をかいたペットボトルを受け取ろうとして、ピンクの封筒に舌打ち。ポケットにねじ込む。

「何だよ、ついにラブレターか」
「ちげーよくそ、写真だと、インハイの、」
「写真?それだけで来たのか、」
「来たんだよ、ちくしょう、しかもあきらにまで宣言してから、」

はああ、と桜木が床にしゃがみ込む。右に習えだ。

「いやー、おっかねえなーどうすんだおめーは、」
「どうもこうもあるか、明日っからまだテンション上げるぞ、」
「…………あきら、がんばってるもんな、」
「……………………くそ、」

ペットボトルのフタをねじ切る。首もねじ切りたい。

「桜木助けろ、お前赤木とつき合え」
「ふざけんな、今の流れでどうやったらそんな気になんだよ」
「心配すんな、あきらと同じオンナだ、イケる、」
「区分けが乱暴すぎんだろうが、」

はあ、と溜め息。肩をど突かれ、イラッとする。今ケンカシタイ。


普通の男子高校生、自分に言い寄ってる女が面倒だからって友達に押し付けたりはしないと思う
ましてやスラムダンクの流川と桜木が晴子に対してこんな会話するわけない
原作100回読め