山口県西部。たしか2000年の夏頃だったと思います。

僕は家とかビルを解体する仕事をしてました。
仕事で、ある廃墟の一軒家を解体して欲しいと頼まれたので引き受けました。

仕事の最中、僕は気になる綺麗な真っ白の椅子を目にしました。
作業に取り掛かかったのですが、なぜかその椅子から目が離れませんでした。

まだ綺麗なので持って帰る事にしました。
食卓のテーブルに椅子を置き、飯を食べて風呂に入り疲れていたのか、すぐに眠りにつけました。

その晩夢を見ました。それは今日解体した家の夢でした。
とても深刻な顔した男性と女性が椅子に座って何か話してました。

しかもその椅子は今日僕が持ち帰った椅子で、さらにはテーブルの上には白いロープがありました。
勘がいい僕は何となく分かりましたが、ただただ見てる事しかできませんでした。

すると女の人がロープを天上に吊し、椅子を土台にして首を吊って、もがきながら息絶えたのです。
男性は、ビビったのか走って家から出ていきました。女の人は、走って行った男性の方を睨むかのように向いて亡くなっていました。

そこで僕は突然目が覚めました。
辺りはまだ暗かったので時計を見たら、夜中の3時半位でした。

不気味に夢だったのでもう一度寝ようとしましたが、急に隣の部屋から『カタッカタッカタッ』と聞こえたのです。
恐る恐るドアを開けて見たら、椅子が勝手に動いていました。

ヤバイと思い、布団に潜って音が鳴り止むまでじっとしていました。
しばらくすると、音は消えたのでドアを開けました。

トイレに行きたくなった僕は、部屋の電気を付けてトイレに行き、部屋に戻る時、玄関の方から足音が聞こえました。
新聞配達の人かと思い気にしませんでした。

すると玄関をノックされ、『コン、コン、コン』どうしたのか気になり、僕は玄関を開けました。
するとそこに立っていたのは、真っ赤な服を着て睨む顔をした女性でした。