1 無名さん

巨人が負けたのはさっさのせい

くそが!くそが!
私自身は霊感が無く、正夢・デジャヴ・極端な幸運などの体験しかありません。
ただ、私の友人には、霊感の強いY・人のオーラのようなものを識別できるT・ある能力を持ったJという人間がいます(TとJも友人同士ですが、Yは二人と面識はありません)。

私はこのサイトでお世話になっているように、昔から怖い話や不思議な話が好きなので三人には色々と聴いています。
前置きが長くなりましたが、今回はその中から投稿したいと思います。


これはYが中学生の時に体験した話です。
どの小中学校もあるのかは分かりませんが、その中学校では全校集会・学年集会などが頻繁に行なわれていました(荒れていたため)。

ある日、教室の後ろにあるロッカーに入っている掃除用具が全て外に(窓ガラスが閉まった状態で)投げ捨てられるということがありました。
すぐに放課後には学年集会が決定です。

皆、ダラダラと廊下に並び始めます。
Yもめんどくさいと感じつつも席を立った時、クラスメートの男子が急に両膝をつき、そのまま四つん這いになったらしいです。

そして涎を垂らしながら真っ赤な顔で

「ごめ゛ん゛な゛ざい゛…ごめ゛ん゛な゛ざい゛…」

と繰り返し始めたそうです。

その場にいた全員が驚きましたが、すぐに担任の先生と他クラスの担任とで彼を保健室に運んだみたいです。

Yはその光景を見ながら悪寒を感じ、彼が運ばれた後、思わず後ろにある掃除用具用のロッカーを見たそうです。そしたら、

初めて見る、髪が腰の辺りまであり、肌がありえないほど蒼白い、制服を着た少女がニヤリと笑い、

「だめだよ」

というふうに口を動かし、そのロッカーを開けて中に入ったそうです。

Yは驚いたみたいですが、すぐに学年集会へ向かったそうです。

結局犯人はその運ばれた男子でした。しかし、教室での出来事は覚えていなかったようです。

そしてYはあのロッカーには近付かないようにしたみたいです。

私も同じ中学校なのですが、Yと話すようになったのは高校からなので、あの事件の裏にそんなことがあったなんて知りませんでした。

あと、これは私の想像にすぎないのですが、あの制服の少女はロッカーに閉じ込められるようないじめを受けていたのではないかと思います。あくまで想像ですがね。
つい先日の話し。

とある友人(以後A)が、突然家に押し掛けてきて、「山に行こう!」とほざいた。

時刻は夜の11時、勿論断った。しかしそれで食い下がってくれる訳もなく、Aはしつこく頼んでくる。
なんでも、その山は心霊スポットらしく、霊感がある人(私)に来てほしいとか。

でも、私は基本的に霊に嫌われているようで、半径10メートル以上は寄ってこない。
なので、霊に遭遇したいなら邪魔になってしまう。と、Aに伝えると

「そりゃ都合が良い!」

‥遭いたいのか遭いたくないのかハッキリしてくれ。

そして、なんだかよくわからないうちに、私は車に乗せられてしまった。

車で走ること二時間弱、やっと着いたかと思ったらここからは歩きだと言う。冗談は存在だけにしてほしい。しかも山道だし。それに、結構ヤバい場所のようだった。

Aは「昔、ここで沢山の兵隊が死んで〜」と得意げに説明してたけど、その逆で、ここで死んだのは兵隊に殺された一般人だと感じた。
そして、そこには“兵隊を”供養するための石碑のようなモノが建てられていたのだが、その周りが一番ヤバかった。

物凄い形相の霊が、ざっと二十‥もしくはそれ以上。
多分、自分達は供養されてないのに、自分達を殺した兵隊が供養されているのに怒ってるんだと思う(と言っても、そこで死んだ兵隊はいなかったが)。

私は石碑に近づこうとしたAを止め、引き返そうと言った。
Aも私が何かを感じたのを悟ったのか、文句を言わなかった。

引き返す途中、私はAに「財布を落とした」と言って一人戻り、石碑を壊した。
間違ったモノを供養し、花も手向けられていない石碑なんて、あっても無駄だと思ったからだ。

それから私は、周りに落ちていた石で石碑のようなものを造り、祖父に教わった簡単な供養をした。

世の中には、他にもこんな石碑が沢山ある。だから、むやみに石碑にお供えをするのはやめたほうが良いと思う。
森林管理の仕事をしている古い友人は、年に数回、山に供え物をする。
供えるのは串団子で、古くからの習慣だという。

朝、山に入る時、道沿いの巨木の根元に団子を3本置いていくと、夕方には串だけが残されている。
団子は特別なものではなく、最近はコンビニで3本100円で売っているような、菓子メーカー製の団子を供えているとの事だ。

そんなものでいいのかとこちらが心配してしまうが、供えている当の本人はそんな事に頓着しない。
そもそも、供えている相手が山の神様なのか、あるいは精霊のような存在なのか、それさえ知らずに供えているというのだから、もはや、ありがたみも何もない。

供えて何を祈るかと思えば、取り立てて祈りもせず、

「はい、どうぞ」

その一言だけを心のうちで、そっと添えるのだという。

先代から引き継ぐ時に、彼は詳しい話を聞いたはずだが、細かい事は覚えていないと、嘘か本当か判然としない顔で言う。

朝、団子を供えて夕方に串を持って帰る。持ち帰った串は、一般ごみとして捨ててしまう。それを年に数回繰り返す。

それだけの事だと彼は言う。

ただな、と笑った。

「一度だけ、串を持ち帰るのを忘れたんだ。いやもう、懲りたよ」

串を持ち帰り忘れた翌朝、玄関を出て、鍵をかけようとした時、鍵穴に竹串らしきものが、ぐちゃぐちゃに差し込まれているのに気付いたのだという。

鍵は交換せざるを得ず、かなり痛い出費となった。

その後、どんなにせがんでも、この話だけはしてくれない。
つい先日(4月8日)体験した出来事。

ゲーセンから駅への帰り道(そこは自分が住んでいるところから電車で一つのところ)。
思いの外長居をしてしまって、店を出るときには23時を回っていた。

途中街灯も何もないたんぼ道を通ることになるのだが、そこでソレと遭遇した。

道の中間くらいまで差し掛かったとき、俺の横を四つん這いのオッサンがコマ送りみたいな異様な速度で走り抜けていった。
そして少し行った辺りからこっちを振り向いて見てる(四つん這いのまま)。

その四つん這いの姿勢も膝立ちではなくて、使徒を食い殺したときのEVA初号機みたいな格好。
顔は能面みたいに無表情なのに、目だけがやたらぎらぎらしてる。

そのまましばらく動けずにいたけど、意を決して向かい合ったままじりじりと後退。
途中相手が完全にこっちに向き直ったときは、心臓が止まるかと思った。

結局ゲーセンまで戻って、タクシーで帰宅。
それから昨日今日と怖くて一歩も部屋の外に出ていない。一日中カーテンを閉めて布団を被ってる。

人間なのかどうなのかわからないが、脳裏に焼き付いてしまってトラウマ気味。