>>58
この中には一体何が入っているんだろう。おかしな衝動というか好奇心にかられた高科くんは気づくと封筒を開けていた。
長い間放置されていたためか湿気てカピカピに干からびたようになっていた封筒を破り開けてみると、一枚の写真が入っていた。それを見た瞬間一気に吐き気がした。
そこには自分の大学時代の元カノの変わり果てた顔が映っていた。目はくぼみ 髪は伸び放題、痩せこけ血管の浮かんだ 元カノの気持ち悪いほどの笑顔が。
そして高科くんはそれ以来旅行はしなくなり、事実上最後の旅行となってしまったそうです。
この中には一体何が入っているんだろう。おかしな衝動というか好奇心にかられた高科くんは気づくと封筒を開けていた。
長い間放置されていたためか湿気てカピカピに干からびたようになっていた封筒を破り開けてみると、一枚の写真が入っていた。それを見た瞬間一気に吐き気がした。
そこには自分の大学時代の元カノの変わり果てた顔が映っていた。目はくぼみ 髪は伸び放題、痩せこけ血管の浮かんだ 元カノの気持ち悪いほどの笑顔が。
そして高科くんはそれ以来旅行はしなくなり、事実上最後の旅行となってしまったそうです。
僕の大学時代の後輩で小山内くんという奴がいた。
ある日、仲間数人で怪談会を催した。
会も華僑に入りもう最後という時、小山内くんの番になり小山内くんはふざけて
「あのね妖怪や幽霊なんて……この世にはいないんだよ…」
するとそう言った途端、電気がゆっくりと闇に吸い込まれるように消え、一瞬の静寂ののち
「妖怪ならここにいるよ」
と喉が潰れたら出るような妙な声が部屋中のいたるところから聞こえた。
そしてその声が聞こえると電気はまた闇から戻るがごとくついた。
そののち怪談会は今にいたるまで二度と行われなくなった。
小山内くんは言う。
「霊はわからんが妖怪だけは信じているんだよな、妖怪だけは」
そう語る小山内くんが続けるように語る。
「あの時、電気が消えて暗闇になったとき なぜか暗闇の中に僕だけ 目がかたつむりのように長く伸びた手や足がたくさん生えた化けものが見えたんだ。信じるか?」
僕は何も言えずに礼だけを言い彼の家をあとにした。
ある日、仲間数人で怪談会を催した。
会も華僑に入りもう最後という時、小山内くんの番になり小山内くんはふざけて
「あのね妖怪や幽霊なんて……この世にはいないんだよ…」
するとそう言った途端、電気がゆっくりと闇に吸い込まれるように消え、一瞬の静寂ののち
「妖怪ならここにいるよ」
と喉が潰れたら出るような妙な声が部屋中のいたるところから聞こえた。
そしてその声が聞こえると電気はまた闇から戻るがごとくついた。
そののち怪談会は今にいたるまで二度と行われなくなった。
小山内くんは言う。
「霊はわからんが妖怪だけは信じているんだよな、妖怪だけは」
そう語る小山内くんが続けるように語る。
「あの時、電気が消えて暗闇になったとき なぜか暗闇の中に僕だけ 目がかたつむりのように長く伸びた手や足がたくさん生えた化けものが見えたんだ。信じるか?」
僕は何も言えずに礼だけを言い彼の家をあとにした。
小学校での水泳の授業。
その日授業を休んだ俺は、友達と一緒にプールの裏手の草むしりをしていた。
他愛のない話をしながら、ダラダラとこなしていると、友達が突然俺を呼んだ。駆け寄ってみると、友達の指差す先に雑草に混じって黒い草が生えている。
いや、黒い草というより髪の毛だ。不気味さより好奇心が勝り、抜いてみることになった。
じゃんけんで負けた俺が、髪の毛をつかみ一思いに引っ張ると、意外に簡単に抜けた。地面に生えていた草のような髪の毛の先は束ねられており、さらにその先に首があった。
玉ねぎほどの大きさのしわくちゃでカラカラに乾いた首だった。目や鼻、口も確認できる。とても小さいが間違いなく人間の首だった。
俺たちは驚いた。えらいものを掘ってしまった、と慌てふためき、すぐに大声をあげ、先生を呼んだ。
駆けつけてきたのは先生ではなく、近くで同じように草むしりをしていた女子一人。首を見て半泣きで逃げていった。
俺たちもそれに続き、グラウンドで体育の授業中だった一つ下の学年の先生に事の次第を報告した。先生は話を聞き終える前にすぐに現場に向かった。
しかし、俺たち四人が現場に到着したとき、その首は忽然と消えていた。その間わずか五分ほどだった。あとに残るのは掘り起こした穴と、引っ張った際に首からちぎれた髪の毛だけ。
先生は悪ガキの俺たちがかついだのではないか、と怒りはじめたが、成績優秀で学級委員でもあった女子が目撃証言をしてくれたおかげで、俺たちの話に信憑性を感じてくれたようだった。
昼休みに先生方総出で捜索していたが、首は見つからなかった。あとに残ったちぎれた髪の毛は警察に届けたという。
結局この事件に関してはその後なにも進展せず、徐々に風化した。しかし俺たち三人が首を見たのは事実だ。まったく不可解な出来事だった。
しかし、本当に驚いたのはそれから数年後のことだ。俺は六歳上の彼女と付き合い始めた。彼女は俺と同じ小学校を卒業していた。
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その日授業を休んだ俺は、友達と一緒にプールの裏手の草むしりをしていた。
他愛のない話をしながら、ダラダラとこなしていると、友達が突然俺を呼んだ。駆け寄ってみると、友達の指差す先に雑草に混じって黒い草が生えている。
いや、黒い草というより髪の毛だ。不気味さより好奇心が勝り、抜いてみることになった。
じゃんけんで負けた俺が、髪の毛をつかみ一思いに引っ張ると、意外に簡単に抜けた。地面に生えていた草のような髪の毛の先は束ねられており、さらにその先に首があった。
玉ねぎほどの大きさのしわくちゃでカラカラに乾いた首だった。目や鼻、口も確認できる。とても小さいが間違いなく人間の首だった。
俺たちは驚いた。えらいものを掘ってしまった、と慌てふためき、すぐに大声をあげ、先生を呼んだ。
駆けつけてきたのは先生ではなく、近くで同じように草むしりをしていた女子一人。首を見て半泣きで逃げていった。
俺たちもそれに続き、グラウンドで体育の授業中だった一つ下の学年の先生に事の次第を報告した。先生は話を聞き終える前にすぐに現場に向かった。
しかし、俺たち四人が現場に到着したとき、その首は忽然と消えていた。その間わずか五分ほどだった。あとに残るのは掘り起こした穴と、引っ張った際に首からちぎれた髪の毛だけ。
先生は悪ガキの俺たちがかついだのではないか、と怒りはじめたが、成績優秀で学級委員でもあった女子が目撃証言をしてくれたおかげで、俺たちの話に信憑性を感じてくれたようだった。
昼休みに先生方総出で捜索していたが、首は見つからなかった。あとに残ったちぎれた髪の毛は警察に届けたという。
結局この事件に関してはその後なにも進展せず、徐々に風化した。しかし俺たち三人が首を見たのは事実だ。まったく不可解な出来事だった。
しかし、本当に驚いたのはそれから数年後のことだ。俺は六歳上の彼女と付き合い始めた。彼女は俺と同じ小学校を卒業していた。
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