17 無名さん
第2話「鍵の秘密」にて

言われたとおり、荷物をまとめ始めるアルフォンス。
一方のエドワードはというと、もう準備ができたのか。
彼はトランク片手に、扉の前に立っていた。
「そんな急がなくてもいいのに…。」
「今すぐ元の世界に帰れるってのに、もたもたなんかしてられっか!」
「…あのさ、提案があるんだけど。」
「何だ?」
少しの間を置いた後、サクラはおもむろに話を切り出した。
「よかったらあたしの世界、見て行かない?」
「……は?」
サクラ曰く。
せっかくポケモン世界に繋いだんだ。
この世界とはまた異なった世界に興味はないか、ということだった。
「元の世界のイメージに自信があるなら、今すぐ帰ろうなんて焦らなくていいよ。」
「でも、いいんですか?」
「もちろん。なんなら一泊して、明日の朝に帰ればいい。」
「一泊?お前の家に?」
「いいや。あたしの世界にも宿はある。そこに泊まろう。」
外泊できる宿に、サクラは心当たりがあるらしい。
兄の隣にアルフォンスが立つと、彼女はエーフィをボールに戻しながら答えた。
サクラの案に、特に異存はなかった兄弟。
予定を変更して、今日のところは取り敢えず、ポケモン世界で一晩過ごすことに決定した。


はいご都合展開です