1 無名さん

適当晒し587

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ぴこっ!
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時代はわかりませんが、都も町というべきものも無い、畑ばかりの田舎の村…。
その村の領主は代々とても心やさしい人でした。

信じられない話かもしれませんが、昔の飢饉といえばおびただしいまでの餓死者がでたものです。
ですが、領主は屋敷の蔵を開放し、食物を農民に与え餓死者を出さなかったという記録もあります。

脱線しましたので話を戻します。

村でも評判のそれは綺麗な娘がいました。その娘こそ他ならぬ領主の娘です。
一族始まって以来の美人とまで言われ、領主はどの名家に嫁がせるかを早くから悩んでいました。

とはいえ娘は、姫という身分でもないので自由に村の中を歩き回ることができました。
そしてありがちですが、やがて一人の農民と恋に落ちてしまいます。しかし二人もわかっていました、結ばれることのない運命だと…。

やがて領主から「もう会うな」と警告が入りました。
しかし、それでも愛し合う二人は会うことをやめることが出来ませんでした。

らちが明かないと考えた領主は男を屋敷の地下牢へ閉じ込めました。
なぜ殺さないのか? という点ですが、ものすごく人口の少ない田舎の農村では、働き盛りの男一人の労力は大きいものなんです。

…娘は男が幽閉されていることを知りません。村へ捜しに行きますが、見つかるわけがなく…やがて領主である父親から縁談を勧められます。
そのことで娘は勘違いをしてしまいます…きっとあの人は殺されてしまったのだと…。

絶望した娘はある日、現在のK浜の岬から身を投げました。
その報せを受けた領主の怒りと悲しみは…男へとぶつけられます。
ただ殺すだけでは飽き足らなかったのでしょう、日々続く拷問…。

体の至る所に火箸をあてられ、水攻めにあい、全ての指に釘を打たれ…もう立ち上がることすらできなくなった男に、領主は話しました。

「6日後にお前を殺す、言い残したことがあるなら今のうちに言え」

すると…

「もう一度だけ会いたい、あの娘に」

それを聞いた領主は、

「あの馬鹿者は貴様が死んだと思い、自ら命を断った」

領主の娘に対する愛情はすべて男への憎しみに変わっていたのか、その顔は悪意に満ちた笑みを浮かべていました。

そしてまた、男も憎しみに身を委ねてしまいます。
その後領主は5日間かけ、男の口を裂き、両耳を落とし、鼻を削ぎ、両目を潰しました。

最後の日…領主は男をK浜の岬へと連れていきました。
そして娘がこの場所で死んだことを伝え、生きたまま五体をばらばらにし、海へと投げ捨てました。

ここから…呪いが始まります。
始めに起こったのは領主の孫が生まれた時でした。奇形児です、人とは思えない程の…。
その後、生まれてくる子はほぼ4人に1人は奇形だったそうです。
以前の話の代はたまたま息子を殺せなかった心の持ち主であっただけで、ほとんどの奇形児は殺されたそうです。

現代においても呪いが続いているかどうかはわかりませんが…。
その二人の怨念はいまだ続いているようです。

…K浜と岬です。

夜その海に入ると、男なら女の霊に憑かれ海の底に引きずり込まれ…女ならば男の霊により、これもまた帰らぬ人となってしまいます。

岬には以前話したように他の曰くもあります、地元の人間はまず行きません。何が起こるかはわかりませんが…。
真実かどうかはわかりませんが、夏に水死体があがることがよくあるので実話だと思っています。

この話を聞いたとき…何よりも人間の憎悪というものが一番恐ろしく感じました。