27 無名さん
「……説得すると言ってますが、その様子ではどうやら反乱軍のリーダーとはお知り合いのようですね?」
「!!………ええ、そうよ。小さな頃からの幼馴染み。
きっと、彼なら分かってくれるわ……!!」
そういうビビにシェルは何の関心も持たないように無表情で小さく頷いた。
「………そうですか、……
なら、私はビビさんのその意思に従いますよ」
「そうじゃなくて…!!私は…」
「……………私の意見を聞くというのは、少し筋違いだと思いますが……」
「!?………どういうこと?」
シェルは更に視線を落としてビビからその表情が全く見えないようにフードを深くかぶった。
「そのままの意味です。
ここはアラバスタ。貴方の愛する国であって、私の国ではありません。
状況も違えば人間関係だって違います。もちろん、考え方も……」
「!!」
「私は……、きっと反乱軍を止めるような“回りくどいこと”をしないでしょう」
そのシェルの言葉に、ビビはキッとシェルを睨んで声を荒らげる。
「回りくどいですって……!!?
シェル、いくら何でもそれは酷いわっ!!同じ王女として貴方も民を大切にする人だと思ってたのに…!!!」
「…………………
ですから、私は何も言わなかったんです
あなたと考え方は違います。“何に重きをおく”のかも……」
そうしてゆっくりとシェルは顔を上げると、哀愁の混じった瞳をじっと静かにビビに向けた。
「すみません、酷いことを言ってるのは重々承知してます。
ですが、……あなたは優しすぎますビビさん」
「!!…………」
グッと唇をかんでシェルを見つめるビビ……

うざい夢主