56 無名さん
「死なせてくださいお願いします殺してなんて贅沢言いませんから死なせてくださいお願い死なせてもう無理もう生きたくないこれ以上むりだめもうだめなのむりなの私もう生きたよ十分過ぎるくらい生きただってあの日からずっとずっとずっと何度だって死のうと決めてた死ななきゃいけないってわかってたでもあの人に生かされたから私は必要とされたからそう決められたからだから死ぬ為に生きなきゃいけないんだってそれが報いなんだって贖いなんだってわたしの存在意義なんだってずっとそうやってずっと言い聞かせてあの人たちに言われたこと教えられたこと全部守って生きてきたでもそんな事ばかりしてたからおかしくなってたおかしくなったから禁忌まで破ってしまったのだからだから早く死にたくてそれだけしか考えたくなくてだからもう私はわたしのやったことみんなみんなみんな忘れて忘れていれば私は楽になれるからつらくないまま死ねるから他に何も考えなくていいからかわいそうだったあの日の自分は愛されなかった子供の私は死んでくれるからだからみんなみんなみんなみんな忘れてしまいたくて死んでいく自分以外要らなくてだからそうやってぜんぶぜんぶ何もかもはやくとにかくはやく過ぎ去ってくれればいいって終わってくれればいいってそれだけの為に生きてきたのにでももうむりもうむりなの私わかってた違うって言われても思い込みだって言われてもどうしようもなく覚えてるのどうしたらいいか考えることも出来なくてどうすればいいのどうすればよかったの私は何も出来なかった今だっておんなじで何も変えられない何も変えようとしなかったなのに生きなきゃいけないまるで人の命なんか当たり前のように使い潰して自分の命以外無価値だとしか思えなくて痛みも悲しみも知らないような阿呆面晒してこれ以上生きなきゃいけないこの先なんてわたしにはないのに許されていないのにもう無理なの頭がおかしくなりそうなのでもおかしくなったらきっとみんなが困るからエリハちゃんがみんながおじさまが困るからだからわたしはわたしをわたしで殺そうってなのにスネックさんがあの日来ちゃったからわたしを見つけてしまったからだから」