34 無名さん
>>30
「本当に。そんな使い道しか思い浮かばないんだったら切ってあげましょうか、その無駄な脚」
「あ?」
「おい…」

腕を組み蔑むような視線で栞がそう言うと、その言葉にカチンときたのか振り向き、男が立ち上がる。手塚、跡部、真田はあきれ顔を見合わせる。それに少し驚いた栞が挙動不審になり、忙しなく三人の顔を代わる代わる見つめた。しかし、手塚の「いい加減にしろ、ここはお前が普段牛耳っている場所じゃないんだぞ。権力は通用しない」との言葉に口をはくはくさせて立ち尽くした。
跡部は興味なさげに目を逸らし、真田は「見苦しい。座れ」と冷ややかに言う。栞がプルプルと震えはじめ、手塚の顔が険しくなった。思うように行かなかった時に起こすヒステリーの前兆なのだ。

「録音したから後で一緒に警察来いよ」
「えっ、あ……えっ?だって、だって、でもっ、あなたがっ」
「いや脅迫だから」
「自分の発言に責任のひとつ持てねぇのか?」

栞は急いで手塚、跡部、真田を順に見て、「助けてくれるよね?」という視線を送る。
しかし、誰一人反応しなかった