随分と飛躍した考えだ。そう思わずにはいられないが、同性カップル、特にどっちもノンケの二人には深刻な問題にしか思えない。
前にも何度か似たような事はあったのだ。その度に嫉妬して、新開は一人で塞ぎ込んでしまった。見た目に反してナイーブなのは昔からだが、それを大丈夫だと、オレにはお前しか興味がないと解らせるのは骨が折れた記憶がある。一緒に住むようになって数年経つ今は、それもほとんどなくなっていたのに。
久しぶりのネガティブに、荒北は呆れるどころか苦笑いする。
新開の両頬に手を置いて、じっと見つめた。
「そんな事言ったら、オレだって嫉妬したんだぜ?」
「え?」
涙で滲む瞳が揺れる。
「ナンパされてただろ。女に胸押し付けられて。あれは堪えたね」
「あ、れは……すぐに振り払ったよ。恋人と来てるってはっきり断ったし」
「同じだヨ」
「っ」
「互いに愛し合ってんの分かってんのに、気になるのはしょうがねェ。男同士だからな。でもその度に嫉妬してても疲れるだけだろ。もしお前がどうしても不安だって言うなら……そうだな、指輪でも買うか」
瞬きをした眼から雫が流れ落ちる。
「ほんとか……?」
「あぁ、二人のイニシャル入れれば最高のお守りで、魔除けになるだろ」
それで機嫌直してくれるか?
優しく問いかける。新開はぽろぼろ泣きながら「うん」と頷く。
「靖友……好きだ」
「オレもだヨ」
顔が近付く。触れた唇は涙の味がした。
何度も口付け、どちらとも無く舌を交わらせる。擽ったそうに新開は笑った。それに釣られて荒北も微笑む。
二人の体がソファの上に倒れる。チュッ、チュッと音を立ててキスをしながら、荒北が「ゴムもローションもないけどココでして良い?」と訊く。新開は困ったような、仕方ないような顔を浮かべて「いいよ」と首に腕を回した。
前にも何度か似たような事はあったのだ。その度に嫉妬して、新開は一人で塞ぎ込んでしまった。見た目に反してナイーブなのは昔からだが、それを大丈夫だと、オレにはお前しか興味がないと解らせるのは骨が折れた記憶がある。一緒に住むようになって数年経つ今は、それもほとんどなくなっていたのに。
久しぶりのネガティブに、荒北は呆れるどころか苦笑いする。
新開の両頬に手を置いて、じっと見つめた。
「そんな事言ったら、オレだって嫉妬したんだぜ?」
「え?」
涙で滲む瞳が揺れる。
「ナンパされてただろ。女に胸押し付けられて。あれは堪えたね」
「あ、れは……すぐに振り払ったよ。恋人と来てるってはっきり断ったし」
「同じだヨ」
「っ」
「互いに愛し合ってんの分かってんのに、気になるのはしょうがねェ。男同士だからな。でもその度に嫉妬してても疲れるだけだろ。もしお前がどうしても不安だって言うなら……そうだな、指輪でも買うか」
瞬きをした眼から雫が流れ落ちる。
「ほんとか……?」
「あぁ、二人のイニシャル入れれば最高のお守りで、魔除けになるだろ」
それで機嫌直してくれるか?
優しく問いかける。新開はぽろぼろ泣きながら「うん」と頷く。
「靖友……好きだ」
「オレもだヨ」
顔が近付く。触れた唇は涙の味がした。
何度も口付け、どちらとも無く舌を交わらせる。擽ったそうに新開は笑った。それに釣られて荒北も微笑む。
二人の体がソファの上に倒れる。チュッ、チュッと音を立ててキスをしながら、荒北が「ゴムもローションもないけどココでして良い?」と訊く。新開は困ったような、仕方ないような顔を浮かべて「いいよ」と首に腕を回した。