1 abari

混合小説

ジャンルをしっちゃかめっちゃか
扱うくそサイト

奇妙な物語も扱っていて案内人は元お昼休みはウキウきの司会者も名前は変えてありますが登場しています。http://id43.fm-p.jp/625/rietomo/
トムには結婚して間もない妻、ジェニーがいる。

ジェニーはとても嫉妬深く、常にトムに浮気をしていないか聞いていた。トムもそんな妻を理解している。仲の良い夫婦だ。

「ねぇ、トム、ほんとに浮気していないの?」

「もちろん。君以外に誰がいるっていうんだ?」

「ほら、あなたの知り合いによく電話掛けてくる女の人いるじゃない? とても心配なの」

「安心して。彼女はただの部下だ。彼女には夫がいて、嫉妬深いで有名だよ。僕には目もくれないだろう。

愛しているのは君だけだよ、キャサリン」

そのとき、トムの携帯が鳴った。
中学校への通学路の途中、道路の補正工事をしている場所がある。

朝の7時過ぎには作業員達は現場に集まっていて、通り掛かる生徒達にオハヨーとか何年生? 部活何やってんの−? と大きな声で話し掛けてくる。

普通に気の良いおっちゃんやニイちゃん達なんだが、イメージ的に乱暴で恐そうなのと何かと恥ずかしがる年頃の為か、男女共に俯いたまま早足で通りすぎて行く。誰も返事はしない。

それでも毎日めげずに声を掛けてきたが、あまりにも相手にされないせいで、お〜い何か言ってくれよな、泣いちゃうよ〜? とぼやくようになった。

ちょっとあいさつするくらいなら良いかな?

少し可哀相な気になった僕は次の日、オッス! と声を掛けられオハヨーが連呼される中、笑顔を向けて言った。

「おはようございます」

すると作業員のおっちゃん、ニイちゃん達はぴたりと動きが止まり真顔で言った。


「うわっ、本当に返事したよ。今時めずらしい…知らね〜相手とは口きいちゃいけないって知らないのかね〜?」
それは、放たれた瞬間、私の制御出来ないものとなる。

相対するものを癒やしたかと思うと、他のものには刃となって傷つける。
時には様々なフィルターを介して、私を酔わせる美酒となり、致命的な毒ともなる。

ほとほと扱いに困り、出来ることならば、それを放棄したいと思うこともままあるのだが、如何せんそれがない世界を私は知らず、軽々しく捨て去るには、私はそれを憎んでもいるし愛してもいるのだ。

願わくば、意図せぬところで傷つけることのないよう、使い方を出来る限り誤らないよう、最善を尽くして使いこなしたいものだ。
就職してから初めての帰省をした。

やはり実家はいいものだった。

帰り際、捻くれものの俺が思わず素直に親父に言ってしまった。

「たまにかえるよ」

親父は真っ青な顔で言った。

『破裂するからやめてくれ!』