1 無名さん

ジャンル不問神サイト晒し

教えて!
【北海道の少年の話】

少年の学校の近くにはコンクリートで舗装された10`直線道路がある。そこでは毎年持久走が開催される。少年には怠いイベントだった。

しかし今回はもの凄い転校生がいるらしい。たった数秒でその道路を走りきるいう俄かには信じられない話だった。

練習の日、転校生は超能力を同級生に見せつけた。事実だったが、転校生は途中で脚が縺れてこけた。…転校生は忽然と消えてしまった。

この話は誰にも信じてもらえない。少年はこの事件を広大な記憶の海に深く深く沈め、意図的に封印した。
【1月】初っ端から飛ばすと後でばてる。2月から本気を出す。

【2月】まだまだ寒い。これではやる気が出ない。3月から本気出す。

【3月】年度の終わりでタイミングが悪い。4月から本気を出す。

【4月】季節の変わり目は体調を崩しやすい。5月から本気を出す。

【5月】区切りの良い4月を逃してしまった。6月から本気を出す。

【6月】梅雨で気分が落ち込む。梅雨明けの7月から本気を出す。

【7月】これからどんどん気温が上昇していく。体力温存の為8月から本気を出す。

【8月】暑すぎて気力がそがれる。9月から本気を出す。

【9月】休みボケが抜けない。無理しても効果が無いので10月から本気を出す。

【10月】中途半端な時期。ここは雌伏の時。11月から本気を出す。

【11月】急に冷えてきた。こういう時こそ無理は禁物。12月から本気を出す。

【12月】もう今年は終わり。今年はチャンスが無かった。来年から本気出す。
B「なぁ、今日寒くねぇか?」

F「は?」

B「最近まで暖かい日が続いてたのによ。いきなりすぎるぜ全く‥」

F「俺は適温だと思うぜ?」

B「お前の住んでる場所が寒いだけだろ(笑)俺は寒すぎんの!」

F「どうのこうの言ってたら仕事出来ないぜ。このご時世、不況なんだからさ」

B「ふん。確かに言われてみればそうだろな。寒さにも慣れてきた事だし、仕事に専念するか!」

F「おう(笑)」

F「ん? お客が来たぜッ」

B「どうせお前をご指名だろ」

F「らしいな(笑)ちょっくら行ってくるわ」

B「おう。達者でな」

ガタンッ
僕は君の体から離れると、冷たい水へ落ちていく。追悼するように、君は僕に白い紙を被せた。

……そろそろお別れだね。一緒に居れたのは短い時間だったけど、僕は確かに君の一部だった。きっと、それを忘れない。

そして別れは訪れる。力は要らない。君は少し、手首を曲げるだけ。

……大きな音がして、急に水が動き出した。僕は暗い水中で、流れに身を任せる。きっとこれから、旅が始まる。長い、長い旅だろう。