私の友達が、夏休みに大学のサークルで山にキャンプに行った時の話です。
一通りイベントを終えて、さあ寝るか、という時に、同じテントのAがいないことに気付きました。
Aはトイレをしてくる、と友達に伝えていたそうですが、もう三十分も経っています。遭難したのでは、と友達は先輩に相談しましたが、先輩はもう少し様子を見ようと動いてはくれなかったそうです。
それから三十分、やはりAは帰って来ない。みんなも騒ぎ出して、男性が探しに行くか、と話していた時にAはふらっと帰って来たのです。
みんなも安心してテントに戻り、友達もAに話しかけたのですが、その様子がどうもおかしい。辺りは暗かったので、表情ははっきりと分からないものの、手は震えていて、顔は無表情、というか呆然としているような表情。
友達「A、どうかしたの?」
A「なにが?」
友達「だって、なかなか帰って来ないし。何かあったの?」
すると、Aは急に暴れ出して
「私は嫌だったんだ!けれどあの●●(聴き取れなかったそう)が!あいつが悪い!あいつが悪い!あいつが悪い!」
と、地面に頭を打ち付け始めました。
震えるAは明るくておちゃらけた子らしいのですが、とてもふざけてやっているようには見えず、友達は驚いて固まってしまいました。
そうこうしているうちに先輩たちが駆け付けてAを止めたようですが、その間もずっと「悪い悪い悪い悪い悪い」とぼそぼそ呟いてました。
その後、下山するまでAはおとなしかったようですが、山から降り切った時、急に高笑いをし出しました。
「ねえ、A。本当にどうしたの?」と、友達が肩を揺さぶると、Aは黙り、その後はずっと静かだったそうです。
夏休み明け、Aは大学に来ず、電話も出ない。一人暮らしだったAの家に行ってみたそうですが、人の気配がなく、実家の連絡先も分からない。
一体、Aに何があったのか。サークルの人たちの間ではタブーのようになってしまい、友達は誰にも相談出来ず、私に話してくれました。
私は友達から話を聞いた時、Aが何かに乗り移られたんじゃないかと思ったのですが……真相は誰にも分かりません。
一通りイベントを終えて、さあ寝るか、という時に、同じテントのAがいないことに気付きました。
Aはトイレをしてくる、と友達に伝えていたそうですが、もう三十分も経っています。遭難したのでは、と友達は先輩に相談しましたが、先輩はもう少し様子を見ようと動いてはくれなかったそうです。
それから三十分、やはりAは帰って来ない。みんなも騒ぎ出して、男性が探しに行くか、と話していた時にAはふらっと帰って来たのです。
みんなも安心してテントに戻り、友達もAに話しかけたのですが、その様子がどうもおかしい。辺りは暗かったので、表情ははっきりと分からないものの、手は震えていて、顔は無表情、というか呆然としているような表情。
友達「A、どうかしたの?」
A「なにが?」
友達「だって、なかなか帰って来ないし。何かあったの?」
すると、Aは急に暴れ出して
「私は嫌だったんだ!けれどあの●●(聴き取れなかったそう)が!あいつが悪い!あいつが悪い!あいつが悪い!」
と、地面に頭を打ち付け始めました。
震えるAは明るくておちゃらけた子らしいのですが、とてもふざけてやっているようには見えず、友達は驚いて固まってしまいました。
そうこうしているうちに先輩たちが駆け付けてAを止めたようですが、その間もずっと「悪い悪い悪い悪い悪い」とぼそぼそ呟いてました。
その後、下山するまでAはおとなしかったようですが、山から降り切った時、急に高笑いをし出しました。
「ねえ、A。本当にどうしたの?」と、友達が肩を揺さぶると、Aは黙り、その後はずっと静かだったそうです。
夏休み明け、Aは大学に来ず、電話も出ない。一人暮らしだったAの家に行ってみたそうですが、人の気配がなく、実家の連絡先も分からない。
一体、Aに何があったのか。サークルの人たちの間ではタブーのようになってしまい、友達は誰にも相談出来ず、私に話してくれました。
私は友達から話を聞いた時、Aが何かに乗り移られたんじゃないかと思ったのですが……真相は誰にも分かりません。
最近抜け毛がひどく、病院に行くか真剣に悩んでいた。
気になりだしたのはほんの数カ月前、当初は朝起きると布団に2,30本くらいの髪の毛が確認できる程度だったのだが、この一カ月、酷い時には一束の髪の毛を握った状態で目を覚ます事があった。
仕事のストレスか全身がけだるく、抜け毛も酷いということで、週末になったら病院に行こう、と思い立ち、知りあいに紹介してもらった医者に診てもらった。
結果は異常なし。毛髪も平均的な状態で、医者からは逆に髪の強さとツヤを褒められてしまった。
嬉しい半面、納得のいかなかった私は、もう少し様子を見てから病院へ行こうと思い。その日はもう寝ることにした。
翌日、私は目を覚ますと同時に驚愕した。枕を抱いて寝ているのだと思い目を開けると、そこには今までとは比べ物にならない程大量の髪の毛。
意識が戻っていくうちに口の中にも髪の毛が入っていることに気付き、パニックになりながらも洗面台へと向かった。
洗面台で口に入った毛を吐きだし、恐る恐る自分の姿を鏡で見てみる。すると、おかしなことに自分の頭髪はいつもと変わらず、健在していた。
あれほどの髪の量が抜けたはずなのになぜ?
と思い、改めて布団の髪の毛を見てみると、それは明らかに自分の髪質とは違う髪の毛だった。
気になりだしたのはほんの数カ月前、当初は朝起きると布団に2,30本くらいの髪の毛が確認できる程度だったのだが、この一カ月、酷い時には一束の髪の毛を握った状態で目を覚ます事があった。
仕事のストレスか全身がけだるく、抜け毛も酷いということで、週末になったら病院に行こう、と思い立ち、知りあいに紹介してもらった医者に診てもらった。
結果は異常なし。毛髪も平均的な状態で、医者からは逆に髪の強さとツヤを褒められてしまった。
嬉しい半面、納得のいかなかった私は、もう少し様子を見てから病院へ行こうと思い。その日はもう寝ることにした。
翌日、私は目を覚ますと同時に驚愕した。枕を抱いて寝ているのだと思い目を開けると、そこには今までとは比べ物にならない程大量の髪の毛。
意識が戻っていくうちに口の中にも髪の毛が入っていることに気付き、パニックになりながらも洗面台へと向かった。
洗面台で口に入った毛を吐きだし、恐る恐る自分の姿を鏡で見てみる。すると、おかしなことに自分の頭髪はいつもと変わらず、健在していた。
あれほどの髪の量が抜けたはずなのになぜ?
と思い、改めて布団の髪の毛を見てみると、それは明らかに自分の髪質とは違う髪の毛だった。
同棲をしていた若い男女が、小さな祠に肝試しに行った時のこと。
祠は山沿いにある草木に覆われた細道の途中にあった。聞いた話では祠まで歩いて5分ほどだという。
しかしその道は草木に覆われていて男の肩幅位しかない。女は心配ないが、男はどうしても掻き分けながら進まなければならなかった。もちろん何度も枝に引っ掛かってしまう。
話の通り5分ほど歩くと、道の途中に小さな祠を見付けた。2人はお互いの幸せを願って手を合わせた。
お祈りを終えた2人は少し物足りなさを感じていた。そこで更に奥に行ってみることにした。
また5分ほど歩くと、道を塞ぐようにして、鳥居が崩れていた。さすがにこれ以上は行けないので2人は帰ることにした。
帰りは女を先頭にして男が後ろを歩いた。男は、やはり帰り道も草木を掻き分け、枝に引っ掛かりながら歩いた。そのせいで女より少し遅れて出てきた。
それなりに雰囲気を楽しんだ2人は満足して帰った。
帰宅して、2人が部屋で寛いでいると、突然女が悲鳴をあげる。驚いた男は女の視線の先を目で追った。そこは自分の左肩。
なんとTシャツの肩部分に血のついた女の生爪が片手分引っ掛かっていた。まるで男の左肩を掴んだかのような位置にそれぞれ5枚の爪が刺さっていたのだ。
服に引っ掛かったのは枝だけではなかった。
祠は山沿いにある草木に覆われた細道の途中にあった。聞いた話では祠まで歩いて5分ほどだという。
しかしその道は草木に覆われていて男の肩幅位しかない。女は心配ないが、男はどうしても掻き分けながら進まなければならなかった。もちろん何度も枝に引っ掛かってしまう。
話の通り5分ほど歩くと、道の途中に小さな祠を見付けた。2人はお互いの幸せを願って手を合わせた。
お祈りを終えた2人は少し物足りなさを感じていた。そこで更に奥に行ってみることにした。
また5分ほど歩くと、道を塞ぐようにして、鳥居が崩れていた。さすがにこれ以上は行けないので2人は帰ることにした。
帰りは女を先頭にして男が後ろを歩いた。男は、やはり帰り道も草木を掻き分け、枝に引っ掛かりながら歩いた。そのせいで女より少し遅れて出てきた。
それなりに雰囲気を楽しんだ2人は満足して帰った。
帰宅して、2人が部屋で寛いでいると、突然女が悲鳴をあげる。驚いた男は女の視線の先を目で追った。そこは自分の左肩。
なんとTシャツの肩部分に血のついた女の生爪が片手分引っ掛かっていた。まるで男の左肩を掴んだかのような位置にそれぞれ5枚の爪が刺さっていたのだ。
服に引っ掛かったのは枝だけではなかった。