1 削除済
2 無名さん
いちおつ
この時間に食べるラーメンが美味いけどその後の罪悪感が半端無い
3 無名さん
その罪悪感を上回って美味いよね
飲み会後のラーメンもたまらない
4 名無したんさん
体重60キロ超えてそうだね
5 無名さん
身長によっては60キロ超えてても標準体重ですがそれは
6 名無したんさん
じゃあ言い換えてあげるお
平均体重+10キロは超えてそうだね
ていうかアスペじゃないんならわざわざこうしてやらなくてもニュアンスで理解できると思うんだけどな
屁理屈ごねたかったんだね
7 名無したんさん
>>1たんは晒し同盟にログインしてるお
わざわざ削除してご苦労様だお
意味あんのか知らんけど
8 名無したんさん
>>5
暇だお
60キロ前後で標準体重なのは165から170センチくらいの高身長めの人達だお
日本人女性の平均身長は159センチ前後だお
9 無名さん
名無したんさんって頭悪いコメントしか出来ないんかなぁ…
標準体重云々って完全にネタなのに補足してまで噛み付くとか
10 無名さん
こんな時間に何回もコメしてるくらいだし相当に暇なんでしょ
11 名無したんさん
短時間に別人ごっこしてレスしてるのがわかりやすいお
プライド高いと大変だね
12 無名さん
名無したんさん
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╚╝╚╝╚╝╚╝╚═══╝╚═╝。
これは今、自分は22歳。十年以上も前からの話です。

最初の出会いは分かりませんが、自分には何か『事』がある度に双子を見る事がある。

例えば小学校の入学式の帰り道、卒業式も含め当然、一学期、二学期、三学期の始業式、終了式。子供会のクリスマス会の日やキャンプから帰った日など、それは中学、高校も続いた。

そして必ず現れる双子。
見た目も髪型も服も同じ。いつも二人で手を繋いで歩いている。

歳は多分自分と同じ位、だから見る度に互いに背が伸びていった。
昔から不思議に「何だろうなぁ? 気持ち悪りぃ」と思うだけで大して気にはしてなかった。

そして高校生になると見なくなった。
と言うより、実家に帰らず友達の家を転々としたり女の家に泊めてもらったりなど、それなりに荒れていたので見る機会も気にする事も無くなってしまったからだろう。

しかし、卒業式の前日、流石に今日はおとなしくしてようと実家へ戻りその日は寝た。
そして次の日、卒業式。

それなりの事を済まし、家に帰り制服を着替え早速遊びに行こうとした時、当時自分は電車通学だったのですが、電車を降り切符を駅員に渡し駅を出ると、そこに双子はいた。

いつもと同じみすぼらしい格好。二人で手を繋いで横断歩道の向こう側にいる。

「気持ちわりぃ…」

と思いながら、そそくさと自分も横断歩道を渡り双子とすれ違う。

何だろう…ホコリっぽい匂い?
古い段ボールの様な匂いがすれ違い様に臭った。

そしてその日以来、自分はその双子を見ていない。
今は地元を離れて仕事をし、暮らしているからだ。

そして興味本意で、この事実の不思議な話を書いていて思った事がある。

あの双子。

自分と同じ歳位なのに、いつもみすぼらしい「私服」だった。
自分の住んでいる地域は私服の学校など絶対にない。

そしてもう一つ。

双子が握り合っていた手。
左手と左手だった。
 
初投稿です。小学生の頃の話なのでウロ覚えな部分がありますが…。

あれはたぶん小学4年生くらいの時ですが、家の近くに当時はまだ空き地やリンゴ畑が沢山あり、外で遊ぶワンパクな僕達には絶好の遊び場でした(今は打ちっ放しのゴルフ場やスーパーやパチンコ屋などが沢山出来てしまって空き地はほぼないです)。

当時仮面ライダーの小さいフィギアを戦わせる遊びが流行っており、確か僕はカメレオン? っぽい奴を買い与えられていたと思いますが、それを持って皆と外で遊んで居ました。
その日はいつも一緒に居る仲良し三人で遊んでいたのですが、そこに数日前に越してきた転校生が現れ、そんな遊びより楽しい事があると言い出しました。

正直僕はフィギア遊びに飽きていたので、新しい遊びというものに興味を持ち、乗り気ではなかった友達を説得してその新しい遊びを四人でする事にしました。
しかしフィギアを失くすかもしれないという理由で、一人の友達がフィギアを持って一度帰るから一緒に帰ろうと言い出したのです。

家まで10分もかからない距離だったのですが、僕は面倒だったのでそれを断り、待ってるから行っておいでと言ったのですが、一人で行くのが嫌なのか僕ともう一人を必死に説得します。
それでも僕はそれを断り、フィギアを地面に置き、「ここにまとめて置いておけば大丈夫だ」と逆に彼を説得しました。

彼は渋々そこに置いておく事を承諾し、新しい遊びのルールを三人で転校生に聞きました。
転校生の言う遊びとは確か以下の様なものでした。

「まず、皆でわっかになって箸を掴む方の手(右手)で隣の人のもみあげを掴んで目を瞑る。僕が合図したら全員一斉に目を開けてすぐにまた目を瞑るんだ」

その説明の途中か説明が終わった後かは忘れましたが、誰かが「何の意味があるの?」と口を挟みました。
僕はよくわからない遊びと、言い知れぬ恐怖からそのやり取りを息を呑んで聞いていました。
転校生の彼は、

「僕もよくわからないけれど、凄く面白いし二度目に目を開けた時には凄い事が起こるはずだよ」

と曖昧な回答をしたと思います。
怖かったですが、幼心に物凄くワクワクして、早くやろうと促しました。

そしてそのゲームが始まり全員もみあげを掴み目を瞑ったのですが、僕はこっそり薄目を開けていました。
転校生の彼はニヤニヤしながら隣ではなく正面(僕の左隣)の友達のもみあげを触ったり離したりしてた気がします。

はいっ! という彼の合図で全員目を開けました。
別に何の変化もありません。そしてまた全員目を瞑りました。

さっきと一緒で僕は薄目を開けていましたが、今度はさっきと違い、目で見る光景よりも先に声が聞こえてきました。

「ひっ、ひっ」

「申します、ああっ、申します」

「う”〜う”〜」

えっと思って目を開けると僕はなぜか全身ビショ濡れでドブに浸かっていました。

周りには誰も居なくて不安になった僕は、場所もハッキリしないその場から走って、どうやって帰ったのかはわかりませんが家に帰ってきました。
服を汚した事やフィギアを失くした事で親にめちゃめちゃ怒られましたが、恐怖のあまりその日あった事を親に言う事は出来ませんでした。

次の日学校に行くと、昨日一緒に遊んでいた友達がなぜか坊主になっていました(彼の家は床屋でした)。
どうしたのか聞こうとすると彼は、

「いいか、昨日の事は僕達だけの秘密だから誰にも言うなよ? フィギアは僕のお婆ちゃんが預かってる。偉いお坊さんに預けたから大丈夫なはずだから」

と言うので、僕はわけもわからず頷くしかありませんでした。

その日以来、転校生を見てない気がします。
そもそも転校生だったのかどうかも正直怪しいです。

そしてその友達ともその後疎遠になって行き、遊ぶ友達も変わってしまいました。

曖昧な記憶ですが、とにかく怖かった、とか気味が悪かったなーって話でした。
 
当時中3だった私。師匠ってゆうあだ名の女の子と仲が良くてよく騒いでた。
確か冬の雨の日。その日あたしたちはノリで鬼ごっこをはじめた。

初めの内に校舎の説明しとくと、四角い建物の真ん中が四角く空洞になってて…上から見ると『回』←こんな感じ。
で、各階に東階段と西階段があって。

まぁ鬼ごっこを始めたわけだ。始めの鬼は師匠。

「いい? 追っ掛けるよ!」

そう言って師匠が追い掛けて来たとき、かなりの距離が空いてたんだ。
で、ほぼその距離のまま2階を何回もぐるぐる。

さすがに疲れてきた私は、一気に階段を登って4階の自分たちのクラスにかけこんでしまおうと考えた。

急に曲がって階段をかけ登り始める私。
ここからがおかしいんだけど…。

3階に差し掛かるころでふと振り向くと、師匠が急に私のすぐ後ろに迫ってるの。

しかも、なんか下むいて頭から突っ込んでくるような走り方。
顔がよく見えなくて、今まではギャーギャー叫びながら走ってたのになんもしゃべらないし。

あたしはなんか恐くなってそのまま4階にかけ登って、師匠が真後ろに付いてきてるのを確認してから廊下を曲がって教室にかけこんだ。

教室に駆け込んだあたしの目に入ってきたのは…一番前の席に座ってる師匠。

「は!?」

後ろを振り向くと、今まで追い掛けてきてたはずの師匠がいない。

「ちょっと師匠どうやったの!? すぐそこまで追い掛けて来てたじゃん!」

あたしはパニクって問い詰めた。
するとポカンとした師匠は信じられない話をし始めた…。

師匠の説明によると、彼女はあたしが階段を登り始めた時点で追い掛けるのをあきらめて、反対側の階段から教室に戻ってたんだってさ。

…あたしは一体誰に追い掛けられてたんだろう。


<追記>

なんかその階段を登ってる間中やけに暗くて、変に静かだったのを覚えてる。
やけに階段がながーく感じられて。

それから恐くて鬼ごっこはしてません。
 
あまり怖くない上に少々長い話なんですが。
精神的に不安定になっている時は本当に危険だな、と改めて思い知らされた話です。

昨夜の話です。たしか深夜の0時頃。
寒気というか悪寒のようなものが部屋に立ち込めてたんですね。

私はなんだか気持悪いなぁと思いながらCDを聞いていたんです。
最初は気味が悪い、くらいにしか思っていなかったのですが、だんだんと居ても立ってもいられない位に部屋の空気が重くなってきたんです。

何が見えるという訳ではないんですけど…部屋の四方から視線を感じるんです。
次第に話し声も聞こえ出して、ボソボソとしか聞こえないような話し声。

(聞いちゃいけない)

そう思ったんですが、何故か勝手に意識がそちらにばかり集中してしまって体も動かせない。
聞きたくないのに強制的に聞かされるような状態になっていました。

すると、だんだんと話し声が近づいて来るんです。
次第に話の内容がハッキリ聞こえ出しました。

それが会話しているのに、聞こえる声は全部同じ声なんですね。一人芝居でもしてるような。

「困らせてやろうか」

「それは可哀想だよ」

「ちょっと位大丈夫」

等と会話してるんです。

体も動かせないし、逃げ出す事もできずに私はただ目を閉じて耐えていました。

目を閉じて蹲っていると、ギシ…ギシッ…と足音が私に近づいてきました。
上手く説明できないんですけど勝手に目が開くんですね。

目が開くと同時に、背後から手で目を塞がれました(だ〜れだ? ってやりますよね? あんな感じです)。
そしてすぐ耳もとから老若男女の区別がつかない様な声で

「やっと捕まえた」

と聞こえ、そこから先の記憶は全くありません。


私はてっきりその間気絶していたのだとばかり思っていました。

でも母が言うには、私は部屋で狂った様に暴れたり抱き枕やぬいぐるみに話しかけたりしていたそうです。
勿論私自身そんな事をした記憶は無いんですが…。

オチの無い乱文失礼致しました。
 
これは私が3年前、中学2年生の頃の話です。
当時私の周りではサバイバルという(かくれ鬼ごっこのようなものです)遊びが流行っていて、近所の子供(幼稚園〜中学生)が集まって毎日放課後から暗くなるまで町中を駆け回っていました。

今はかなり疎遠ですが、その頃は私にとてもなついていた女の子がいました。
たしか保育園に通っていたと思います。この子の事は仮にAちゃんとしておきます。

Aちゃんはサバイバルをする時は必ず私の後ろをついてきていました。
まだ走るのが遅いAちゃんを抱きかかえてサバイバルしていたのをよく覚えています。

その日も私と友達はサバイバルをしに公園に集まりました。
ジャンケンをして鬼を決め、鬼が100数える間に隠れます。

私はAちゃんを抱きかかえたまま公園近くの廃スーパー裏に隠れました。
Aちゃんは何故か脅えるように私にしがみついていました。

それからどれくらいたった事でしょう。
廃スーパーの裏は林につながっているのですが、その林から物音が聞こえました。

すると見た事のない男の子(高校生位に見えました)が立っています。
顔を伏せていたので表情は読み取れませんでしたが、どこかもの悲しげな雰囲気を纏っていました。

見たことはなかったのですが、私はとっさにサバイバルに混ざっている男の子なのだと思いました。

「一緒に隠れる?」

私がそう話しかけようとした時です。

男の子が顔をあげました。
その男の子の顔を見て私はびっくりしました。

本来白目である部分は真っ黒で、黒目にあたる部分は何とも気味の悪い赤をしていました。
その口元は、裂けるのではないかと思う程歪み、言葉では言い表せない程の気持ちの悪い笑顔を浮かべていました。

それを見た私は町中に響く位の悲鳴をあげて逃げ出しました。腕の中ではAちゃんが狂った様に泣いています。

その男の子は奇声とも悲鳴ともつかない声で笑いながら私を追いかけてきます。
全力で走り、林を抜けやっとの思いで公園に辿りつきました。

泣き付かれたのか、失神したのかAちゃんは泣き止んでいます。公園にはまだ誰もいませんでした。
私はAちゃんの頭を撫でていました。
すると、公園の向こうからお母さんと手を繋ぎながら私に手を降っているAちゃんがやってきました。

おかしい。
たしかにAちゃんは私の腕の中にいる。

私は、ふと腕の中のAちゃんの顔を見ました。

腕の中のAちゃんの顔は、白目が真っ黒に染まり赤い黒目をした眼球が飛び出し、気味の悪い歪んだ笑顔を浮かべながら口から黒い血を流していました。

そして腕の中のAちゃんは歪めた唇を更に歪め、私に血を吐きかけながら

「死ねばよかったのに! ぎゃははははははははは!」

と叫びました。


私の意識はそこで途切れています。

気がつくと私は公園のベンチに横たわっていました。
周りには心配そうに私を見ている友達と、泣きじゃくるAちゃんがいました。

Aちゃんは、お母さんのパートが残業になりいつもより一時間遅れで保育園から帰宅したそうです。

私があの時見た男の子と、その男の子と同じ顔をした偽物のAちゃんはなんだったのでしょう。
その日の事を友達に尋ねても、その日はサバイバルをしていないと言われます。
 
新幹線高架沿いのマンションで朝刊を配っていた。

こういった集合住宅では普通上階から入れてゆく。
できるだけ最短となるように、EV、非常階段などをうまく使って、一筆書きとなるようなルートで走っていくわけ。

3階まで来たとき、上のほうで「カチャン!」という金属音が響いた。
妙に甲高くてちょっと驚いたんだ。

でも、早起きしたり夜通し起きてた読者さんが投函直後にドアポストから新聞引き抜くことはたまにあるので、

「早起きなこってす。毎度どーも」

という感じで配達を続ける。

と思ったらまた、

カチャン!

一瞬からだの動きが止まった。

まぁ、同一物件で2軒くらいまでなら、ごく稀にあること。

「もっと静かに抜けば良いのに。破れるぞ」

などと思いながら続行しようとすると、

カチャン! カチャン!

……え?
しかもさっきより少し近くないか?

そういえば最上階に入れているのは2軒だった。
その下階には数件連続で入れていた。

カチャン! カチャン!

この物件は、いつもうちの新聞が一番早くに入れるので、抜かれる新聞は俺が入れたもののみだ。

「こりゃあ、住人じゃなくて誰かがいたずらしてるんだな」
事実、そういう前例がある。
新聞が届いてないと苦情を受けるのはこっちだ。ここで待ってて捕まえてやろ。そう思った。

カチャン! カチャン!

音の方向からして、完全に俺のルートを追ってるわ。と思ったところで妙なことに気づいた。

俺のルートどおりなら、廊下の両端にある外付け非常階段を必ず通り、鉄製のそれが絶対に音を立てるはずなのだが、一切しない。ゾワッときた。

カチャン!

が真上に来たが、足音・気配いっさいなくしかも速い。

カチャン! カチャン!

もしかしてソレ系? と思いつつも、犯人がいるならとっちめたいという職務上の正義感から我慢して階段の方の様子を見ていると、唐突にこの3階から音がしてきた。

カチャンカチャンカチャン!

さっき入れた2軒となりの部屋の新聞が、内部にシュルッと引き入れられるのを見た。

それでとまった。
沈黙。

住人みんなで俺をからかおうというのか。流れ的に、今俺のすぐそばに何かがいるかもという予感を拭いたくて、そう考えた。

ふと今俺が入れようとしていた宅の扉(EVの扉と向かい合ってる)を見ると、両脇に盛り塩と御札らしきものがあって、言い訳が思いつかなくなって怖くて配達放棄。後回しにして逃げた。
 
お母さんがビデオを買ってきた。
レンタルビデオをしょっちゅう利用してるお母さんだからあんまり気にしなかった。買ってくるのは珍しいけど。セールで百円くらいだったと言う。

そのビデオのタイトルは『振り下ろす男』。
そのタイトルを見たとき、私はどこかで前にもそんなようなタイトルを見た気がした。でも、その時には思いだせなかった。

さっそくビデオデッキにそのビデオを入れる母。
私は試験勉強があったため、ビデオを見ずに二階に上がった。

勉強している時、やはり何かがひっかかる気がしてならなかった。しかも変な胸騒ぎが。
このモヤモヤを消すため椅子から飛び降り、床をドン! と踏み付けた。

少し休憩しようとし、携帯をいじった。
ブックマークしてあるサイトを上から下までスクロールさせると、あるサイト名に突き当たった。

『奇妙〜kimyo〜』

この文字を見た瞬間にハッとした。

このサイトに掲載されていた怖い話にビデオの話があった。
私の中でも結構怖い話だったので話の内容は覚えていた。

何だかあのビデオ、その話と嫌に一致してないか?

私はサーーーッと血の気が引いた。
このままじゃお母さんが危ないと思い、部屋のドアに体を向けた瞬間、私が見たもの。

血の垂れたオノを持ち、ダランと脱力し口を開けたまま、頭が横に傾いて、目がカメレオンだった。
明らかに人じゃない男が立っていた。

そうか、物音を聞き付けてやって来たんだ…。思考は冷静だが、心臓が高鳴っていた…。

ドアはまだ完全には開いてなくギィィィィィ…と音を立てて残りの少しの分が開いた。
今ちょうど来たばかりという事だとすぐにわかった。

血が垂れているオノを見て、私は硬直してしまった。お母さんは…?

男はゆっくりゆっくり近付いて来た。
一歩、また一歩と私に近付くたび、ニヤ〜と不気味な笑みを浮かべる。

もう目の前まで来ていた。
そしてオノを振り下ろした。

私は机の上にジャンプして避け、そのまま逃げた。

リビングには血を流して倒れている母。動かない。私は泣き崩れた。
すると二階からドアをけり開ける音が聞こえた。
まだ終わってないんだ。

確かこれは停止ボタンを押せば…! と思い、リモコンを手に取った。

しかし、私は気付く。
停止ボタンを押しても、お母さんはもう助からない。

考えている内にも男が階段を駆け降りる音が聞こえる。

お母さんも助けるには…。
もしかしたら…。私はリモコンを見つめた。

そして男がリビングに入って来た。

オノを振り下ろす。

その瞬間、私は巻き戻しボタンを押した。

男とテレビに映っている映像が巻き戻る。
この時初めてテレビに目をやったのだ。男の視線で、私が映っていた。

私と男が部屋で遭遇している時に戻るが、私はリモコンを手にし、リビングにいる。
テレビの映像には、私が映っている。

そして男が後向きで来て目の前に倒れている母が起き上がった。
男が母を殺す場面まで来たのだ。テレビにも、実際に私の目の前にも同じ事が起きてる。

しかし巻き戻しなので母は良くなるだけ。
そして男は家からいなくなり、母がテレビを見ているとこまで来た。

巻き戻しを終え、停止ボタンを押した。

「あれ?」

お母さんがこっちを見た。

「あれ? あんたさっき二階に上がっていったのに、どうして?」

と。

私はその瞬間、安心して緊張の糸が切れたのか、母に抱き着き泣きわめいた。

「え? 何?」

「どうしたの??」

何も言わなかった。
その方がいい。もう何もかも終わったんだから。

あの恐怖は全部無かったんだ。すべて終わったんだ…。

泣き終えて心配する母に笑顔を見せた。

「大丈夫だよ。何でもないよ。^^」

すると二階からドン! という音がした。
 
開かずじゃないんだけど、閉めちゃいけないってのは?

おばさんの実家が古い仕出し屋で、弟が生まれるんでひと月くらい一人で預けられたことがある。
店は大人ばかりで忙しそうで、敷地の中の探検ばかりしてた。

表が店と母屋で、裏に厨房と蔵と、昔は使用人の部屋で今は倉庫になってる離れがあった。
その離れの隅っこに物置があって、すりガラスの引き戸が必ず少し開いてて、中に皿とかお椀とかがあるのが隙間から見えた。
入ろうしたこともあるんだけど、見た目より重い戸で開けるも閉めるも出来なかった。

そのうち板前の兄ちゃんと仲良くなり、気になっていた物置の戸の事を聞いたら、

「閉めるとお化けがでるんだよ」

と言われて、子供心に嘘だろーと思っていた。
別にその後大したことも無く過ごして家に帰った。

何年かしてから、その店が廃業したとおばから聞いたときに、そのときの話をしたら詳しいことを教えてくれた。

昔はその仕出し屋は、婚礼なんかのときにはその家に行って料理してくる方式で、戦後くらいにそうやって料理しに行った板前が花嫁とできちゃったらしい。
結局店の当主にばれて女の家にも知れて、二人ともその道具のしまってある「支度部屋」で心中した。

その後片付けようとして部屋に入ると、変な音を聞いたり、女を見たり、具合が悪くなるヤツが続出して、片付けも出来ず、取り壊そうとすると店の当主が倒れたりして、どうにも出来ないままになってた。
しかも戸を閉めるとすりガラスにぶら下がってる影が映るので、閉めることも出来ず、で結局戸に釘を打って隙間が空いたまま動かないようにした。

俺が預けられてから数年してから、店で修行していたおばの従兄弟に代替わりしたんだが、裏に新しい厨房を作るのでその離れを壊したところ、従兄弟が急に倒れ一ヶ月ほどで亡くなり、店も続けられず廃業になった。
結局土地も全部更地になって人手に渡ったんだそうだ。

その従兄弟ってのが、俺が仲良くしてもらった兄ちゃんだった。
俺は知らなかったんだが両親は葬式出たらしい。

話聞いたときはすごいショックだった…。
 
実家の裏庭に建っている茶室が現在開かずの間になっています。

自分の実家は祖父の代まで古物商を営んでいました。
その祖父がかなりのオカルトマニアで、古物商の情報網を使い色々な所から曰く付きの品を集めていました。

ほとんどの品は単なるガラクタでしたが、中には何品か本物も混ざっておりその中にソレはありました。
ソレは南北朝時代の太刀で、祖父の話によると罪人の首を斬る為の太刀、つまり処刑刀として使われていた品なのだそうです。

祖父はコレクションの中でもこの処刑刀を一番気に入っており、茶室の床の間に飾り毎日眺めて楽しんでいたそうです。

ところがある日、処刑刀の下の畳にある小さな染みに気付いたそうです。

その染みはちょうど処刑刀の鍔元その真下にあり、日を追うごとに大きくなっていったそうです。
さすがの祖父も恐くなり茶室ごと封印したそうです。

自分は小学生の時に、祖父の話を確かめる為に友人三人と茶室の鍵を壊し中に入った事がありました。
中は至る所にお札が貼られ、床の間には例の処刑刀が置いてあり、祖父の言葉どおり床の間の畳は赤黒く変色していました。

畳は湿っていて、畳に触った友人の指先に真っ赤な液体がべっとり付着したのを良く覚えています。
その後家族全員に怒られた事も…。

それ以来25年茶室は開かずの間になっています。
 
二年くらい前の話だが。

大学生の俺はごく普通のアパートの二階に住んでいた。
一階には同じゼミの友達が住んでおり、週末になれば毎晩友達の部屋で飲み会をして夜を明かしていた。

その日もいつもの飲み会をしていたのだが、酔っ払った勢いで携帯電話で写真を撮って遊んでいた。
そしてある写真に心霊写真が写り込んでしまった。

電子レンジに髪の長い女の人の顔が写り込んでいた。
飲み会に女などいないし、髪の長い奴もいないのは確かだ。

実は以前この部屋で他の友達が泊まった時、ふと目が覚めた時に金縛りに合ったと同時に女の人が立っていたと話していたが、誰もそいつの言う話は信じることもなく笑いながら受け流していた。

みんな「本当にいたんだ!」と驚き飲み会はさらにヒートアップ。
撮れた写真を飲み会メンバーは面白がってみんなの携帯に転送して記念に残していた。

そして飲み会はなに事もなく終わった。

ある日、高校時代の親友から電話が鳴り、

「最近小学校でボランティアとして先生をやっているんだ。昨日の授業で小学生に怖い話をしてくれと言われて来週話をする事になったんだが…お前のアパートの話したいから詳しく教えてくれ」

とのこと。

俺も面白おかしくなり、親友に話を詳しく教え「この写真を拡大コピーしてくばってやれ」と写真を転送した。

そして数日が立ち、高校時代の親友から連絡がきた。

小学校の授業で怖い話をしたところ、あまりにも話がリアルすぎて女の子達は半泣きになってしまったらしい。
心霊写真をクラス全員に配ったのが悪かったんだろうと親友は話していた。

「実は…クラスにすごい霊感の強い子がいたんだけど。授業が終わって俺が帰ろうとした時にその子が『写真の人理科室で見たよ。白いワンピース着てた』って言われたんだよ」

以前その部屋で金縛りにあった友達は、女の人は白いワンピースを着ていたと言っていたな。

でも、高校時代の親友には女の幽霊が白いワンピース着ているなんて話してないんだよ。
 
とある冴えないサラリーマンの私が立ち寄ったバー。
そのバーはなぜか呼び鈴を押してから入店するシステム。

ピンポーン

「いらっしゃいませ」

渋い声の中年のバーテンがドアを開けて会釈。私の他に客は居なかった。

よく見てみるとそのバーテンは左手の手首から先が無かった。
しかしバーテンは二の腕でグラスを挟み器用に拭いている。

敢えて触れないのが常識だろう。しかし気になる。
どうしても気になったため、失礼を承知で聞いてみた。

「マスター、その手…どうしたの?」

「あぁ、これですか。ハハ…勘弁して下さい」

私はその店に通い続けることになる。
私がなぜこの店に通い続けるのか、それはマスターの左手が気になるから。

週に一度足を運んでは他愛の無い話。ゴルフの話、仕事の話、娘の話、時には女の話も。
店内が一切見えない外観からか、その店に他の客が居たことはなかった。

その店に足を運び始めてから3年の月日が経つ。
マスターは3年前に比べて多少痩せたが元気だ。相変わらず器用にグラスを磨いている。

そろそろいいだろう。それが私の本音だった。
そして3年と1ヶ月目の夜。私は再び同じ質問をしてみた。

返って来た答えは、

「聞きたいですか?」

マスターから聞いた話はこうだった。


学生時代登山サークルに所属していた彼は、仲の良い友人達と某山へ登山に。
男2人に女2人。カップル同士だったそうだ。

山の中腹に差し掛かったところで休憩を挟むことにした。
登山道最後の売店で飲み物を購入したところ、売店の老婆が言った。

「今日は山の神様の機嫌が悪い。てっぺんまでは行けんと思う」

なんて不吉な事を言うんだと思いつつも特に気にも留めず、登山は続く。

1時間程上ったところで再度休憩。
男女に別れ、それぞれ用を足しに行く。男はそこらの草場に、しかし女はそうもいかず個室へ。

30分以上経っても女達は帰ってこなかった。
いくらなんでも遅すぎる。
いい加減心配になり、個室のドアをこじ開けた。

「!」

目も開けられないほどの突風が中から吹きつけると同時に激痛に襲われる。
何が起こっているのかわからない。

ようやく風が収まり、個室の中を覗く。
そこには人の姿は無く、赤黒い塊が黒い液体を流していた。

もう一つの個室にも全く同じ光景。

「まさか…」

その赤黒い塊こそ変わり果てた彼女達の姿だった。

その時彼は初めて気付いた。
自分の左手が無くなっている事に。


彼らは急いで下山し、先程の老婆の元へ。

左手は気を失いそうなほどの激痛。
腋の下を抑えて出血を食い止めながら懸命に走る。

ようやく辿りついた売店で一部始終を老婆に話す。
老婆はパニックになっている彼らを諭すように言った。

「あんた方のお連れさんはドアを開けちまったんだろう。気の毒に…。いいかい、もし今後ドアをノックされても絶対にドアを開けてはいけないよ。もし開ければお前さんも同じ目に合う。ドアというドアに呼び鈴を着け、呼び鈴を鳴らした者に対してだけドアを開けなさい。いいね? 聞いてるのかい?」

それ以来、彼は呼び鈴が鳴らない限りドアを開けないのだそうだ。


そこまで話したところで、バーテンはふぅっと一息つき、そして言った。

「もう二十年も前の話です。正直言って誰かに話したかった。あなたになら話してもいいと思いまして。もう、私は疲れました」

話を聞いて驚いたと共に恐怖に震えた。

あれから二十年経った今でも、彼の家ではドアのノックが止まらないのだという。
そしてもう疲れましたと言って店じまいを始めた。

別れ際、彼は何度も何度も私に頭を下げる。

「こんな話を聞かせてしまい、申し訳ありませんでした。どうぞ忘れて下さい」

それ以来、何度その店に足を運んでも店は休業中だった。

彼はドアを開けてしまったのだろうか。
今、これを執筆している私の書斎のドアはノックが止まらない。
 
実家の離れにさ、蔵があるの。2階建ての。

昔、先祖は割と大きい農家だったみたいで、お宝があるとか婆さんは言ってたけど、入って確かめたことは一度もなかった。
親からかなり厳しく言われてたから。婆さんの言ってる事は冗談だから、あの蔵には入るなってね。

で、中学時代。
今でも忘れられないある夢を見て、ふと親に聞いてみたわけ。何であそこに入っちゃダメだったのって。

そしたらあの蔵は、元々物置とか物をしまっておく蔵じゃなくて、昔の村の病人とか気のおかしくなった人を隔離するとこだったらしいのね。
小学生の頃、お前の家の蔵、幽霊出るって確かに言われたりもしたけど、そういう曰くがあったせいで、地元ではその蔵がかなり昔から噂されてたこともその時始めて教えてもらった。

でまぁ大学2年の夏に帰省した時、地元の友達がその蔵に入りたいって言ってきたのね。
そんなに仲のいい友達って訳でもなかったけど、そいつは入って中の写真を撮りたいって直接家に言いに来た。

父は最初は怪我しても責任取れないからダメって断ってたけど、置かれてる物には触れないって事と、写真を撮るだけって事、後、当日立ち会う事を条件にOKした。母は最後まで反対してた。

約束の日。
蔵の鍵がメッチャでかくてちょっと笑ったけど、それ使って重たい引き戸開けて中に入った。

1階は埃っぽくて、ドブ臭くて、昔の箪笥とか多分農作業用の道具だとか、ススキだったか藁だったかで編んだ様な大きな箱みたいなのがやたらとたくさんあったのを覚えてる。

入り口奥にあった2階に続く階段は狭くてほとんど直角。
しかも蔵には電気通ってないから、階段から2階を見上げると真っ暗。
それでも何とか2階に上がって雨戸を開けると、部屋の中がかなり頑丈そうな木組みの格子で仕切られてるのがわかった。
その中に入れてたんだろうなって父は言ってた。

格子の向こう側には窓もなくて、なんか薄い畳みたいのが床一面に引かれてるだけ。
床が抜けるといけないからってことで中には入れなかった。

気になったのが、木の枠で囲まれた四角い穴。
それがボットン式の昔の便所だってことは後で教えてもらったんだけど、それ見ている内に中学時代に見た夢を思い出しちゃったんだよね。

夢ってのは、ちょっとカマキリに似た顔の丸刈りの男の人が、まさにその“昔の便所”から首だけ出して叫びながらもの凄い勢いで首を振りまくってる…。
そんな感じの内容だった。

嬉しそうに写真を撮ってる友達を見ながら、そういえば夢の男の顔がこいつにやや似なことに気付いてちょっと怖くなった。

『はよ次のん蔵に連れて来い! ワシみたいなん連れて来い!』

夢の男の叫んでいる内容は確かこんな感じだったと思う。

蔵を出た後、友達は父にお礼を言ったり色々と話をしてたけど、その時の相槌が妙に夢の中の男の様で気持ち悪かった。

その後、その友達とは全く会ってない。
あの相槌をされそうで、出来ればもう会いたくないというのがちょっと本音。

蔵はまだそのまんま離れに建ってます。
大学時代に友人から聞いた話。

釣りが大好きだった友人は、その日も朝から釣りに出かけていた。
場所は川の上流域でかなりの山奥である。

ここから先は、友人の語り口調で書かせていただきます。

「車で行ったんだけど、途中からは獣道すらなくてな。仕方なく歩いたんだよ。かなりの悪路だったな。崖も越えたし、途中クマが木をひっかいた痕もあったな。で、やっと釣れそうなポイントにたどり着いてな。早速、そこらへんの石をひっくり返して川虫を集めたのよ」

俺「餌ぐらい買えばいいのに」

「いや、現地でとった餌は食いつきが違うんだよ。何よりとるのも楽しいしな」

俺も現地で餌を調達したことがあるが、あの作業は虫が嫌いな人間にとって地獄である。それ以来、俺はもっぱらイクラ派だ。
そんなわけで不本意ながら同意し、話の続きを催促した。

「虫を確保して、早速釣り始めたんだ。そしたら面白いぐらい釣れてな。ものの3時間で十五、六匹は釣れたんだ。でも朝まずめが終われば流石に途絶えるだろうなって思ってたのよ」

知ってる人も多いと思うが、釣りは朝と夕方の「まずめ時」が最も釣れる。
「けど爆釣モードは昼を過ぎても全く終わる気配がない。生涯で最高の一時だったね。時がたつのも忘れて夢中になったよ。気付いたら辺りは薄暗くてな。もう夕方になってたんだ。身の危険を感じて、帰り支度を始めたんだよ」

「ふと背後に気配を感じて振り返ったら、小さい女の子が背を向けて立ってる。少し近づいて『こんなとこで何してんだい?』って聞いてみたんだよ。振り向いた顔を見てギョッとしたね。顔がお婆さんだったんだよ。しかも、顔がひきつるぐらい満面の笑顔だったんだ」

俺もギョッとした。

「でも病気か何かだと思って、同じ質問を繰り返したんだ。今度は丁寧語でな。そしたら笑顔を崩さないまま、『いつまで』ってつぶやいたんだよ。何回も。キチ〇イだったんかなあと思って、軽く会釈して帰ろうとしたんだ」

「そしたら、急に婆さんの声が合成音声みたいになって、『いつまで生きる?』って言ったんだよ。背筋がゾクッとして、こいつはこの世の人間じゃないと思ってな。凄い勢いで下山したんだよ。途中、婆さんのつぶやく声が何度も聞こえた。薄暗い山奥でだせ? 発狂寸前だったよ。あ〜あ、最高のポイントだったのにもう行けねえなぁ…」

俺は自分の膝がガクガク震えているのを感じた。
話の途中から、友人は気持ち悪いほど満面の笑顔だったのだ。

それからしばらくして友人は自殺した。
俺の職場の先輩が話してくれた話。
先輩はバイクが好きで、今でも時々仲間と走りに行くそうだが、その先輩が若い頃の事。

親友とバイクでナンパに出掛けた夜。
女と遊んだ後で、もう時間は夜中の一時を回っていた。

しかし先輩は何かそのまま家に帰るのも面白くないと感じ、その親友と二人でF県にある長老湖という湖にまで足を伸ばしたのだそうだ。

長老湖は景色の良い湖で、ボートや売店などもあり休日には家族連れも見られる。
しかしそこは真夜中の事。
当然誰もいない。絶対に誰もいない。

何故言い切れるかというと、この湖、少し離れた所に一ヶ所だけある駐車場以外に車を置いておく所がないのだ。
ちょっと歩いて、なんて距離に民家もない。誰か先客がいれば必ずわかる。先輩はそう言った。

先輩達も、その駐車場にバイクを置いて湖に来た。
駐車場から湖への道を歩いて行くと、まず売店が目に入る。その更に先には、今は殆ど使われなくなった二階建ての小屋がある。
その小屋の前に、湖に対して垂直にベンチが置いてある。

先輩が湖に向かい、親友が湖に背を向けるようにそのベンチに座り、今日遊んだ女の話をしながら煙草を吸っていたのだそうだ。

じきに、先輩がある音に気がついた。ボートのオールを漕ぐ音が聞こえる。

ギィー バシャ
ギィー バシャ

親友の方はその音に気付かないのか、いつまでも女の事を話している。

「おい、ちょっと話やめろ」

先輩が親友に言った。
親友は不思議な顔をしてこちらを見る。

ギィー バシャ
ギィー バシャ

やはり聞こえる。
ボートを漕ぐオールの音。一艘だけ、聞こえる。

先輩が親友の肩越しに湖を見た。

月が映っている真っ暗な湖。
さざ波一つないその湖面を、オールがこちらに向かって進んでくる。

オールだけが…。

ボートもない。人もいない。
オールだけが、こちらに向かって進んでくる。

先輩のただならぬ様子に、親友も後ろを向いて湖面を見た。

数瞬の間。

叫び声を上げたのは、二人同時だった。

「うわーーーーッ!!」
すぐに駐車場まで戻ると、二人とも急いでバイクに跨り逃げ出した。

先輩はもう家に帰ろうと思ったが、途中で親友が呼び止めた。

「おい、あれもしかして夜釣りだったんじゃね?」

そんな事はなかった。
お前だって見ただろう。先輩がそう言うと、

「いや、お前があんまりビビってたから俺も見間違えただけかも」

その言葉にカチンときた先輩。
よしじゃあ戻るか、という話になった。

戻ってきた長老湖。他の車なんか止まっていない駐車場。閉まっている売店。ボロい小屋。

月を映す真っ暗な湖面。さざ波一つない、静かな夜。湖面を渡るオールの音。

湖面に映る、オールの影。

オールだけが、ゆっくり湖を漕いで渡っていた。

ギィー バシャ
ギィー バシャ

ギィー バシャ


「すぐに逃げ帰ったぞ。今度はあいつも真っ青な顔してビビってたわ!」

笑いながら、先輩が話してくれた話だ。
これは、俺の友達が経験した実話。
そいつのことを仮にSとするけど、Sは肝試しとか好きで、よく地元のツレとかと一緒に心霊スポットに行ってたらしい。

ある秋の夜、いつものノリでツレ二人と、R寺というスポットにSの車で赴いたんだ。

R寺は県内でもそこそこ有名な場所で、特にその寺に続く下り坂がヤバいらしいんだが、S達がその坂にさしかかって車を停めたんだが、何ともない。
雰囲気も普通で、全開にした窓から秋の涼しい風が吹き込んできて心地いいくらい。

あまりにも期待外れだったので、Sは車のエンジンを切り、ライトも消してツレと談笑しはじめた。

数分後、後部座席に座っていたやつが、急に寒くなったと言い出した。
まぁ、秋も深まる季節だし不自然ではなかったし、Sは大して不審には思わずに「脅かすなら上手くやれよw」とか言っていた。
だが、後部座席のやつが寒い寒いとあまりに言うものだから、切り上げて帰るかということになった。

そして、車を発車しようとキーを回す。
が、セルが回る音がするだけでエンジンがかからない!

何度も何度も試すがかからない。
さすがに肝を冷やしたが、Sは冷静に考えてバッテリーがあがってるか確認しようとドアレバーを引く。

しかし、ロックは解除されているにも関わらずドアが開かない。
慌ててガチャガチャやっている間に車内の体感温度がどんどん下がってくる。
もう車内はパニック状態で、後部座席のやつなんかは失神しそうな勢いだった。

そして、Sがヤバい!! と思った瞬間、後ろから強烈な光に照らされた。

次の瞬間、エンジンがかかったんだが、後ろから照らしてきたタクシーの運転手が降りて、慌てて駆け寄ってくる。
そして運転手はしきりに「大丈夫か? なんともないか?」と聞いてきた。

タクシーの運転手の慌て様があまりにもすごかったので、Sは「な、何が大丈夫なんですか?」とか聞いちゃったらしい。

すると運転手が神妙な顔でこう言った。

「今、あんたらの車の後部座席の窓から、車内に入ろうとしてる女がいた…」

と…。

もう一目散に逃げ帰って、心霊スポット探索は自重したそうな。
ある男が、仕事で現地のホテルに泊まることになった。
彼が友人にその話をすると、友人は表情を曇らせて『あそこはヤバイよ。出るらしいぜ…』と言う。

男は詳しく聞きたかったが怖くなるので聞かなかった。
しかし、前日になるとどうしても気になって、結局聞くことにした。

すると友人が言うには、

『あそこ、昔火事で何人も死んだらしい。それからあのホテルに泊まると、必ずノックする音が聞こえるんだ…』

次の日男はホテルに泊まった。
夜、寝ようとベッドに入ると…

「コンコン」

ドアの方から聞こえる。
男は来たな、と思った。ノックの音は止まない。

「コンコン、コンコン、コンコンコンコン」

男はだんだん嫌になってくる。
ノックの音もそれに比例するように激しさを増す。

「コンコンコンコンコンココンコンコンコンンコンコンコンコンドドドドドドドドドドドドドド…」

男は絶対にドアを開けなかった。
その瞬間、男の体が燃えるように熱くなった。

そしてノックの音は朝4時頃に止まったという。


男はホテルから帰ってきて、友人にこのことを話した。

すると友人はまた言った。

『それって外からじゃなくて、中から出してってノックしてたんじゃないの?』
高校時代の先生から聞いた話。

先生は大学当時、仙台の体育大学の寮に住んでいた。
大学からその寮に帰るには、田んぼの真ん中の道を真っ直ぐ進み、行き止まりのT字路を右に曲がるのだという。

そのT字路では事故が多かった。
左右に曲がる車が、どういうわけかハンドルを切るのが早すぎて手前の田んぼに落ちるのだという。

先生の友達も落ちた。その時の話だ。

授業が終わり、別の大学の友達とカラオケで遊んできた帰り。
その道に車で差し掛かった時にはすでに夜の零時を回っていた。

やけに道が明るい。

この道は街灯も無く、いつも真っ暗だ。その道が、今日はやけに明るい。

近付いてみてわかったが、どうやら祭のようだ。
出店が道の両脇にずらりと並び、浴衣姿に子供の姿。親子に手を繋ぎ歩くカップル。

おかしい。

この近くに神社はないし、大体こんな時間になんでこんなに人がいるのか。
道の広さは車がギリギリすれ違える程しかない。その道を、埋めるかのように人、人、人。

途中で通行止めの看板でも見逃したかな。
そう考えて今までの道のりを思い出しても、そんな看板はなかった。

これからバックして別の道から帰るとすると、ここから三十分はかかる。
友達は車を発信させた。

少し、いやかなり酒も入っていた。
まぁいい、なに、車を近付ければみんな退いてくれるだろ。

ゆっくりゆっくり車は進む。
向こうからカップルがこちらに歩いて来た。全然車を見ていない。

おいおい、なんだよどこ見てんだよ。と思いクラクションを鳴らす。
カップルは一つも車を見ていない。まるでそこには何も無いかのように近付いてくる。

「おい! ぶつかるぞ!」

そう叫んだ時。

カップルは車を通り抜けた。
まるで車を空気のように、すっと通り抜けたのだ。

助手席を通過した女の、指にはめていた指輪がハッキリ見えた。

友達は一瞬頭の中が真っ白になった。

すぐに後ろを振り向くと、後部ガラスの先に通り抜けたカップルが見えた。何か楽しそうに談笑している。

その姿が、スッと消えた。

血の気が引いた。

バッと前を見る。屋台も人も消えてない。

その人達に、足が無かった。

そして気付いた。
祭なのに、これだけ人がいるのに、なんの物音も聞こえない事に。

鉄板で物を焼く音。家族の話声。テキ屋の売り口上に祭囃し。何も聞こえない。
瞬間、アクセルを踏んだ。
ただ早く寮へ。その事しか考えていなかった。考えられなかった。

人々が次々と車を通り抜ける。子供に老人。男に女。家族連れ。恋人同士。

バックミラーを覗けば、通り抜けた人々はみな消えていた。屋台も消えた。
後に残るのは、夜の闇ばかり。

早く、早く寮へ。あそこを右に曲がれば!


その時、目の前に女が立った。

目と目が合う。

この女はこっちを見てる。何か言っている。あれは人か。

避けないと!

ハンドルを早く右に切りすぎた車は、田んぼに落ちた。

女も、消えていた。


「やっぱりあの女も幽霊だったんだよ。あそこで事故る奴もみんなあんな風景見てるのかな」

友達はそう言った後、もう二度とあの道は通る事はなかったそうだ。
自分は以前広島に住んでいたのですが、そこに住んでいたときだけ、いろいろな怖い体験をしてきました。その中でも一番怖かった話です。

確かその日は、小学校の運動会でした。
父と母は運動会を見に来てくれましたが、お昼を食べた後にすぐに帰ってしまいました。
運動会が終わったのは5時位で、疲れていたのですぐに家に帰りました。

自分の住んでいるマンションに帰ると、家の中には誰もおらず、自分はすぐに部屋で寝てしまいました。
その後、洗面所のドライヤーをかける音で目を覚ました僕は、母親がいる洗面所にいき、「きょうは疲れたなー」などと話をしていました。

すると父親がリビングのほうから、「今日は外で食べに行こうか」と言っていたので、僕は「お腹はすいてないから寝るよ」と言って部屋で寝てしまいました。
そのとき、母親が小さく舌打ちしたのを覚えてます。

その後、起きたのは12時位でした。
さすがにお腹がすいてしまった僕は、リビングに向かいました。

すると、洗面所から(ジャージャー)とドライヤーの音がしたので、見てみると母親がドライヤーをかけていました。3,4時間前と同じ光景でした。

僕は母親に「お母さんいつまでやってるの?」と聞くと、

「別にいつでもいいだろ、殺してやろうか」

他にも何か言っていた気がしますが、目は充血していて真っ赤で、あまりにも怖かったので無我夢中で家族の話し声がするリビングへ走りました。

すると、リビングは真っ暗でテーブルに置いてある一枚の手紙に目が留まりました。
内容は半分くらいしか覚えてないのですが、こうでした。

「お帰りなさい。午前中しか居れなくてごめんね。今日はあなたが帰って来る前に出かけちゃうから。おやつと晩御飯はキッチンに置いとくね。お腹がすいたら食べてね」

…その手紙を暗いリビングで読んだときは死ぬほど怖かったです。

そのすぐ後に家族は帰ってきたのですが、母親に泣きながら飛びついたのは言うまでもありません。
これは私の友達が体験した本当の話です。
最初この話を投稿するか大変迷ったのですが…話したいと思います。

私の友達(仮にAとする)が友達三人と体育館で遊んでいました。
暫く遊んでいると、Aがおびえるように「おい…あれみろよ…」とあるところを指差していました。

そこは、ステージの横にある小さな窓でした。
Aが言うにはそこに、凄い形相でこっちを見ている血だらけ女がいたと、言うのです。

「気のせいだろ」

と他の三人は言うのですが、やっぱりAは気になるというので、四人で見に行ったそうです。

ステージにいくための階段を上り、問題の窓を見てみたのですが、女らしき人は見つかりませんでした。

「やっぱり気のせいだったろ! そんな深く考えんなよ!」

と少し馬鹿にしたように三人は去っていきました。

Aも、あれは気のせいだったんだ、とステージを降りようとしました。

その時、後ろに気配を感じたことにドキッとしたAが恐る恐る後ろを振り向くと、生首を持った血だらけの女が立っていて一言。


「お前も死ぬか?」
この頃は寒くなってきて火事も多くなっていますね。それで丁度、母の話を思い出したので少ししたいと思います。

皆様は火事予防の為に小さな地域では火の用心と称して見回りをするのをご存知でしょうか?
俺の実家の方ではあるみたいで、小さい頃おばあちゃん家に居るときにはよく聞いていました。

真冬のある日。
母が普通に自室で寝てたら(母の部屋は一階にある)普段お酒を飲んで寝るから起きないはずの母がバッと目が覚めた。

最初は寒くて起きたんだろうと布団をかけなおして寝ようとすると、遠くの外から…

シャンッ…シャンッ…

って音がしたらしい。
音のイメージでいくと西遊記のお師匠さんが持っていたあのシャンシャンいう棒。

そんで母は真冬だし、一瞬はびっくりしたものの火の用心の見回りをやっているんだと思ったそうだ。
だけど音は遠ざかるばかりか逆に近づいてくる、しかも速さが尋常じゃない。

時々遠くで音がしたと思ったら間近で音がする。
そしたら家の中でも音が聞こえだした。

そこで母は思ったらしい…。

「…やばい…家に入ってきた…」

って。
まぁその考えは普通じゃ起きねぇと思うが。

んでそしたら音が玄関から母のいる部屋を過ぎて俺達がいる二階の方へ行った。

「やばい…子供達が危ない!」

さすが母親。
そこは怖さよりも子供を心配して二階を見に行こうと部屋から飛び出そうとした…が、

シャンッシャンッ!!


思わず扉から手を離して固まった。
二階に行ったはずの音が扉のすぐ向こう側から大音量でしたらしく、さすがに

「絶対開けたら何か見る」

って思ったらしい。
そしたら鳥肌もんで、開けられない。

暫く扉の前で立ち往生していた母だったが音が止んだので潔く寝たらしい。

後日、俺がその体験を聞かされる前に体験してマジで固まった。

母曰くあの扉のすぐ近くで鳴った時、

「助けようって思ってたんだけど…ごめんね(苦笑)さすがに見捨てたわ」

そうですか。見捨てたんっすか。

我が母ながら諦めの速さにはいつも感服してる。

ちなみにおばあちゃん家の方の地区では火の用心の見回りはあるが、俺んちの地区では車で回るだけで、シャンシャンと歩き回るのはやらないと近所の人に聞いた。

一体なんなのか分からないが、それから家ではシャンシャンを三蔵法師と呼んでいる。

今年の冬も来んのかな?
 
幼稚園の頃の話なんだが、かなり記憶も鮮明で今でも実体験と信じてる。

夏の日に四国の母方の実家に泊まった夜のことなんだが、そこは典型的な日本家屋で、廊下のつきあたりに日本人形が置いてあった。

昼はひたすらに遊びまくって、夜、俺は畳の部屋で思いきり寝てたはずが、ふと目が覚めたんだ。
ふとというのは正しくないかもしれない、明らかに嫌な予感――寒気みたいなものがして起きた。

恐ろしいことにそれは当たった。俺の足に何かが絡み付いている。
何かと思って両足をこすり合わせたらすぐに気付いた。髪の毛だ。

子供ながら俺はゾッとなり、布団から身を引かせた。
何の抵抗もなく髪の毛も足から離れて、俺はあっさりと布団から出て後ずさったんだが、よく卒倒しなかったなと思う(この体験のせいもあってか、今もソレが苦手だ)。

廊下に置いてあるはずの日本人形が足元に立っていた。

もうワケが分からなかった。
とにかく逃げようとした、障子を開けて廊下に出た。何故かばあちゃんの許に行こうと廊下を走った。

だが、廊下の角を曲がった所で、つきあたりにある昼見た時に人形が置いてあった場所を見たら、もう絶望に近いものを抱いた。

日本人形が置いてない。

途端に足をとられた。
無様にその場に倒れた俺は振り返ると、まるで当たり前のことのように日本人形が目の前にいる。

絡み付いてくる髪の毛から逃げるように尻を床に着けながらも後ずさる、だけどダメだった。
もう人形は鼻先にいた。

そこから先の記憶は無くなった。

ただ、気が付いた時、俺は母親に頬を叩かれていて、朝だった。

夢かと思って視線を動かした俺は戦慄した。

目の前に日本人形がある。
何も起きなかったかのように、昼に置いてあった場所に日本人形がいる。

俺が目を覚ました場所は廊下だった。
 
自分はタクシードライバーをしてるんですが、仕事の先輩が体験した怖い話。

今年のお盆、先輩は駅で客待ちをしていたそうです。
そして30代前半くらいのサラリーマン風の男性が乗車して、○○霊園にお願いします、と行き先を言って来たそうです。

まぁ、お盆ですからお墓参りに行くお客さんは一年で一番多い時期なので、なんも気にせず『はい』と返事をして向かったそうです。

そして霊園に着くと、男性が帰りもお願いしたいので待っててくれないか? と聞いてきたので、メーター入ってしまいますけど、それで良かったらお待ちしますよと言うと、じゃお願いしますと話がまとまり、先輩は待つ事になったそうです。

ところが、一時間経っても男性は戻って来ません。
乗り逃げされたか? と思い先輩は辺りを捜しに行ったそうです。

すると霊園の少し外れの森の中で、男性が首を吊って死んでいたそうです。

警察が調べた結果、死後3日は経っているとの事…。
確かに先輩はその男性を乗せて来たのに…3日前に死んでいた…。

きっと見つけて欲しかったからタクシーに乗ったんですかねぇ…。
 
あまり怖くないけど俺の勤めている勤務先の事務所での話。

勤務先の事務所って結構古く三階のフロアなんかは昔は結婚式場や法事やら冠婚葬祭も行っていたらしい。
今は会議室や研修室なんだけど。

俺が会議室で議事録を作っていたんだ、テープレコーダーで会議の内容を録音してそれを文章化する作業。
俺は片耳でイヤホンつけてもう片耳は内線とかの電話がくるかもしれないからイヤホンは付けなかった。

んで俺は会議録の内容を繰り返し聞きながらパソコンを打っていたんだが、そのレコーダーの録音内容に妙な音が混じっていた。
ノイズではない。何かの音。

K課長が

「今後の対応策としては…」

???

『聞け』

K課長「分かりづらい部分も…」

???

『…うるさい』

何だ? と思いながらパソコンを打ち続けた。


『おい!』


俺はドキッとした。
イヤホンをつけていない耳の方から聞こえた。

振り向いたが誰もいない。

何か気配を感じる。会議室の中に何かいる気配……。

こういった類は無視と思い仕事をさっさと片づけようと思ってパソコンのディスプレイを見たら、

『無視してんじゃねえ』


って入力されてた。

あの声や文章を打った奴は誰だったんだ?

そういえば、この三階フロアではポロシャツを着た中年の男の霊が度々目撃される。

俺も会議中に課長の頭上を胸までしか見えない白のポロシャツを着たオヤジが横切るのをみたことあるし、盆中に会議室の机に夕方、一人で座っているやはりオヤジがいたって噂があったし。

何か伝えたかったのかな?

今も普通に会議とかで使用している。
 
私が高校一年の夏の事です。

明日はバイトがあるから早く寝ようと、布団に入ったのが10時。
しかし本を読んで、携帯をいじって…とあれこれしている内に時刻は0時過ぎに…早く寝ないとやばいと、私はすぐに電気を消しました。

眠気はすぐにやってきて、夢の中へ…しかし突然体の違和感にはっ、と目を覚ましました。

体が動かない…そう、金縛り。

意識ははっきりし、耳なりが酷い。息もしてないし、心臓も動いてないように感じました。

『ここで目を開けちゃ行けない』

そう感じた私は、ずっと目を固く閉じていました。

すると、激しい耳鳴りに混じって何か聞こえるのです。

『…ぼ……あ…』

『?』

『遊ぼう、ねぇ…遊ぼう…遊ぼう…』

まだ小さな可愛らしい少女の声。

しかし私はあまりの恐怖にパニック…にはならなく、何故か冷静に『うるさい』と思い、動かない指を必死に動かそうとし、心の中で何度も『うるせぇ、うるせぇ!』と怒鳴りました。

それからの記憶はなく、気が付くと朝に。

あれは絶対に霊現象だと今更ぶるり。
バイトの時間もありすぐに風呂に入りました。

シャンプーをしている時、私は少し右にずれようとしました。

しかしふっ、と『ああ、あの子がいるんだった。ぶつかっちゃう』と思い、左に移動。

その異常にはすぐに気が付きました。

『なんで? 今私一人だよ?』

私はどうやらあの少女に憑かれてしまったらしい。
 
じゃあ親から聞いた話を。
なんか昔すっげー霊感あったらしい>親。

親戚夫婦が旅行から帰ってきて、撮った写真をみんなで見てたんだと。
で、ある一枚の写真にふと目がとまった。

そこには夜景をバックに二人が映ってるだけの写真。
でも親はなぜかその写真の「右下」が気になった。

そこには赤い光の点がふたつあるだけ。
でも気になって仕方がないのでずっと見つめていたら、その赤い点が「目」に見えてきた。

最初は気のせいだと思ってまたじっと見つめていたら、その目がだんだんハッキリとしてきて、そこから鼻、口、輪郭…と浮き出てきて「おかっぱの女の子の顔」が浮かび上がったそうで。

親はゲェーってなったけどもう少し見てみた。

すると、その女の子の身体(着物を着てた)が持ってた写真の端を「はみでて」浮かびあがってくる…。しかもこっちを見ながら近づいてくる…。

親はその瞬間速攻で写真を伏せて元に戻したそうです。

心霊写真にしても映ってる霊が写真をはみ出してきたのは怖すぎる…って言ってた。
 
皆様のお家に一つはヌイグルミと呼ばれる類の物があると思いますが、その中に何が入っているかご存知ですか?

私は以前ヌイグルミに関わる仕事をしていたのですが仕事内容の一つにヌイグルミの修理というものがありました。
耳の取れたうさぎさんを直したり鼻のもげた熊さんを直したり…。

だいたいのヌイグルミが長年使っていて修理が必要になった物、子供が無茶な遊びをして破れてしまった物でした。
たまに新品を持って来られる方もいますが元々不良品だったりして交換される方がほとんどでした。

ある日、私がお店にいると修理希望の若い男性がいらっしゃいました。
内容は『つい最近人にあげる為にうさぎの人形を買ったばかりだったのだが左脇腹に穴が開いている。交換ではなく修理をしてほしい』との事でした。

お客様からヌイグルミを預かりスグに私は修理しようと左脇腹の穴を見ると、自然に開いた穴というより、刃物で切ったという感じの小指程度の穴がありました。
以前、ヌイグルミに盗聴器などを入れ相手に贈るという話しを聞いた事があったので、まさかなぁ…と軽い気持ちで中を覗きました。

すると真っ白な綿の中に黒い物が見え隠れしていました。
これが盗聴器なら犯罪に手を貸すことになる…同僚と話し合った結果、穴を少し広げて中身を出すことにしました。

白い綿を引っ張ると固い綿だったようでどんどん繋がって出て来て黒い塊、それ以外にもビニールに入った赤や白い物も出てきました。
同僚と何が出て来た? などとお宝を見るような気持ちで黒い塊を見ると、ビニール袋いっぱいの髪の毛でした。

私と同僚は言葉を失いお互い顔を見合わせていると、赤い塊が床に落ちました。
パシャ


という音がして下を見ると赤い液体が絨毯に拡がっていて鉄の匂いが辺りを取り巻きました。
それはドロドロとした半分固まった血液でした。

同僚も私も顔から血の気が引きその場で動けずにいました…。
するとそこにオカルト好きの上司が入ってきて、私たちの異様な空気を察してスグに自分が後やっとくから2人は休憩に行けといって後の事をやってくれました。

休憩から戻るとさっきの髪の毛や綿は捨てられていてヌイグルミも修理が終わっていました。
しかし絨毯の血は取れなかったのか、タオルが引かれていて血が見えないようになっていました。

上司に仕事をやってもらったお礼とさっきのはなんだったのか? と聞くと

『呪いかまじないの一種だろ』

と言いその後は何も教えてくれませんでした。

しかし同僚は別の事を聞いたらしく、もう一つあった白いものはなんだったのか? と聞くと

『精液だと思う』

と言っていたそうです。

修理に出した若い男性には中を取り替えた事は言わずに上司が対応をしてくれたそうです。

他にも、綿の中から犬や猫の毛、お守りやお札が出て来た事もありました(>_<)
皆様も贈り物のヌイグルミや中古のヌイグルミにはお気をつけ下さい!

長文、駄文にお付き合い下さりありがとうございました。m(__)m
 
現在も住んでいる自宅での話。

今私が住んでいる場所は特に曰くも無く、昔から我が家系が住んでいる土地なので、この家に住んでいれば恐怖体験は自分には起こらないと思っていました。

ここ最近ですが、リビングにいると昼夜を問わず、女性の低い声で鼻歌が聴こえてきます。

「ん〜…ん〜ん〜…」

最初はよ〜く耳をすまさなければ気づかないほどに遠くから聴こえてくるのですが、放っておくとどんどん近づいてきます。

「ん〜…ん〜ん〜…」

それでも放っておくと、意識を集中しなくても聴こえるほどに近づいてきます。

「ん〜…ん〜ん〜…」

なので私は、その声に気づいたらいつも般若心経の最後の部分を繰り返し唱えるようにしています(これしか知らないもので……)。
とにかく般若心経の「ぎゃーていぎゃーてい」のくだりを唱え続けると、声はだんだん遠ざかっていきます。

このリビングではテレビにも集中できません。
声が聴こえ始めるのは完全に不定期ですし、早く声に気づいて般若心経を唱え始めなければ、時としてそれは部屋にまで入ってきます。

「ん〜…ん〜ん〜…」


そういえばこの前、大好きなバンドのニューアルバムが発売されました。
発売日を楽しみにしていたので、お店で買った時はもうテンション↑↑

さっそく家に帰ってヘッドフォンで聴いて、一通り聴き終え、よかったな〜と余韻に浸りながらヘッドフォンを取ったら耳元で

「んーーーーーーーーーーーーーーー」
 
オレが中学の時の先輩から聞いた話。
1990年、夏休みが終わり体育祭の練習で忙しい、そんな頃、2年の女子生徒が死んだ。

その子、体育祭の実行委員で結構遅くまで友達と学校にいたそうだ。
仕事も片づいて女友達と2人、帰ろうとしたんだけどトイレ行きたくなっちゃったんだと。

女友達がトイレの外で待ってたんだが、5分、たっても出てこない。
声をかけても、ドアをたたいても反応がない。

不安になった友達は新校舎まで走った。
そこのトイレは旧校舎の3階の職員用トイレ。新校舎の職員室までかなりの距離がある。

友達が居残ってた教師を捕まえて戻ってきたのは10分後くらいだった。

教師は慎重にドアを壊した。
……女の子は死んでいた。個室が血塗れで。

普通の人が見てられるものじゃなくて友達もその場で吐いたらしい。

数日後、女友達は別の教師に聞いたそうだ。
あのトイレのデザインを変更する予定だったこと。発注の電話の際「女の子好み」を間違えて「女の子殺し」と業者が聞き間違えていたことを。
 
友人Aの彼女が殺された。
報道こそされなかったものの、かなり無惨な殺され方だった(Aが直接私だけに教えてくれた)。

数ヶ月が経ったある日、気晴らしにと、Aと別の友人Bと三人で食事する機会があった。
その帰り道、三人で人通り少ない道を歩いていた時に、前方から女の歩いて来るのが見えた。

その時突然Aが「ぁあああ…」と、頓狂な声を発して震えだした。
その女は殺されたAの彼女だった。

恐怖で固まる私達三人を無言で見つめる彼女。
何を訴えたいのだろうと私が考えているとBが震えながら小さい声で言った。

「舌だ、舌が無いからしゃべれないんだ!」

そうだ、と私は思った。
無惨にも彼女は舌を切り取られて殺されたのだった。だから喋れないのだと気づいた。

その瞬間、凄まじい形相になった彼女が、何かを訴えるかのように激しく口を動かし始めた。

…確かにその彼女には舌がなかった…!

何も無い空洞のような口からニチャニチャという血糊の音が聞こえた。

私は気を失った。


十数分後、野次馬の人だかりの中で気がついた私は凄まじい惨状を目撃した。

Bは包丁で自分の舌を切り取って絶命していた。
目撃者の話によると、発狂したように自分の口に包丁を突き刺していたらしい。

Aは恐怖のためか、急に車道に飛び出して車に引かれたという。
幸い、Aは骨折程度ですんだ。

しかし事故を起こした車の運転手の話によると、車道に飛び出すAの後ろにシャツを引っ張っている女の姿を見かけたが、いつの間にかその女は消えてしまったということだ…。
 
去年の夏、俺と後輩のA、B、Cの四人で心霊スポットに行きました。

ダム建設で廃村になった村の近くで複数の鳥居がある神社。地図には載っていないです。
噂によると、その鳥居から出ると憑かれるらしい。

その日は俺の車で騒ぎながら行きました。車で二時間半、徒歩で三十分くらい。

途中廃村を通って行かなくてはいけないのですが、その中に崩れかけた昭和初期くらいかな? 屋根も床も抜けた、古い日本家屋が二、三軒あり怖がりながら歩いて行きました。
ところどころで写真を取りながら神社についたのは午前0時過ぎでした。

その時は無事に神社について何もなかったんだけど、お札が貼ってある箱や石がたくさん整えられた様な、でも無造作にも見える感じで置かれてありました。
生ぬるい空気や異質な雰囲気が頭が痛くなるほど怖かったのを覚えています。

これは早く帰ろうとなり下山し始めたんだけど霧が張ってきてよく見えない(携帯のライトで歩いていた為)。
するとBが足を滑らし鳥居から出てしまった。

鳥居から出たらいけないって知ってるのは俺とCだけで、あえて鳥居から出たらいけないことを言うのも自分達が不安になりそうなので黙って下山しました。

家屋の前を通り、車まであと少しという安心感からかみんな騒ぎ出しました。
悪ふざけしたBが家の中に入り、記念に家屋の前で写真を撮った瞬間

ガタガタ!!
…バタバタバタバタ!!

と家屋から何人かの走り回る音が響きました。誰も住める様な場所じゃないのに。

突然の音に背筋が痺れ、恐怖が最高潮に。全員車まで猛走。

あまりに怖かったのでそのままこの日はAの家に泊まる事に。

その晩、俺とCは寝付けずに話をしているとAが寝言を何か言いました。

「いっぱいついてきたで」

と、呟きました。

嫌な不気味さと恐怖心で、俺とCはAとBを起こし帰りました。


後日、写真を現像しました。

すると何枚かある写真の中、二枚の内一枚はBの体に長い髪の毛の様なものが巻き付いていました。
もう一枚は横に黒い影が立っています。
83 削除済
その後のBの所存です。
Bの母親は肝だめしに行った事を知っていたので散々怒られました。

Bはお祓いをしました。
毎晩四つん這いになりくるくるまわったり体をぐねぐねさせ唸り声を上げるから。

Bに憑いていた霊はすさまじい形相で体半分に噛み付いていたらしい。
鳥居から出ただけじゃこんな事にならなかったでしょう。Bは滑らした時に縦長の置き石を割っていたそうです。

Aは帰宅後謎の発熱。
高熱と顔にみみず腫ができ一週間ほど苦しかったそうです。

俺は肝だめしの2日後車が故障しました。


これが一年前の体験談です。

書き込んだ理由にもなるんですが最近になりB宅に異変が。
Bの部屋は二階にあり横には物置があるんだけど、玄関から物置まで足跡があったり、人が絶対届かない二階の窓に手形があったりしました。

それは俺も確認しました。

またBの隣人に言われた事が一番恐ろしく、Bの家に夜中人のような真っ黒い影が入って行くのを見たそうです。
母子家庭で二人きりなのに夜のカーテンの影には五、六人いたりする事も。

Bにまだ何かあるのか心配です。
 
これは私が体験した怖い話です。

私は友達と3人である有名な心霊スポットに肝試しに行きました。
しかしこれといって何かおこるわけでもなく、段々3人は飽きてきて写真を数枚撮りその日は帰りました。

数日後、その写真をみんなで見てみると一枚だけ心霊写真ととれなくもない変わった写真がありました。
その写真はある看板を撮っただけの写真なんですが、その看板に顔のように見えなくもない汚れが二つ写ってました。

しかし特別怖いわけでもなく私たちはがっかりしていました。
すると友達Tが『なんだよ…つまんねぇ〜』と写真を全て捨ててしまいました。

それからまた数日後、Tが行方不明になりました。
私と友達Aは怖くなり警察にこのことを話しましたがろくに聞いてもらえませんでした。

それからまた数日後、今度はAが行方不明になりました。
私は怖くて気が狂いそうでした。

私は本格的にヤバイと思い近所の神社に住み込みでかくまって貰うことにしました。

私はそれから一年近く何ごともなく過ごし、恐怖心も薄れ普通の生活に戻ることができました。


しかし先日私の元に一枚の封筒が届きました。

差出人はTとなっていて私は急いで中身を確認しようと封を破り捨てました。
しかし中身を見て私は固まりあの恐怖を思い出し崩れ落ちました。

中身は写真でした。
あの日Tが捨てたはずの“看板”の写真でした…。

しかし、私の知っているあの写真とは少し違うことに気づきました……。
顔らしき汚れが4つになっていました……。

私はどうなるのでしょうか…今だにTとAは見つかっていません。
 
2回目の投稿になります。
不思議な体験として掲載して頂いた御礼としてもう1つ私の体験談をお話したいと思います。

これは私が小学3年生の時の話です。
現在住んでいる所に引っ越して来て1年程経った頃です。

同じ小学校で仲良くなった子とよく遊ぶようになりました。以下その子を雪子(仮名)とします。
よく雪子の住む団地に遊びに行き、敷地内に公園があったのでそこがいつしか遊び場になっていました。

その日もその公園で遊んでいました。
毎日のようにその公園に遊びに行っていたのもあって飽きて来た私達は近くに座って話をしていました。

話が盛り上がり気付かない内に周りが薄暗くなって来たのに気付いたのは午後7時頃だったでしょうか…。
いつも以上に帰る時間が遅くなると思い帰り支度をして立ち上がった時でした。

雪子が突然向かい側の団地をジーッと見上げているのです。

私は親に怒られる不安もあり雪子に「何してるの?」と聞きましたが返事は私の方を振り向きもせず固まったまま…

「見てん」と一言。

好奇心で見上げてみたんですね…。ちなみに私達は目はいいです。

団地の5階の階段の所に顔があり私達をジーッと見ています。

始めは住人かな? とか思ってました。
でも何かおかしい…顔は幼いんですよね。
だけど団地の階段の塀は子供、ましてや大人ですら覗けるような高さじゃないんです。

それに気付いた私はもっとよく見てみようと目を凝らしました。
すると首の部分が透けてる…というか奥側が顔らしき物の下と塀の間から見えるんです。

という事は…

顔が浮いている!?


見上げてからここまで考えるまでに3分くらいしかたってないと思います。

雪子も理解したのか2人で同時に顔を見合わせまた上を見上げました。
すると顔らしき物がないんです。

必死に目が顔らしき物を探します。
するとその顔らしき物は3階に移動してたんです。

顔を見合わせた時間は約2秒くらいです。
その間に…近付くに連れ顔らしき物の表情が少しずつ分かって来ます。

よく見ると青白い顔の男の子(?)がニヤーッとにやけて見ています。
それが分かったと同時に気付けば雪子と走り出していました。
頭の中ではやばい! 気付かれた! 近付いて来る! 追い掛けて来る! という焦りでいっぱいいっぱい…。

とっさに2人で雪子の棟の団地に逃げ込み階段を無我夢中で駆け上がり雪子の階まで来た所で雪子の家のドアを開けようとしましたが鍵がかかってる…。
雪子が泣きそうな声で「鍵、下の倉庫にあるの」と。

あの顔が近付いて来るまで時間がないと考えた私達は半べそかきながら下の倉庫まで行き鍵を取って部屋に入りました。
ホッとした私達は「あれは何だったんだろう…」と話をしていました。

その時、玄関からゴンッという音がしたんです。
血の気が引くのがわかりました。

玄関は鍵を閉めた。
恐る恐る玄関に近付き様子を見てみましたが何もありません。

気のせいだと言い聞かせ部屋に戻ろうとした瞬間…

キャーという悲鳴。


後ろを振り返ると雪子が青ざめながら玄関を指指します。

玄関に目をやると隙間という隙間から赤い血のような物が流れています。

そこで気を失いました。


今は雪子も引っ越し団地に近付く事もなくなりましたがあれは何だったんだろうと話す時がよくあります。

今でも近所の団地はひっそりと建っています。
 
オカルト的な話とは別なんですが…。たった今起きた話です。

入浴後、彼氏が眠ってしまった為暇を持て余しこのサイトを閲覧しておりました(いつもは怖いので明るいうちにしか閲覧しません;)。

怖い話短編の「ヌイグルミ」を読んでた時。
私の部屋にヌイグルミがあった事を思い出しました。

それは去年の6月頃に以前付き合っていた恋人にプレゼントされたものです。
その人とは今年7月に別れて以来つい最近まで嫌がらせを受けていた事もあり、なんとも言えない不安にかられヌイグルミを調べました。

少し躊躇われましたがヌイグルミの縫い目を外し綿の中を調べると、黒くて小さい正方形のものが綿の中に埋め込まれていました。
父に見せると盗聴器ではないかと言われました。

このヌイグルミは昨年6月からずっと私の部屋にあったものです。
まだ警察に行っていないので本当に盗聴器だったら…。私は1年半近くもの間プライベートを盗聴されていた事になります…。

そういえば今の彼氏が出来た時に、話してもいないのにその人から「もう新しい男作ったのか」と言われたのを思い出しました。

明日警察に相談にいきます…。
 
それは、私の友達が体験した学校帰りのことです。

私の友達、A子は生徒会の仕事で下校時間ギリギリまで学校に残っていました。
午後6時を過ぎたころ冬だったせいか、辺りは真っ暗…同じ方向に帰る人がいないので仕方なく一人で帰る事にしました。

家に帰る途中に公園があります。そこに小さな女の子がいました。
A子が公園を通る途中で「お姉さん」と、女の子はA子に話し掛けてきました。

「一緒にかくれんぼしない?」

A子は言いました、

『こんな時間まで遊んでいるとお母さんが心配するよ? 早く帰りなさい。かくれんぼは今度やろうね』

「明日、まってるね」

と言ってどこかへ行ってしまいました。

あの女の子と会って一週間後、また仕事があり帰りが遅くなったA子はまた女の子に会いました。

「お姉さん、久しぶり。今日は遊んでくれるよね?」

『ごめんね、家に帰らなければならないの…』

「なら…お姉さんの家に迎えにいくよ…」

『え?』

その時は声が小さくて聞こえませんでした。

「なんでもないよ、ばいばい」

女の子はまたどこかへいってしまいました。

家に帰っていろいろしていると時間は0時をまわっていました。
疲れていたせいか、すぐに寝てしまいました。

3時ぐらいになって、

「…もういいかい」

と聞こえてきました。

A子は思わず、『もういいよ』と、呟きました。

すると窓の外のシャッターが音をたてず静かに開いていきました。


「み つ け た」


それは帰りに見た女の子だったのです。

女の子の目は黄色く輝き、目を合わせるとA子は恐怖のせいか動けず声も出せませんでした。


気がつくと、何事もなかったかのように朝になってたそうです。

しかしその恐怖は忘れられないと言ってました。
 
ある日、友人Sからついてきてほしいと言われた。
というのも心霊スポに行く事になったのだが不安なのでついてきてほしいというのだ。

Sはパソコンでオカルト系のサイトを立ち上げていて題材を見つけたので行くって事なのだ。
俺から言わせればそこまで不安ならやめればいいのにとも思ったがヒマだったしついて行くことにした。

俺「行き先は何処なん?」

S「えっと…太刀洗(たちあらい)ってトコだ。F県にあるらしい、ググったら出てきた」

俺「太刀洗? …ふ〜ん、聞いたことないな」

S「太刀洗って沼らしくてよ、調べたら歴史的にもいわくつきの場所だってよ。昔、藩同士の戦で刀を洗ったり生首を洗ったりした沼なんだとよ」

俺「またいわくありまくりの場所だなぁ」

そんな会話をしながら一時間半ぐらいでその場所に着いた。
その場所は近くは断崖絶壁で海から100メートルくらい手前にあり、結構な田舎で遠くに灯台が海を照らしているくらいだった。

最初は暗闇に目が慣れなかったが次第に慣れてくると周りが見えてくる、草はあまりなく沼は直径10メートルくらい、左側に小さな祠と横に看板があってこの沼の由来がかかれていた、Sが言ったとおりの由来。

看板を見ていると隣でSがデジカメを取り出して写真を撮り始めた。
その時、妙に冷たい風が俺達2人を抜けていった、それと同時に沼の反対方向から妙な音が聞こえてきた。

ガチャ…ガチャ


何だか金属音が当たるような音。

S「なんか変な音がしないか?」

俺「ああ……って言うかすぐにここから離れるぞ」

すると、

バシャバシャ…


S「え…誰かいる?」

俺「バカ、人じゃねえよ」

S「チャンスだ」

俺「は?」
Sは音の聞こえる方にフラッシュで撮影。

一瞬だが見えた。

落ち武者っぽいのが生首を洗っているのを、その落ち武者自身、頭の側頭部に矢らしきものが刺さっていた。

S「ひぐっ…何だよアレ」

俺「やべえ、気づかれた、逃げるぞ」

俺とSはダッシュで車まで走っていった、後ろではガチャガチャと音がしてきて追いかけているのが容易にわかった。

車に乗り込みキーを差したがエンジンがかからない、すると車がグラグラ揺れだした。

外には刀を持ったさっきの落ち武者が凄い形相で俺たちを睨みつけていた。

S「ひいい! エンジンめ、かかれってんだよ!」

Sなんか半ば半狂乱でキーを回し続けている。

ウォン! ブロロロ…


やっと車のエンジンがかかり猛ダッシュで沼から離れた。

S「はあはあ…マジびっくりした、漏らしそうになっちまった」

俺「漏らしたんじゃねえかぁ?」

S「しかしよ、何だあれ…刀じゃなかったじゃねえか」

俺「ありゃ触らぬ神に祟りなし、だな」

さすがのSも写真は見たくないって事でデータを処分したらしい。

あとすごいのが、Sにその沼はなにで調べたんだ? と聞いたら、

「メールで投稿があったんだよ、それもアドレスがないのに」


怪しいメール情報を信じるSは今はサイトを閉鎖している。

この原因も実はある出来事があってから、まあそれは後日投稿したい。

しかし誰だったんだろうかはわからない、あの落ち武者の正体もわからずじまいだ。

もう行きたくない場所である。
 
数年前まで名古屋に住んでいたのですが、名古屋の歌舞伎町と呼ばれる歓楽街があります。
昼間と夜では全く違う顔を持つそこですが、その丁度中間時、夕方に友人と歩いていた時のこと(買い物かなんかしててたまたまその辺を歩いていた)。

正面から来るカップルが異様にベッタリくっついて歩いていたのでかなり目をひき、ジロジロと見てしまいました。
男の方はスーツを着た一見普通な感じ、女の人の方も、多少若作りな印象ですが最近のオネエ系みたいな格好で、その男に、女が横から首に手を回してがっしり抱きついて歩いていたのです。

「うわあ、あんなにくっついてたら歩きづらいだろうに」

と思い隣にいる友人に報告しようと思ったら、その女と目が合いました。

あまりにジロジロ見てた為に不機嫌な感じで、キッと睨まれました。
気まずくなって私は、それ以上見ることも友人に話すこともやめました。

その日の夜、夢にその女が現れたのです。
私の部屋のテーブルを挟んで私と女は向かい合って座っており、女は私に、抱きついていた男の怨み辛みをグダグダと訴えてきます。
その男の為に体を売ったりしてまでお金を作ったのに裏切られたとか、子供を何人も堕ろしたとか云々。

嫌ーな夢を見たなあと思って目覚めたのですが、それから毎晩夢に出てくるようになりました。
私の代わりにあの男に復讐して欲しいとかなんとか。

その夢を見た時は、女はもうこの世にいないだろうと思ったのですが、直感的に生霊ではないかと思いました。
そしてそれは何度目かに夢に女が現れた時に確信になりました。
復讐なら自分でやれと言うと、自分は施設に入院していて出られないとかなんとか言うのです。
もう、面倒くさいやら迷惑やら気持ち悪いやらでうんざりしてしまいました。
しかも、起きた時やたらと頭が痛いのです。

そんな折、いつもの様に一人で買い物に出かけると、道に迷ってしまいました。
私はもともと方向音痴で、しかも田舎者なので名古屋の街中にはよく迷うのでそこまで慌てずに、コンビニで道を聞いたりしながら軌道修正に取り掛かりました。

すると、あの男に出会ってしまったのです。
その男は、開店準備をしているクラブ(キャバクラ?)のお店の業者さんと色々打ち合わせをしている感じで忙しく店から出入りしていました。そういう店の経営者の様です。

驚いたというか、それまでの経緯もあって立ち止まって見入ってしまいました。

その時、その店の隣にある店との間に乱雑に積まれたゴミの中に、例の女がいることに気づき、慌てて来た道を戻りました。

あの男の所へ誘導されてしまったのだろうか、知らない間にあの女に体を乗っ取られてしまうのではないだろうかと物凄い恐怖に襲われました。


その日も女は夢に出てきました。

何故ようやくアイツに出会えたのに、とか色々言ってくるので、

「うるさいなあ! 他を当たってくれる! 迷惑!」

とか言って女を張り倒しました。

それが効いたのでしょうか? それ以来女が夢に現れることはなくなりました。

しかしそれにしてもあの女は何故私なんかのとこにきたのでしょう?
そして今もあの男にくっついて移動してるんでしょうか?
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