2 無名さん
2017/09/06(Wed)
お知らせ
長くナノのサーバーを借りて活動していましたが、いつからか以前よりもかなり厳しくなり違反基準が大幅に下げられ違反ロックが簡単にかけられるようになってしまいました。 元々、広告もどんどん大きく下品になり、森やエムペ並に鬱陶しい広告種類レベルになってきたので移転を考えてはいましたが、今回の違反ロックでもう駄目だと急遽サーバーを変える事を決意しました。まあ、無料で使わせてもらって文句言うなとは言いますが、文句もまた1つの意見で自由だからね!これを書いてる現在はロック解除されましたが、またいつなるやら。今度は永久ロックらしいので、急いで別のサーバーを借りて作品チマチマ移してます!そんな事情により、現在サイトにある作品は『あかいろに濡れる』と『洋画作品』のみとなっております。徐々に他の作品も移していく予定ですが、あまりにも作品が多く、とりあえず人気作品からやっていこうかな、と。こんな状態かつスローペースなサイトですが、なんやかんや夢小説が好きで閉鎖するつもりはないので、どうかよろしくお願いします。
お知らせ
長くナノのサーバーを借りて活動していましたが、いつからか以前よりもかなり厳しくなり違反基準が大幅に下げられ違反ロックが簡単にかけられるようになってしまいました。 元々、広告もどんどん大きく下品になり、森やエムペ並に鬱陶しい広告種類レベルになってきたので移転を考えてはいましたが、今回の違反ロックでもう駄目だと急遽サーバーを変える事を決意しました。まあ、無料で使わせてもらって文句言うなとは言いますが、文句もまた1つの意見で自由だからね!これを書いてる現在はロック解除されましたが、またいつなるやら。今度は永久ロックらしいので、急いで別のサーバーを借りて作品チマチマ移してます!そんな事情により、現在サイトにある作品は『あかいろに濡れる』と『洋画作品』のみとなっております。徐々に他の作品も移していく予定ですが、あまりにも作品が多く、とりあえず人気作品からやっていこうかな、と。こんな状態かつスローペースなサイトですが、なんやかんや夢小説が好きで閉鎖するつもりはないので、どうかよろしくお願いします。
10 無名さん
9月になってしまった………
シコシコ書いていた辻くんの夢小説をアップします。
「恋って難しい」辻新之助
久々にワートリ読み返したらすきだな〜と思うタイプが全然変わってて自分にびっくりしました。
前は全然興味なかった子が、え?こいつ可愛くない?ってなってました。
そんな感じなのでしばらくワートリ書きたい子いっぱいです。
あとこの辻くんは続きます。
シコシコ書いていた辻くんの夢小説をアップします。
「恋って難しい」辻新之助
久々にワートリ読み返したらすきだな〜と思うタイプが全然変わってて自分にびっくりしました。
前は全然興味なかった子が、え?こいつ可愛くない?ってなってました。
そんな感じなのでしばらくワートリ書きたい子いっぱいです。
あとこの辻くんは続きます。
27 無名さん
道端に咲いた花を見て、綺麗だねと純粋にそう言える彼を、私は天然記念物だと思っている。だって恥ずかしいじゃない。そんな歌詞みたいな、ドラマみたいな台詞。
夕方に帰ってきた章大は、キッチンにいた私を見つけると、ただいまと言って後ろから私の腰に手を回した。
「おかえり、早かったね」
「だって頑張ったもん。はよ名前に会いたかったから」
「ふふ、お腹は?」
「ぺこぺこ」
「じゃあ、テーブル拭いてきてもらっていい? もうすぐ出来るから」
「はぁい」
拭き終えて戻ってきた章大に、これ持っていってと切った野菜と鶏肉、それと水餃子をのせた大皿を渡すと、鍋やぁ! と笑顔でリビングに消えていった。もうとっくにそんな季節は過ぎてるんだから文句の一つくらい言ってくれてもいいのに。
http://alicex.jp/theend/
関ジャニエイト夢小説
パス72
夕方に帰ってきた章大は、キッチンにいた私を見つけると、ただいまと言って後ろから私の腰に手を回した。
「おかえり、早かったね」
「だって頑張ったもん。はよ名前に会いたかったから」
「ふふ、お腹は?」
「ぺこぺこ」
「じゃあ、テーブル拭いてきてもらっていい? もうすぐ出来るから」
「はぁい」
拭き終えて戻ってきた章大に、これ持っていってと切った野菜と鶏肉、それと水餃子をのせた大皿を渡すと、鍋やぁ! と笑顔でリビングに消えていった。もうとっくにそんな季節は過ぎてるんだから文句の一つくらい言ってくれてもいいのに。
http://alicex.jp/theend/
関ジャニエイト夢小説
パス72
43 削除済
61 無名さん
http://alicex.jp/endend/
トップパス2006121310年後の今日の日も
小説パス72
一年に数えられるほどしかない休日は、彼にとってはとても貴重である。だからといって一年に数え切れないほどの休日がある私には貴重ではないということにはならない。
だけど彼は朝っぱらから私を呼び出すのだ。別に会いたいからいいんだけど、彼の家にいったところで愛を囁きあうわけでもなく、
今みたいに私が入れたコーヒーを片手にリビングにある無駄に大きいソファと無駄に大きいガラステーブルの間であぐらをかき、難しそうな顔でパソコンと睨めっこをする彼。
「めちゃくちゃ天気いいねー」
ソファに座り、侯くんとは色違いのマグカップに入れたミルクティーを片手にぼそっと呟いてみたけど気持ちいほどのシカトをかましてくる彼。
今の私からは侯くんの後頭部と大きな背中しか見えないけれど、きっとその何万人を虜にしている彼の顔には眉間にくっきりと皺をよせているんだろう。
一旦諦めてソファの上に無造作に置かれた雑誌をパラパラとめくると海外旅行の特集が組まれていた。いいな、私も侯くんと海外行きたいな。侯くんはお仕事や、弟くん達とあちこちにいっているけど私は生まれてこのかた日本から出たことがない。
「ていうか名前その前に、パスポート作れよ
トップパス2006121310年後の今日の日も
小説パス72
一年に数えられるほどしかない休日は、彼にとってはとても貴重である。だからといって一年に数え切れないほどの休日がある私には貴重ではないということにはならない。
だけど彼は朝っぱらから私を呼び出すのだ。別に会いたいからいいんだけど、彼の家にいったところで愛を囁きあうわけでもなく、
今みたいに私が入れたコーヒーを片手にリビングにある無駄に大きいソファと無駄に大きいガラステーブルの間であぐらをかき、難しそうな顔でパソコンと睨めっこをする彼。
「めちゃくちゃ天気いいねー」
ソファに座り、侯くんとは色違いのマグカップに入れたミルクティーを片手にぼそっと呟いてみたけど気持ちいほどのシカトをかましてくる彼。
今の私からは侯くんの後頭部と大きな背中しか見えないけれど、きっとその何万人を虜にしている彼の顔には眉間にくっきりと皺をよせているんだろう。
一旦諦めてソファの上に無造作に置かれた雑誌をパラパラとめくると海外旅行の特集が組まれていた。いいな、私も侯くんと海外行きたいな。侯くんはお仕事や、弟くん達とあちこちにいっているけど私は生まれてこのかた日本から出たことがない。
「ていうか名前その前に、パスポート作れよ
63 無名さん
」
雑誌から顔を上げるとさっきまでおそらく眉間に皺をよせていたであろうその顔とばちっと目があった。
「あれ? 声にでてた?」
「思いっきりでとったわ、ていうかちょうど良かった」
「ん?」
「そんなかから行きたい場所何個か決めといて」
「え?」
今度は私の声が届かなかったのかそれともお得意のシカトなのか、彼はスタスタと寝室へ歩いていくと大きな白い箱を持って戻ってきた。
「開けてみ」
私はわけもわからぬまま侯くんにいわれるままに箱を開けた。すると中から薄いパープルに白い花の刺繍がはいったワンピースが入っていた。さらにわけがわからない。無言でそのワンピースを見つめていると侯くんがもしかして気に入らんかった? と聞いてくる。
「あの…すっごく可愛いんだけどこれは…一体」
「この前空き時間にブラブラしてたら見つけてん。名前に似合うんちゃうかなと思って」
「あ、あたしに!?」
「お前以外に誰にこんなんあげんねん」
そういって侯くんは笑ったあと続けてこういった。
「あ、でもさっき好きなところっていったけど海があるところな」
「海?」
「これ着てる名前を想像したら海があるところが一番ええんちゃうかなと思って」
「侯くん…」
「二週間後、空けといてな」
私と一緒にいない時でもそんなこと考えてくれてたんだとか、私だってそんな簡単に休めないのに日程はもう決まってるんだなとか、いつか一緒に旅行に行きたいなって昔にいってたこと覚えてくれてたのかなとか、なんでいっつもシカトすんのかなとか、もうそんなことどうだっていい。
「侯くん大好きっ!!」
「ふっ、ほんま調子ええわおまえー」
鼻で笑われたけどそのあとにしてくれたキスがとろけるほどに甘くて、こんな休日もいいかもなと今度は聞こえないように心の中でこっそりと呟いた。
鮮やかの世界を同期
雑誌から顔を上げるとさっきまでおそらく眉間に皺をよせていたであろうその顔とばちっと目があった。
「あれ? 声にでてた?」
「思いっきりでとったわ、ていうかちょうど良かった」
「ん?」
「そんなかから行きたい場所何個か決めといて」
「え?」
今度は私の声が届かなかったのかそれともお得意のシカトなのか、彼はスタスタと寝室へ歩いていくと大きな白い箱を持って戻ってきた。
「開けてみ」
私はわけもわからぬまま侯くんにいわれるままに箱を開けた。すると中から薄いパープルに白い花の刺繍がはいったワンピースが入っていた。さらにわけがわからない。無言でそのワンピースを見つめていると侯くんがもしかして気に入らんかった? と聞いてくる。
「あの…すっごく可愛いんだけどこれは…一体」
「この前空き時間にブラブラしてたら見つけてん。名前に似合うんちゃうかなと思って」
「あ、あたしに!?」
「お前以外に誰にこんなんあげんねん」
そういって侯くんは笑ったあと続けてこういった。
「あ、でもさっき好きなところっていったけど海があるところな」
「海?」
「これ着てる名前を想像したら海があるところが一番ええんちゃうかなと思って」
「侯くん…」
「二週間後、空けといてな」
私と一緒にいない時でもそんなこと考えてくれてたんだとか、私だってそんな簡単に休めないのに日程はもう決まってるんだなとか、いつか一緒に旅行に行きたいなって昔にいってたこと覚えてくれてたのかなとか、なんでいっつもシカトすんのかなとか、もうそんなことどうだっていい。
「侯くん大好きっ!!」
「ふっ、ほんま調子ええわおまえー」
鼻で笑われたけどそのあとにしてくれたキスがとろけるほどに甘くて、こんな休日もいいかもなと今度は聞こえないように心の中でこっそりと呟いた。
鮮やかの世界を同期
70 無名さん
いつもより大股でわざと足音を鳴らして目的地へ向かっていた。今すぐにでも文句を言わないと気がすまない、なんで私が!ただならぬ気迫に圧されたのか廊下を歩く生徒たちが自然と道を開けていく。そんなことも気にならない。私は、とても、怒っているのである!
目的地である一つの教室に入ると、お目当ての人物はすぐに見つかった。(まわりに人がいるが気にするにも値しない) その人物の周りには顔馴染みがたくさんいて、その中の一人が私が入ってくるのに気付くと、私の名前を呼んだ。呼ばれなくてもそっちにいってやるよ!
「阿呆部!」
「…………アーン?」
バンッ!と阿呆部こと跡部の机を両手で叩くと、シンと教室が静まり返った。私を呼んだ本人である向日が「うおっ!」と声をあげて椅子から落ちそうになった。
あからさまに怒りを露にしている私に、宍戸がおずおずと「どうしたんだよ」と声をかける。が、無視だ。
「私は、とても、怒ってるんだよ跡部」
「そんなの見りゃ分かる」
「…アンタに、怒ってるんだよ跡部!」
もう一度バンッ!と机を叩いてその長い脚を組んでいる跡部を、前のめりになりつつ睨んだ。だが、涼しい顔をして私を見下してくるばかりである。キーっ!気に入らないわその態度!
「おいおい、何したんだよ跡部!」
「何もしてねぇよ」
「何もしてへんならこないに怒らんやろ」
「心当たりがねぇな」
「いや、だから」
「まぁアンタは何もしてないけどね」
「「はぁ?」」
「どっちやねん!」
「アンタは、ね」
私がそう言うと宍戸と向日は素頓狂な声を出し、忍足がすかさず突っ込みをいれた流石は似非関西人。(似非ちゃあうわ!) ただ跡部だけは、微かに眉を寄せた。
「今回は許してあげるから、一発私に殴られて」
「却下だ」
「分かってたけどムカつく!」
「理由を言え」
「ハァ?」
「柄悪ぃ」
「うるさい宍戸」
「此処で理由を言えりゃ、考えてやるよ」
目的地である一つの教室に入ると、お目当ての人物はすぐに見つかった。(まわりに人がいるが気にするにも値しない) その人物の周りには顔馴染みがたくさんいて、その中の一人が私が入ってくるのに気付くと、私の名前を呼んだ。呼ばれなくてもそっちにいってやるよ!
「阿呆部!」
「…………アーン?」
バンッ!と阿呆部こと跡部の机を両手で叩くと、シンと教室が静まり返った。私を呼んだ本人である向日が「うおっ!」と声をあげて椅子から落ちそうになった。
あからさまに怒りを露にしている私に、宍戸がおずおずと「どうしたんだよ」と声をかける。が、無視だ。
「私は、とても、怒ってるんだよ跡部」
「そんなの見りゃ分かる」
「…アンタに、怒ってるんだよ跡部!」
もう一度バンッ!と机を叩いてその長い脚を組んでいる跡部を、前のめりになりつつ睨んだ。だが、涼しい顔をして私を見下してくるばかりである。キーっ!気に入らないわその態度!
「おいおい、何したんだよ跡部!」
「何もしてねぇよ」
「何もしてへんならこないに怒らんやろ」
「心当たりがねぇな」
「いや、だから」
「まぁアンタは何もしてないけどね」
「「はぁ?」」
「どっちやねん!」
「アンタは、ね」
私がそう言うと宍戸と向日は素頓狂な声を出し、忍足がすかさず突っ込みをいれた流石は似非関西人。(似非ちゃあうわ!) ただ跡部だけは、微かに眉を寄せた。
「今回は許してあげるから、一発私に殴られて」
「却下だ」
「分かってたけどムカつく!」
「理由を言え」
「ハァ?」
「柄悪ぃ」
「うるさい宍戸」
「此処で理由を言えりゃ、考えてやるよ」
71 無名さん
思わず跡部の顔をまじまじと見たが、見下す訳でもなく、本当に真面目な顔をしていたから目を逸らした。美形は体に悪い。
だが、それじゃまるで私が此処じゃあ理由を言えないみたいじゃないか。言っておくが私は、そんなに奥ゆかしくも純粋でも健気でもないぞ。もともとは此処で暴露するために来たようなもんだ、だからわざと目立つように廊下を走ってきたし(本当に怒りを抑え切れなかったのもあるけど)、わざわざ部活中ではなく昼休みを選んだんだ。……まぁ、こいつらの顔を見たらその決心が少し揺らいだのも、事実だけど……
「ふっ…………ハーハッハッハッハッ!!!」
「なんだついにおかしくなったかコイツ…」
「ちゅーか跡部の真似…?」
「ちょっと似てんのがまたムカつくな」
「俺様はこんなに下品じゃねぇ」
「っ跡部景吾!」
ビシィ!と目の前の跡部を指差す。あーもう本当にムカつくな!
「自分の雌猫達の手綱くらいちゃんと繋いでたらどう!?自分たちはキャーキャー騒いでるだけなのにキツイ思いして"アンタらの跡部様"を支えてやってる健気すぎる私に文句を言うなんてお門違いだ!」
「健気すぎる私、だってよ」
「まぁあながち間違いやないけどなぁ」
「こちとら暇なお前ら雌猫と違って放課後の一分だって無駄にしたくないのに呼び出すわすっぽかしたら地味な嫌がらせしてくるわ根性悪いんだよ!休みの日も練習で可愛い服を買いに行く時間もないし爪の手入れなんて出来ないからぼろぼろだし冬場の洗濯は辛いしそれでも我慢して支えてる私に今すぐテニス部をやめろだと!?私が辞めたらどんだけテニス部に負担かかるか分かってんのかっつーの!洗濯の仕方も洗剤の場所も分からないお坊ちゃんたちに任せられるか!」
「途中のは愚痴だな」
キッと跡部を睨むと、明らかに八つ当たりな理由だったのに怒る表情もなくやはり涼し気な顔をしていた。なんかムカつく!
だが、それじゃまるで私が此処じゃあ理由を言えないみたいじゃないか。言っておくが私は、そんなに奥ゆかしくも純粋でも健気でもないぞ。もともとは此処で暴露するために来たようなもんだ、だからわざと目立つように廊下を走ってきたし(本当に怒りを抑え切れなかったのもあるけど)、わざわざ部活中ではなく昼休みを選んだんだ。……まぁ、こいつらの顔を見たらその決心が少し揺らいだのも、事実だけど……
「ふっ…………ハーハッハッハッハッ!!!」
「なんだついにおかしくなったかコイツ…」
「ちゅーか跡部の真似…?」
「ちょっと似てんのがまたムカつくな」
「俺様はこんなに下品じゃねぇ」
「っ跡部景吾!」
ビシィ!と目の前の跡部を指差す。あーもう本当にムカつくな!
「自分の雌猫達の手綱くらいちゃんと繋いでたらどう!?自分たちはキャーキャー騒いでるだけなのにキツイ思いして"アンタらの跡部様"を支えてやってる健気すぎる私に文句を言うなんてお門違いだ!」
「健気すぎる私、だってよ」
「まぁあながち間違いやないけどなぁ」
「こちとら暇なお前ら雌猫と違って放課後の一分だって無駄にしたくないのに呼び出すわすっぽかしたら地味な嫌がらせしてくるわ根性悪いんだよ!休みの日も練習で可愛い服を買いに行く時間もないし爪の手入れなんて出来ないからぼろぼろだし冬場の洗濯は辛いしそれでも我慢して支えてる私に今すぐテニス部をやめろだと!?私が辞めたらどんだけテニス部に負担かかるか分かってんのかっつーの!洗濯の仕方も洗剤の場所も分からないお坊ちゃんたちに任せられるか!」
「途中のは愚痴だな」
キッと跡部を睨むと、明らかに八つ当たりな理由だったのに怒る表情もなくやはり涼し気な顔をしていた。なんかムカつく!
72 無名さん
「続けろ」
「っそもそも他人に手を出すなんて問題外!ここも!ここも!ここも!ここも!アンタんとこの雌猫にやられた!嫁入り前の大事な体に傷付けてくれやがって!"跡部様に近付かないで"だと!?そんなに"跡部様"に近付きたけりゃ少しは泥仕事でも何でもしてみろってんだ!他人を排除するばっかりで跡部に振り向いて貰えると思ってること自体が間違ってる!宍戸のとこや鳳のとこの雌猫達を少しは見習ったらどうなわけ!?好きな人に見返り無しに奉仕することを覚えやがれ!」
「お、俺!?」
「宍戸のこと好きな子らぁは宍戸を影から見て幸せを補う健気な子が多いもんなぁ」
「なんで侑士がそんなこと知ってんだよ」
「秘密や」
「もしくは忍足んとこやジローんとこの雌猫たちを見習ったら!?どう調教したかは知らんけど!大体アンタんとこの雌猫たちは頭が悪すぎるのよ!アンタに似て派手好きばっかりだし香水臭いし化粧濃いしやり方が姑息だし明らかにお嬢様ばっかりだからはっ倒せばすぐ泣きそうだし跡部の宗教みたいでマジで怖いし!」
「途中暴力入ったぞ」
「ぷぷっ、宗教だってよ侑士!」
「まぁ確かになぁ…」
「あーもうっ…!」
くっそー!なんで私がこんな気持ちにならなきゃいけないんだ!覚悟は決めてきたはずでしょ私!最悪の場合になったって絶対後悔しないようにって全部暴露してやろうと誓ったじゃないか!
ぐっと喉が熱くなった。ずっと言いたかったんだ。
「……!」
「えっ、え…!?」
「っずっと!ずっと!待ってたのにっ…!」
宍戸と向日が驚いたような声を上げた。忍足も少し驚いたように目を見開いたのが分かった。跡部は、見れない。
あぁもう此処で泣く予定じゃなかったのに!止まれ!と制服の裾で拭っても拭っても涙は止まらない。
「なんでっ…!なんで助けてくれないのっ…!」
「―――……、」
「待ってたのにっ…!気付いてくれるって信じてたのに!誰にも気付かれない忍足の不調でさえ気付く跡部が、私のことも気付いてくれるって、信じてたのにっ…!私だけが、跡部ならきっと助けてくれるって期待してたみたいで、馬鹿みたいだろうが!テメェのインサイトは節穴かあああああ!!」
「っそもそも他人に手を出すなんて問題外!ここも!ここも!ここも!ここも!アンタんとこの雌猫にやられた!嫁入り前の大事な体に傷付けてくれやがって!"跡部様に近付かないで"だと!?そんなに"跡部様"に近付きたけりゃ少しは泥仕事でも何でもしてみろってんだ!他人を排除するばっかりで跡部に振り向いて貰えると思ってること自体が間違ってる!宍戸のとこや鳳のとこの雌猫達を少しは見習ったらどうなわけ!?好きな人に見返り無しに奉仕することを覚えやがれ!」
「お、俺!?」
「宍戸のこと好きな子らぁは宍戸を影から見て幸せを補う健気な子が多いもんなぁ」
「なんで侑士がそんなこと知ってんだよ」
「秘密や」
「もしくは忍足んとこやジローんとこの雌猫たちを見習ったら!?どう調教したかは知らんけど!大体アンタんとこの雌猫たちは頭が悪すぎるのよ!アンタに似て派手好きばっかりだし香水臭いし化粧濃いしやり方が姑息だし明らかにお嬢様ばっかりだからはっ倒せばすぐ泣きそうだし跡部の宗教みたいでマジで怖いし!」
「途中暴力入ったぞ」
「ぷぷっ、宗教だってよ侑士!」
「まぁ確かになぁ…」
「あーもうっ…!」
くっそー!なんで私がこんな気持ちにならなきゃいけないんだ!覚悟は決めてきたはずでしょ私!最悪の場合になったって絶対後悔しないようにって全部暴露してやろうと誓ったじゃないか!
ぐっと喉が熱くなった。ずっと言いたかったんだ。
「……!」
「えっ、え…!?」
「っずっと!ずっと!待ってたのにっ…!」
宍戸と向日が驚いたような声を上げた。忍足も少し驚いたように目を見開いたのが分かった。跡部は、見れない。
あぁもう此処で泣く予定じゃなかったのに!止まれ!と制服の裾で拭っても拭っても涙は止まらない。
「なんでっ…!なんで助けてくれないのっ…!」
「―――……、」
「待ってたのにっ…!気付いてくれるって信じてたのに!誰にも気付かれない忍足の不調でさえ気付く跡部が、私のことも気付いてくれるって、信じてたのにっ…!私だけが、跡部ならきっと助けてくれるって期待してたみたいで、馬鹿みたいだろうが!テメェのインサイトは節穴かあああああ!!」
74 無名さん
シーン、と静まり返った教室。大声出したらだいぶスッキリした。それでもポロポロと止まらない涙をごしごしと裾で拭うと、不意にその腕を掴まれた。
「!? 離せ!」
「そないに目ェ擦ったら瞼腫れるで」
「……それは困る」
「やろ?」
忍足が優しい声でそう言うと、忍足の手が腕を離して次は視界を遮った。意味がわからない、と言おうとしたが忍足の手が思った以上に冷たくて気持ちいいから瞼を冷やしてくれているのかもしれないと勝手に解釈した。
「で。お前は俺様にどうして欲しいんだ」
「っ……、もう、いい」
真っ暗な世界で聞こえた言葉があまりに冷たくて、また泣きそうになったけどグッと堪える。跡部はどんな顔をして私を見ているのだろうか。きっと呆れられた、きっと嫌われた、面倒ばっかりを持ち込むやつだって思われた。自分で解決しようともせず理不尽に八つ当たりしてくるめんどくさい女だって思われた…。だって自覚、してるもん
「あ…跡部に八つ当たりしたら、スッキリしたから……もう、いい」
「そうじゃねぇだろ」
また、冷たい声。跡部が優しいのは知ってる。でもそれはいつも平等な優しさで、マネージャーだからといって贔屓になんかはしないし、そもそも跡部だって人間なんだから嫌いなやつにまで優しさを振り撒いたりはしない。分かってた。だからちゃんと覚悟を決めてきたつもりだった。
なのに、こんなにも怖い。
「!? 離せ!」
「そないに目ェ擦ったら瞼腫れるで」
「……それは困る」
「やろ?」
忍足が優しい声でそう言うと、忍足の手が腕を離して次は視界を遮った。意味がわからない、と言おうとしたが忍足の手が思った以上に冷たくて気持ちいいから瞼を冷やしてくれているのかもしれないと勝手に解釈した。
「で。お前は俺様にどうして欲しいんだ」
「っ……、もう、いい」
真っ暗な世界で聞こえた言葉があまりに冷たくて、また泣きそうになったけどグッと堪える。跡部はどんな顔をして私を見ているのだろうか。きっと呆れられた、きっと嫌われた、面倒ばっかりを持ち込むやつだって思われた。自分で解決しようともせず理不尽に八つ当たりしてくるめんどくさい女だって思われた…。だって自覚、してるもん
「あ…跡部に八つ当たりしたら、スッキリしたから……もう、いい」
「そうじゃねぇだろ」
また、冷たい声。跡部が優しいのは知ってる。でもそれはいつも平等な優しさで、マネージャーだからといって贔屓になんかはしないし、そもそも跡部だって人間なんだから嫌いなやつにまで優しさを振り撒いたりはしない。分かってた。だからちゃんと覚悟を決めてきたつもりだった。
なのに、こんなにも怖い。
76 無名さん
「お前と俺様とは赤の他人だ。心の中が読める訳でもねぇのに、お前を理解しろだって?甘ったれたこと言ってんじゃねぇぞ」
「っ……!」
パッと忍足が手を退けて、視界が明るくなる。思わず目を細めたけど一番最初に目に入ったのが輝くブラウンで、また目頭が熱くなるのが分かった。泣くな泣くな泣くな!俯いてぐっと下唇を噛んだ。泣く、な
すると頭上からハァ、とあからさまなため息が聞こえて、ビクリと肩を揺らしてしまった。あぁやっぱり呆れられた。堪えきれなくなった涙が、またポタリと落ちた。それと同時に、頭に暖かい感触。
「お前はもっと俺様を頼ればいいんだよ」
「………え、」
「赤の他人なんだから言葉にしなくちゃわかんねぇだろうが。さっきみたいにお前の苛立ちも、痛みも、吐き出せばいい。お前一人の痛みくらい、俺様が支えられねぇとでも思ってんのか?」
「……」
思わずふるふると首を振ると、跡部が少し笑ったのがわかった。スッと手を伸ばして頬に流れる涙をその暖かい手で優しく拭ってくれた。そのまま、頬を撫でる。それがあまりにゆっくりで割れ物を扱うみたいに丁寧に触るもんだからくすぐったくて身をよじらせた。
「お前が頼んだことを、俺様が断ったことがあるか?」
「そういえば…ない、かも…」
「ふっ……で。お前は、俺様にどうして欲しいんだ?」
優しい言葉に、思わず頬が緩むのがわかった。そしてニコリ、と笑う
「雌猫達の躾をしっかりしとけや」
「っ……!」
パッと忍足が手を退けて、視界が明るくなる。思わず目を細めたけど一番最初に目に入ったのが輝くブラウンで、また目頭が熱くなるのが分かった。泣くな泣くな泣くな!俯いてぐっと下唇を噛んだ。泣く、な
すると頭上からハァ、とあからさまなため息が聞こえて、ビクリと肩を揺らしてしまった。あぁやっぱり呆れられた。堪えきれなくなった涙が、またポタリと落ちた。それと同時に、頭に暖かい感触。
「お前はもっと俺様を頼ればいいんだよ」
「………え、」
「赤の他人なんだから言葉にしなくちゃわかんねぇだろうが。さっきみたいにお前の苛立ちも、痛みも、吐き出せばいい。お前一人の痛みくらい、俺様が支えられねぇとでも思ってんのか?」
「……」
思わずふるふると首を振ると、跡部が少し笑ったのがわかった。スッと手を伸ばして頬に流れる涙をその暖かい手で優しく拭ってくれた。そのまま、頬を撫でる。それがあまりにゆっくりで割れ物を扱うみたいに丁寧に触るもんだからくすぐったくて身をよじらせた。
「お前が頼んだことを、俺様が断ったことがあるか?」
「そういえば…ない、かも…」
「ふっ……で。お前は、俺様にどうして欲しいんだ?」
優しい言葉に、思わず頬が緩むのがわかった。そしてニコリ、と笑う
「雌猫達の躾をしっかりしとけや」