1 無名さん

めきもき自己中緑魚たん15

>>>16528
>>100
http://nanos.jp/deepgreenfish
適当派生>>>10629
初出>>>8738いったん落ち着いた後なぜか粘着たんが沸くもスルーされる
粘着たん>>>10629-44>>>10629-52
粘着たんの凸に反応>>>10629-17
魚拓>>>10637-20>>>10665-43
ビッチ&ゲス小説>>>10638-40-41
一部内容>>>10638-89>>>10645-41
自クリ疑惑>>>10665-76-79
謎の擬音>>>10746-85-88
2 無名さん
いちおつ
3 無名さん
いちおつ
4 無名さん
いちおつ
5 無名さん
いちおつ
6 無名さん
いちおつ
7 削除済
8 無名さん


「え、もう終わったの? じゃあ、採点しておくから、その間に…、この問題集、やってみて」
わたしは、鞄の中から、慌てて一枚のプリントを取り出す。
彼は、無言でそれを受け取ると、プリントに目を落とした。
………全部、合ってる。
採点どころか、注釈さえ必要ない。
それだけ完璧な答えが、薄い紙の上に記されていた。
「………」
わたしと同じ大学に通う、彼の姉に紹介されて、先週から始めた家庭教師だけど……。
……彼に何を教えればいいんだろう。
一番苦手だと言っていた英語を中心に、カリキュラムを組んだんだけれど…。
その英語の問題すら、ほぼ瞬殺だ。
他の科目なんて、全く問題ないのだろう。
というか、この子、わたしよりも頭いいんじゃ…?
わたしが首をかしげていると、目の前に一枚のプリントが差し出された。
「終わったぞ」
「え」
早。
「……何マヌケ顔してんだ」
「え、いや、ごめん…」
鞄の中から、もう一枚プリントを出して、彼、ローくんに手渡す。
……またしても完璧ですけど。これ、慶応の過去問題ですけど。
でも、学校の成績は、いつも100位あたりだって、ナミちゃん言ってたよな…。
確か、ローくんは、医学部を受験するんだよね…?
三枚目のプリントを渡されたところで、わたしは、ローくんに聞いてみた。
「ねえ、ローくん」
「ん?」
「ローくんの第一志望ってどこ?」
「東京大学理科V類」
「え…」
……そこって…、国内で偏差値が一番高い医大…。
ていうか、わたしが通ってる大学よりも、偏差値高いんだけど。
なら、東大に通ってる人に勉強教えてもらった方がいいんじゃ…。
ていうか…。
「ローくん」
「ん?」
「学校の成績、100位あたりって聞いたんだけど…」
ローくんが通ってる高校は、確かにかなり偏差値高いけど、100位あたりにいる子が、慶応の問題をさらりと解けるのは、ちょっとおかしい。
首をかしげるわたしに、ローくんは、事もなげに言った。
「ああ…、いつもは手ェ抜いてるからな」
「は? 何で?」
「面倒くせェから」
9 無名さん
>>8続き
いつも、最後の問題から解きはじめて、配点の少ない問題は、放置してるって、どういうこと…!
わたしは、三枚目のプリントに目を通す。
う。やっぱりというか、全問正解。
「これ、京都大学の過去問題なんだけど…」
「へえ、簡単なんだな」
「……、…」
京都大学と、ローくんが目指してる東大の医学部の偏差値の差は、わずか1…。
……うん、これは、どう考えても。
「ローくんさ…」
「ん?」
「家庭教師、必要なくない…?」
これで、必要ない、とか言われたら、わたしはバイト先を失うことになるんだけど。
何も教えることのないローくんの、家庭教師で居続けることなんて、できない。
けれど、ローくんは、わたしの予想に反して、ニッと笑った。
「んなことねェよ」
「え、でも……、わたし、ローくんに教えてあげられそうなこと、何にもないし…」
「ある」
もごもごというわたしに、ローくんはきっぱり言うと、わたしの肩を掴んで、ぐっと押す。
「えっ?」
床に背中を預けた格好になるわたし。
ローくんは、両手を掴んで、わたしを床に縫い付けると、いたずらな笑みを浮かべた。
「たとえば、……キスの仕方とかな」
「……へっ?!」
い、今、ローくん、何て…?
「キ、キス…?」
「ああ」
そう言いながら、どんどんローくんの顔が近づいてくる。
「ちょ、待って…! わたし、キスしたことないっ…!」
あ、違う! ここはやめてって言うとこ…!
必死で修正しようとしたんだけれど。
ローくんのあたたかい息が口にかかり、タイミングを失う。
「――――へえ、そうか…」
ローくんの息が、今度は耳にかかる。
「なら、―――おれが教えてやるよ」
掠れたような声と一緒に、ローくんの唇が降って来た。
「……んっ…」
ついうっかり、顔をそらすことなく、彼のそれを受け止めてしまう。
でも、やさしく重ねられたローくんの、うすい唇の感触と、わたしよりも少し低い温度を感じているうちに、悪くないと思ってしまった。
「―――――好きだ、セレナ」
唇が離された後に告げられたローくんの告白に、わたしは笑顔でうなずいた。

Fin
10 無名さん
「――――で? 何があった?」
誰か、助けてください。

help me

今、わたしは、放課後の学校で、尋問を受けています。
相手は、とても目つきが悪くて、怖い男の人です。
終礼のあと、急いで帰ろうとした腕をつかまれ、むりやり席に座らされてしまいました。
目つきのするどい彼が、窓際の席のわたしを、囲うようにしているので、逃げる事なんてできません。
たとえ今逃げることができたとしても、必ず捕まって、よけいに怒られるので、実行なんてしないけれど。
「……何もねェとは言わせねェぞ。今日一日、お前がやらかしたドジを思い出してみろ。どう考えたっておかしいだろ」
「……あ、あのね…、その…」
お願い、すごんだ顔を近づけるの、やめて。
「朝はドアを開けねェで教室に入ろうとしたな? 教室移動すれば階段を踏み外しやがるし、実験に参加すりゃ、アルコールランプを倒すし、昼飯はほとんど食わねェ…」
あ、あれ…、よく見てるね。
そっか、だから朝のドアも、頭ぶつかりそうなところで、開けてくれたし、階段から落ちそうになった時は、体を支えてくれたし、実験の時は、燃え移りそうになった火をすぐに消してくれたし、昼休みに、わたしが大好きな、飲むヨーグルトピーチ味を差し入れしてくれたんだね。
「………いや、今日だけじゃねェな…。ここ最近ずっとだ…」
わ。す、するどい…。
さすが、幼稚園からのつきあいだけあるね…。
「とにかく、今日は、全部吐くまで帰さねェからな」
そんな低い声で脅されても…! こ、こわいよう…っ。
小さいころからずっと知ってるけど、怖すぎるよう…!
「ちょっと、トラ男くん。そんなにすごんだら、逆にセレナが話せないんじゃない?」
…! ナミちゃん…! もしかして、助けてくれるの…?!
「…ナミ屋…、…邪魔するな」
「はいはい。セレナじゃないんだから、そんなに睨まれても怖くないわよ」
「……さっさと帰れ」
11 無名さん
>>10の続き
「あ、それはムリ。だって、わたしたちも知りたいから」
……たち? 知りたい…?
「セレナ、お前、悩みがあるんじゃねェのか? あるなら言っちまえよ」
え、ルフィくん…。
あれ、よく見たら、ゾロくん、サンジくん、ウソップくん、ロビンちゃんまでいる。
「えっと…、何で…」
「いや…、おっとりしてるセレナちゃんはとても素敵だけど、今日の様子じゃあ、これ以上放っておくと、さすがにケガのひとつでもしそうだからな」
サンジくん…。
「ていうか、あれだけドジやっておいて、ケガをしなかったのがむしろ不思議だぜっ」
ウソップくん…。
「あら、ケガならしたわよ。体育の時、何もないところで転んだものね」
! ロビンちゃん…! それ言ったら…!
「…! セレナ、お前…! おいどこだ、どこをケガした…!」
「膝よ膝。大丈夫、ちゃんと保健室に連れて行って、先生に手当てしてもらったから」
あああ、怒れるローくんを、ナミちゃんがなだめてくれました。
ありがとう、ナミちゃん。
「チッ…! セレナ…! 何でなにも言わねェんだ…!」
「ご、ごめんなさ…」
ローくんこわい。
「いいから言え…。お前が、いつも以上にドジをやらかす原因は何だ…!?」
いつも以上って………、ひどい。そりゃあ、いつもドジだけど。
ほとんどローくんにフォローしてもらってる自覚もあるけど…。
「ねえ、セレナ。教えてよ。できることがあれば、協力するから」
「誰かにおどされてんなら、蹴散らしてやるぞ?」
「…ナミちゃん、ルフィくん、ありがとう…。ルフィくんは、気持ちだけ受け取っておくね。……おどされてるわけじゃないから、大丈夫…」
「……だったら原因は何だ?」
「………、ローく」
「おれには言えねェことか?」
「……えっと…その……」
う…。ローくんの顔が寂しそうに…。
わたし、この顔に弱いんだけど…。
12 無名さん
>>11の続き
…でも、こういうのって、相談してもいいのかな…?
相手の気持ちもあることだし…。
あ、でも…、名前を伏せれば……。
「……えっとね、…その…、実は……」
「………」
こういう時って、どもって話すのが遅くなっちゃうんだけど、ローくんはいつもじっと待ってくれるから、うれしい。
「………この前……、…あの、……………こ……、告白を……されて……」
「「「「「「ええっ?!」」」」」」
「誰だよ、その命知らず!」
え、どうしてみんな、そんなに驚いてるの? わたしが告白されるのが、そんなに不思議?
そりゃあ、わたしはナミちゃんやロビンちゃんみたにきれいじゃないけど……。
ていうか、命知らずってどういうこと? ウソップくん。
「お前に魅力がねェって意味じゃねェから、落ち込むなセレナ。………で?」
ローくんが頭をなでてくれる。これ、好き。
「それで……、もう5回くらい断ったんだけど………、恋人がいないなら問題ない、付き合おうって、言われちゃって……、あきらめてくれなくて………」
「―――あ、いた! セレナちゃん!!」
「ひ…!」
マズい。
「え…? あいつ…、デュバル?」
「知ってんのか? ナミ」
「同じ学年よ、ルフィ」
「あんな奴いたか?」
「隣の校舎だから、滅多に会わないけどね」
「ふーん…」
「え、何? ハンサム?」
「「「言ってねェ!!」」」
「あ、セレナちゃん! 待たせてごめんね!」
わ、こっちに来た…! 笑顔がちょっと、ううん、かなりこわい…!
「……え、あの…っ」
「どうしたの? さあ、一緒に帰ろう!」
「…いや、その………えっと……」
「何? かっこよすぎて目も合わせられない? ま、それは無理ないさ!」
ち、違うもん…!
「あれ、もしかして、みんなの前だから照れてる?」
「は…?」
そ、それはないです。まずないですっ。
「もういっそ公言しちゃおうよ、おれたち、付き合ってますって!」
「…! つ…、付き合ってません…っ…!」
「ああ、大丈夫。いつも一緒にいれば、みんな認めてくれるよ」
「……そうじゃ、なくて…っ」
ああもう。この人、いつもこの調子で…、人の話なんて、まったく聞いてくれない。
ローくんとはえらい違いだよっ…。
「ここにいるみんなは、おれのセレナのお友達かな? はじめまして、セレナの彼氏のデュバルです。よろしくねっ!」
13 無名さん
>>12の続き
「ちょっと待って。セレナは、あんたと付き合ってないって言ってるけど?」
ああ、ナミちゃんが言ってくれた、ありがとう…!
わたしも、こういう時、ぱっと自分の意見が言えたらいいのに…。
早口で次々に言われちゃうと、何を話せばいいのかわからなくなっちゃう…。
「あれ〜? セレナちゃん、やっぱり照れてる?」
「……! ちが…!」
「―――――そうだな。違うよな、セレナ」
? ローくん…? あれ、何でわたし、ローくんに抱きしめられてるの?
そして、その挑発的な目は…、ひねた笑いは…、ローくんが何か、悪いことをたくらんでいる時の…。
「……何だ、お前…」
デュバルくんが、ローくんを睨みつけてる。……いったい、どうなっちゃうの…?
ローくんは…、何をするつもりなの…?
「―――おれが、セレナの彼氏だ」
!?
「「「「「「はぁっ?!」」」」」」
ちょ、ちょっと待って、ローくん…! 彼氏って…!
「…お前、それ嘘だろう?」
ひゃ、デュバルくんの顔がさっきよりも険しく…! こわい、けど…、ちょっとだけ。
ローくんが抱きしめてくれてるから、思ったよりも平気。
「どうしてそう思う?」
「ここにいる奴ら、誰も、お前とセレナちゃんが付き合ってるって、思ってねェみてェだし」
「今初めて言ったからな」
「………」
「恋人がいれば、……あきらめるんだろ?」
そうだ、確かに、そんなようなことを言われた…。だからローくんは。
「セレナちゃん、本当か? 本当にこいつと付き合ってんのか?」
「……え…」
……、付き合って、ない。けど……。でも、これはきっとローくんが出してくれた、助け舟だから……。
うなずいちゃえっ。こくこくこくっ。
「……! ……そぉかー……そりゃあ…、残念だべなー…」
? ん?
「ほんだったなら、おらァ、帰るべっちゃ〜…、お幸せになぁ〜…」
へ? いきなり変な言葉づかいに…。どうして…?
でも、帰ってくれた…。よかった……。
「あ、ありがとう、ローくん」
「……ああ。…怖かったか?」
「すこし…。でも、平気だよ」
「……そうか。…お前、このあと、用事があるのか?」
「? ないよ? どうして?」
「さっき、終礼が終わったら、急いで帰ろうとしてただろ?」
「あ、あれは…、あの人が来る前に、帰りたかったから……」
14 無名さん
>>13の続き
「……そういうことか」
「みんなも、一緒にいてくれてありがとう。とっても心強かったよ」
…? あれ。みんな、固まってる? どうして?
「………ちょっと待って」
え、何を待つの? ナミちゃん。
「あんたたち、一体いつから付き合ってたの?」
「え…?」
あんたたちって、わたしとローくんのこと、だよね…?
「たった今だが、文句あるか?」
え?
「文句なんてないわよ。おめでとう」
え?
「ちょ、ちょっと待って、ローくん」
「何だ?」
「え、何って、え? ……わたしたち、いつから付き合うことになっちゃったの?」
「だから今」
「……え?」
「だって、セレナ。あなた、たった今、トラ男くんと交際宣言したじゃない」
え。だって、それはね、ロビンちゃん、
「い、今のは」
「お前、デュバルに聞かれて、おれと付き合ってるって、うなずいただろ?」
そ、それはそうだけど…、でも…、
あれは、…たたの、その場しのぎじゃ、なかったの…?
「ロ、ローくんは…?」
怖いけど、聞いてみる。
「何だ?」
「……ローくんは、いいの…?」
「何が?」
「……、………わたしが彼女で……、いいの…?」
だって、ローくんはかっこいいし、もてるし。
頭がよくて、かわいい女の子たちが、たくさんローくんのこと好きだし。
わたしなんかじゃ、到底釣り合わないっていうか…。
……うう。考えてると、どんどん暗い気持ちになるよぅ…。
「……ハァー…ッ」
! ローくんがため息ついた…っ。
そうだよね、やっぱり、わたしなんかじゃダメだよね。
ローくんの彼女は、もっとこう……、
「―――――いたっ!」
え、何、いきなりデコピンされた…!
反射的に顔を上げたら、苦笑いしてるローくんと目が合った。
いきなりのデコピンと、ローくんの表情の意味が、ぜんぜんわからないよ…。
「で、じゃねェよ」
「…え?」
「お前でいいんじゃねェ―――――お前が、いいんだ」
「……え…っ」
15 無名さん
>>15の続き
そう言ってローくんは、わたしのことを、抱きしめた。
「………!! ロロロロ、ローくん…っ」
「何だ?」
「み、みんな、見てるっ…」
「見せとけ。……いや、お前のかわいい顔、他の奴らに見せるのもなんだな」
「え」
「帰るぞ」
か、かわいいって…、今、ローくん、かわいいって言った…っ!
「お、じゃーなー、ふたりとも!」
にししって、ルフィくんが笑ってる。
「お幸せにィ〜。あ、トラ男くん、送り狼にはならないでね〜」
え…! 狼って…っ!
「ナミ、からかっちゃかわいそうよ。トラ男くん、セレナは純真なんだから、今日はせめてキスまでにしてあげてね」
ええ?!
「いや、ロビン。むしろお前の方が具体的でヒドいから」
ウソップくんの冷静なツッコミが、何とも言えない…。
でも、いいと思うことにしよう。
だって、みんなが祝福してくれてるし、何より…、最近、ずっと不機嫌だったローくんが、笑顔でいてくれるから。
だから、わたしは、ローくんとつないだ手を離さないように、彼によりそっていこうと思います。
ありがとう、ローくん。わたしをいっぱい助けてくれて。これからも、一緒にいてね?

Fin

「そういえばセレナ、命知らずのデュバルは、まだ話しかけてくるのか?」
「ううん。もう平気だけど…。……命知らずって何? この間もそんなこと言ってたよね、ウソップくん」
「ああ〜。それな、お前に気がありそうな男は、トラ男の脅しがかかるって、学校じゃあけっこう有名な話だから、デュバルがよく告白したなと思って、って、おわっ!!」
「………鼻屋……てめェ…、……余計なことを…!!」
「わー、すんませ〜んっ!!(脱兎)」
「待ちやがれ! 鼻屋!!」
16 無名さん
朝から頑張るな
17 無名さん
毎朝飲んでるコーヒーのにおいが、気持ち悪くて吐いた。
ナースさんが背中をさすってくれて、ラクヨウさんに部屋まで運ばれて。
ベッドの上で診察を受けた結果。
ナースさんが、とんでもないことを口にした。
「おめでたね」
「……はい?」

白ひげ海賊団編 1

……………えっと。
今、なんとおっしゃいましたかね? ナースさん?
「おめでたって…」
「生理は?」
「え」
「最近、生理あった?」
…………………ええと。
「ないのね?」
「………はい」
いや。そりゃあたしかに、ここ数カ月生理はないけれど。
妊娠なんて…、妊娠なんて…。
「そんなバカな…」
頭を抱えて、OH MY GOD。
いや、海賊が神さま信じるなんて、笑い話か。
思い当たることは…、残念ながら、あるのです。
3ヶ月前、モビーで催された大宴会の日。
めずらしく、正体がなくなるまで飲んで飲んで飲みまくって。
翌日起きたら、自分の部屋で寝ていた。
……のはいいんだけれども。
毛布の下は、素っ裸な上、明らかに事後の体であり。
泥酔していた間に、いたしてしまったことは、まちがいなかった。
体に散らされた大量のキスマークがむなしくて、ちょっと泣いた。
お昼すぎに、意を決して部屋から出てみたけれど、みんなの様子は、驚くほど変わらなくて。
1600分の1の相手も名乗り出て来なかったから、きっとわたしとのことは、一晩の過ちとして、忘れたいのだと思った。
だから、わたしもみんなと普通に接した。
ただ、ひとりだけ。
18 削除済
19 無名さん
>>17の続き
長いこと片思いしていたマルコさんにだけは、話しかけることができなくなってしまった。
だって、情けないじゃない?
好きな人がいるのに、他の男と…なんて。
泥酔していたことなんか、理由にならない。
そう思っていたら、マルコさんの顔が見れなくなってしまった。
もともと、隊も違うから、気をつけていれば、会う機会なんてない。
そんな風に、自己嫌悪と戦い続けた三か月後に、まさか、こんなびっくりな展開が待っていようとは。
「……どうしよう…」
「どうしたいの?」
ナースさんが、うずくまったわたしの背中をなでてくれる。
「……船、降りたくない」
「…そう」
ナースさんのやわらかい声が、胸にしみる。
不思議と、子供を堕ろしたいとは思わなかった。
「モビーディックで産みたいなら、まず、船長に報告ね」
「…許して、くれるかな…」
「大丈夫よ、船長だもの」
子供のようになってしまったわたしを、ナースさんが慰めてくれる。
おかげで、すこし元気が出た。
「……とーさんに、報告する」
涙を毛布に吸い込ませて、わたしは、ベッドを降りた。
20 無名さん
>>19の続き
とーさんは、船で子供を産むのを、あっさり許してくれた。
わたしが言ったことをただ受け止めるだけで、父親が誰かとか、詮索は一切されなかった。
どこまで懐が広いんだ、あの人は。
モビーディックを下船しないで済むなら、大丈夫。
父親がいなくたって、とーさんがいるし、頼りになる仲間たちもいる。
きっと、育てられる。
ほっと胸をなで下ろすと、とたんに感じる体のだるさ。
これも、妊婦の症状かな? とーさんから産休をもらえたから、部屋に戻って横になろう。
船の廊下を、ゆっくり歩く。
本当は、早く部屋に戻りたいんだけれど、朝から何も口にしていない上、戻してしまったから、ふらふらだ。
まちがって転ばないように、慎重に歩く。
……次の島に着いたら、靴を買おう。
平べったいサンダルを。
今持ってる靴には、全部ヒールが入っているから…。
それまでは、スリッパで過ごそうかな…。
あと、妊娠中にしちゃいけないこととか、気をつけた方がいいこととか、知りたいな。
モビーの共有本棚に、そんな本あったかな…?
いやいや。ないない。ありえない。
海賊船に妊娠教本とか置いてあったら、ゴールドロジャーもびっくりだわ。
……しかし、部屋が遠い。
妊娠て、体に負担かかるんだなー…。
最近、鍛錬してても、すぐにふらふらしてたもんなー…。
ラクヨウさんには、「情けねェ!」って笑われたけど、(その後、「ま、いざとなったら、おれが守ってやる!」とか言われた。いい人だ)きっと、妊娠してたからなんだね。
くやしがってさらにハードな鍛錬しなくてよかった…。
21 無名さん
>>20の続き
……それにしても、部屋が遠い。
モビーおっきいからなー…。
これから子供がお腹の中で育ったら…、移動に困るかもしれないな。
でも、モビーは、わたしたちの誇りだから、もっと小さくして欲しいとは思わない。
わたしががんばって歩けばいいんだ。よいしょっと。
鉛のように重くなってしまった足を、必死に前に動かしたその時。
ふっと、体が宙に浮いた。
どうやら、うしろから誰かが抱き上げてくれたらしい。
「ありが」
とう、までは、言えなかった。
相手を見ようと顔を上げたところで、わたしの思考は、一瞬ストップした。
だって、わたしを抱き上げてくれたのは……。
この三カ月、一言も口を聞いていなかった、マルコさん、だった。
「……」
驚きで、声が出ない。
ただ、口をあんぐりさせているわたしを、マルコさんは、無言で運んで行く。
どこにって、思ったところで、着いたのは、わたしの部屋。
マルコさんは、わたしをベッドに寝かせると、体に毛布をかけてくれた。
それを、頭まで引き上げて、顔をかくす。
「ありがとう…、ございます…」
情けない。
ちゃんと目を見て、お礼が出来ないなんて。
失礼極まりないのは、百も承知だけれど、これが、今のわたしの精一杯。
ごめんなさい。具合が悪いということで、許してもらえないかな。
なんて、甘いことを考えていたわたしの耳に、マルコさんの硬い声が聞こえた。
「セレナ…、お前……。……、……子供が…出来たんだって?」
22 無名さん
この子だれの子?
ヒロインが妊娠します。
が、誰の子供かはわかりません
23 無名さん
あれはいつのことだったか。
だいぶ前の話すぎて、覚えていない。
というよりも、思い出したくないだけなのかもしれない。
彼のあの姿を見た瞬間から、わたしは、陸の上の彼を、信じることをあきらめたのだから。

「あっ…、んっ、ふぁっ…、ロー…っ」
中をぐちゃぐちゃにかき混ぜられて、頭がおかしくなりそうだった。
「待っ…、もっと…、ゆっく…、んぁっ…!」
少しは手加減して欲しいという願いは、あっさり却下され、ローは、とっくに知りつくしたわたしのいいトコロを、彼のものでがつがつと刺激してくる。
「ああっ! はん…っ、ふっ…! あ、あ、あっ…! あああー…!!!」
その上、彼の指が首の裏をそっと撫でたので、わたしは一気に達してしまった。
全身に力が入り、わたしのアソコが彼の大事なモノを締め付ける。
「くぅ…っ…!」
彼の達する瞬間の表情が、とても好きだ。
目を閉じて切なげに息を吐き、肩で大きく息をする。
きっと、わたしが彼を幸せに出来るのは、この瞬間だけだ。
本当は、彼の汗に濡れた背中を、思いきり抱きしめたいのに。
どうしてもそれが出来なくて。
わたしは、彼に背中を向ける。
「……もっとゆっくりって言ったのに」
「………」
愛の言葉の代わりに、不満を口にすれば、背中越しに、彼がため息をついた。
ギシリとベッドが軋む音がしたから、シャワーを浴びに行くのかと思ったら、男の人にしては細い腕が伸びて来て、後ろからわたしの体を包み込む。
首筋に、彼の熱い吐息がかかる。
こんな時は、少しだけ、彼から愛情を貰った気がして、うれしくて涙がこぼれそうになるのだけれど、これもつかの間のものなのだと思い直す。
「……島に着くの、明日だっけ?」
「………ああ…」
「……楽しんで来てね?」
振り返って、笑顔でそう言えば。
「…きゃっ…!」
体を無理やり仰向けにされる。
ギシッ…。
わたしの両手を拘束して、じっと見下ろす彼。
「……ロー…?」
何も写していないような、冷めた瞳。
「…どうし―――いっ」
声をかけると、首筋を強く吸い上げられる。
「ロー待って、―――痛っ」
ローは、キスを落とす箇所すべてに痕を残しながら、わたしをめちゃくちゃに抱いた。
24 無名さん
>>23の続き
翌日の14時過ぎ、島に着いた。
船員達は、わずかな見張りを残して下船して行く。
わたしも、あらかじめ約束しておいたベポと一緒に、船を降りた。
ベポと手をつないで、肉球をぷにぷにさわっていると、ささくれ立った心も、少しは和らぐと言うものだ。
さわやかな風が吹く春島は、道のあちこちに花壇があり、そのすべてが花で敷き詰められていた。
「ね、ベポ。この島のログって、どのくらいでたまるの?」
訊ねてみると、ベポはかわいらしく首をかしげた。
「うんとね、二週間だよ」
「そっか…」
二週間の間、ローに会えないんだ…。
せっかく上がりかけた気分が、一気に下がる。
ローは、島にいる間は、ずっと宿に泊り続ける。
正しい表現は、娼館かもしれないけれど、そこはあえて目を瞑ろう。
彼も男だ。しかも一船の船長だ。
海軍曰く、最悪の世代として名を馳せ、賞金額もケタ違い。
その上ルックスも上等となれば、……モテない筈がない。
だから、島に着いた時には、なるべくローを解放することにしている。
その間、彼がどこで何をしようが、まったく咎めることもない。
そりゃあ、初めて彼が娼婦と腕を組んで、仲良く娼館の前に立っていた場面を目撃した時には、確かに傷ついた。
乗り込んで行って、彼と女を引き剥がしてやりたかったけれど、そんな勇気は到底なくて。
わたしは、ひとりで宿を取って、一晩中泣き明かした。
一晩泣いて、次の日は、一日宿に引きこもって、わたしはようやく答えを出した。
男に貞操など、求めてはいけないのだ。
そもそも女とは、体の作りが違う。
男は、種を残す為に、本能的に女に反応してしまう生き物なのだ。
だから、仕方ない。
彼のテリトリーに入れてもらって、さらに、「恋人」という肩書をもらっているのだから、それだけで満足しないと。
その時から、彼の島での行動は、一切関知していない。
まあ、わたしも好き勝手やっているのだから(島の観光スポットを制覇するだけだけど)、それでいいのだ。
でも、二週間は長いなあ…。ハートの船に乗ってから、そんなにローと離れるの、初めてかも…。
「リリアはまた、観光地めぐりするの?」
「うん。時間もあることだし、いっそ一周しちゃおっかなあ…」
さっき、雑貨屋の店主に聞いた話だと、一週間もあれば島の名所を巡りながら一周できるらしい。
25 無名さん
>>24の続き
船番に半分の日数を費やしたとしても、充分遊べるよね。
そう思って、テンションをあげたんだけど。
「でもリリア、五日目から最終日まで、船番になってるよ?」
「え、ウソ?!」
驚いていると、ベポが一枚の紙を見せてくれる。
停泊中の船番の当番表だ。
ベポが「ここ」と指してくれた場所に、わたしの名前が書いてある。
そこまではいい。
船員なら、停泊中に船の番をするのは当然のこと。
問題はそこじゃない。
「これどういうこと? みんなは七日間なのに、何でわたしだけ十日?!」
「だよねえ」
くうぅっ…!
首をかしげるベポは、涙が出るほどかわいいけど、さすがにこれはおかしい。
いつも当番を決めてるのはペンギン…。
良識のある彼が、こんなえこ贔屓なシフトを組むとは思えないし…。
単に、ペンギンが勘違いしたのかもしれない。
そう思って、子電伝虫でペンギンを呼び出してみる。
26 無名さん
>>26の続き
プルルルル、プルルルル、ガチャ。
「あ、ペンギン?」
「リリアか、どうした?」
「あのさ、船番がね、他の人は七日なのに、わたしだけ十日になってるんだけど、どういうことかなって」
「ああ〜、それな。最終的に決めたの、船長だから」
「へ?」
ローが? どうして?
「もしかして、船長とケンカしたか?」
「してないよ」
するわけない。ていうか、できないし。
「そうか…。でもまあ、そういう事だから、今回は諦めてくれ」
たとえ道理が引っ込もうが、船長がルール。それが、ハート海賊団の掟。
「わかった…」
電話を切って、カバンに仕舞いこむ。
……そう言えば、昨日、わたしを抱く手がすこし…、いや最後の方はかなり…、荒かったかもしれない。
でも、怒らせるようなこと、何もしてないと思うんだけど……。
もしかして、やつあたりとか?
あれこれと考えてみるものの、結局、理不尽なシフトの裏にどんな理由があろうと、わたしには、ローに従う以外の選択肢なんてないわけで。
だったら、悩むだけ時間のムダだ。
……たとえ日数が削られようと、要は楽しめばいいんだ、楽しめば。
わたしは、半ば無理やり開き直ると、観光案内所、という看板がかかっているログハウスのドアを開けた。
27 無名さん
>>25>>26
>>27の続き
上陸してから四日間。
わたしは、島の観光を楽しんだ。
さすがにひとりじゃ寂しいから、専用のガイドをつけて。
この人が、まあ、大層面白いおねいさんで、道中たくさん笑かしてもらった。
遊園地とか、テーマパークとか、きれいなサンゴ礁のある場所とか、七色に光る洞くつとか。
いろんな場所に連れて行ってもらった。
中には「恋人岬」なんて場所があった。
何でも、大昔に、王子様と花売りの少女が身分の差を乗り越えて、愛を誓い合った場所だそうだ。
岬の先にある鐘をひとりで鳴らすと、近いうちに恋人が出来て、恋人と一緒に鳴らすと、将来二人が結ばれる、なんて言い伝えがあるらしかった。
けれど、船の中限定になりつつあるとは言え恋人は一応いるし、かと言って、将来を誓い合うような間柄でもないので、つつしんで辞退しておいた。
また島に寄ることがあったら、今度こそ一周しましょうね〜、と笑顔で手を振るおねいさんにうなずいて、船に戻る。
黄色い塗装に、ニタリと笑うジョリーロジャーを見ると、すこしほっとするわたしは、やっぱり、この船が好きなんだと改めて思った。
梯子を下ろしてもらって、甲板に上がり、部屋へ向かう。
いつものツナギに着替える前に、シャワーを浴びてすっきりしようと、クローゼットから着替えを取り出して部屋を出る。
向かう先は、船長室。
わたしは、この船で唯一の女船員なので、乗船した時から、お風呂は船長室のものを使わせていただいている。
コンコン。
今は不在の筈だけれど、礼儀として一応ノック。
「失礼しま〜す」
当然返事はなく、わたしは、船長の部屋に入ると、そのままお風呂に向かう。
ぬるま湯設定のシャワーを存分に浴びて、ついでに全身を洗い、お風呂を出た。
「…?」
脱衣所で体を拭いていると、くもり硝子の向こうに、ちらちらと人影が見える。
船長室に出入りできる人間なんて限られているし、せいぜいシャチかペンギンだろう(あの影の形からして、ベポはない)と思い、構わずつなぎを着て脱衣所を出たのだけれど。
28 無名さん
>>28の続き
「……え?」
ドアを開けて視界に入ったのは、意外なことに、この部屋の主だった。
ローは、ロングソファに座り、長い足を優雅に組んで、本を読んでいる。
戻って来てたんだ、めずらしい…。
いや、島に停泊している間は、むしろわたしの方が船に寄りつかないから、ローがどんな行動をしているのかなんて知らないし、別に知る必要もない。
「ロー、お風呂借りましたー」
そう言って、わしわしと頭をタオルで拭いて、部屋を出ようとした。けれど。
「リリア」
名前を呼ばれて、立ち止る。
「何?」
目が合うと、ローの手がぽん、と彼の座っているソファをたたく。
隣に座れ、ということだろう。
「えっと、ごめん。明日早いから、今日はもう寝たいんだけど」
「座れ」
「……」
うわ、強引。
さっきまでずっと遊び倒してたから、疲れてるんだけど。
軽く抗議の目を向けてはみたものの、にらまれながら、「…聞こえなかったか?」なんて言われたら、もうどうしようもない。
だって、ハート海賊団の中では、ローが法律なのだ。
ローの隣に座ると、頭の上に被せておいたタオルを奪われ、ぽふぽふと髪を撫でるように水分を取ってくれる。
「………」
いや、ありがたいけれども。
せっかくの島なのに、こんなところで何をしてるんだ、この人は。
出航してしまえば、女はわたし一人しかいないんだから、島にいる時くらい、他の子と遊べばいいのに。
……なんてことを考えるわたしは、果たして本当にローが好きなんだろうか。
いや、確かに好きだったよ? 両想いになった時は。
背中を見てるだけでうれしいし、目が合ったらもっとうれしいし、手をつなぐだけでどきどきしてたし。
でも、恋人になって一番最初に着いた島で、他の女と遊ぶ姿を目撃した日には…、どうしようもなくない?
数回抱いて、もう飽きたのかなと思ってたんだけど、航海が始まると、けっこうな頻度でローの部屋に呼ばれる(もしくは部屋に乱入される)。
29 無名さん
>>26
>>27
>>28の続き
だから、たぶんローは、単に、航海中に欲を吐き出せる女を、確保しておきたかっただけなんだと思っていた。
なのに。え、ちょっと待って。
何なの? この、ジッパーを下ろす手は。
首筋に落ちて来るキスは。
タンクトップの隙間から差し込まれる手は。
ソファに押し倒されて、ローの体重が体にかかって、ローのしたいことが確定したので、慌てて彼の胸を押す。
「ちょっと、ほんと待って、ロー。明日早いから…」
「安心しろ。お前は人数に入ってねェ」
「…は?」
何だそれ。まったく意味がわからない。
困惑しているわたしなんて気にも留めずに、胸を押していた手をあっさり振り払って、ローはことを進めようとする。
え? せっかく島にいるのに、何でわたし?
やだやだやだ。島にいる時は、わたしに関わらないで。
他の女の子を品定めした、その目にわたしを映さないで。
他の女に触れた手で、わたしにさわらないで。
「やだ…! やめてロー!」
力を振り絞って暴れても、ローに抑え込まれた体はびくともしない。
それでも、わたしの体をまさぐる手の動きは止まったので、ほっと息をつく。
「…泣くほど嫌か」
ローの指が、まなじりにふれて、わたしは初めて自分が泣いていると気づいた。
「そんなに嫌なのか。島でおれに抱かれるのが。島でおれと一緒に過ごすのが」
淡々と言ってはいるけれど、どこか苦しそうなローに、息を飲む。
「……ハァ…」
ローは、ため息をついて上半身を起こし、わたしに背を向けてソファに座った。
わたしも、体を起こはしたけれど、乱れた衣服を正すことは忘れて、ローに言う。
「待ってよ。島で好きに過ごしたいのは、ローの方でしょ?」
「……は?」
「島では、わたしのことなんか気にしないで、女の子と好きに遊びたいんでしょ?」
「……どういう意味だ」
ローが振り向いて、驚いた顔でわたしを見た。
ああそうか。ローは、わたしが知っていることに気づいていないんだ。
「はぁ…」
何か……、もういいや。
もう、疲れた。
30 無名さん
>>29の続き
ソファに足を乗せて、膝を抱えた。
もういい。こんな…、中途半端な関係なんか、壊れちゃえばいい。
ううん。きっともう壊れてたんだ。
もうずいぶん前から。ローが娼婦と一緒にいるところを見た時から。
「付き合って最初に着いた島で、ローは女の子と娼館に入ったよね?」
「――!」
ローの顔色が変わった。
「……ああ、いいよ。別に責めたりしないから。ローは、色んな子と遊びたいんだよね?」
「…!」
「だからさ…、何と言うか…、わたしにとってのローは、航海中だけの恋人なんだよ…」
「………」
「島にいる時は、恋人じゃないから、ローがどこで何をしようと気にしない…、ずっとそう思ってた」
そう、ずっと。
そう思うことで、自分を守ってきた。
「……だから…、島にいる間は、……わたしにさわらないで…」
わたしは、体を小さくして、ぎゅっと自分を抱きしめた。
それしか、自分を守る方法が思いつかないから。
「……言いたい事は、それだけか…?」
「………」
返事をしないのを、肯定と受け取ったらしく、ローは、「なら、おれも言うぞ」と前置きして話し出した。
「お前は、おれが、実際に娼館に入ったところを見たのか?」
「……えっ…、」
それは……。
見てない。
だって、娼館の前で、娼婦がローにしなだれかかってて…。
ローだって、女の好きにさせてたし、今にもキスしそうな程顔を近づけてたら、当然中に入るだろうって、……思って…。
「あれは、娼館の前で、情報収集をしていただけだ」
「………、…………は?」
「命知らずの賞金稼ぎが、おれの首を狙っていると聞いたんでな」
「………」
「お前と連絡が取れないのは気になっていたが…。お前が2日間、宿から出ていないと報告を受けて、心配ねェだろうと判断した」
「……」
「下手に連絡を取って、敵にお前の存在を感づかれたら、それはそれでやっかいだしな」
「……、」
………あ、…あれ…。
何か、思ってたのと、ちょっと…、いや、だいぶ違う…。
「次の島は…、どこかに行くかって誘ったら、お前の方が断って来たよな?」
「……」
…いや、それは…その……。
31 無名さん
>>30の続き
ローが、島でめいっぱい羽を伸ばすためには、わたしがいない方がいいかなって思ってたっていうか。
一緒にいても、夜中こっそり抜け出されて、娼館に行かれたら、それこそショックだし。
「次の島も、次の島でもそうだったよな?」
……う。いや、だからそれは。
「―――何か言う事は?」
ローが顔をのぞき込んで来た。
そろりと視線を上げると、ニヤリと笑ったローの顔が見える。
そ、そりゃあ、どうやら何だか、全部がわたしの勘違いだったような気がしないでもない。
でも、ローだって、わたしがひとりで島に遊びに行っても、かまわず別行動を取ったじゃないか。
そう訴えてみれば、「先に断ったのはお前だろう。特に最近は、おれに誘わせもしなかったしな」なんて、おっしゃる通りなことを言われて。
何だかもう、逃げ場を全部塞がれた気分になり、意を決して口を開く。
「…………ご……」
「……ん?」
「ごめんなさい……」
膝に顔を埋めてそう言えば、体にローの腕がふわりとまわった。
顔を上げれば、ローからのキスの雨が降って来て。
くすぐったさに身をよじると、そのままソファに押し倒された。
「……悪いと思っているなら…、……わかるな…?」
耳元でささやかれて、それから一晩中、彼の腕の中に閉じ込められた。

そして翌日。
朝早くから起こされて、手を引かれるままに歩いて行くと、海が見える見晴らしのよい丘に着いた。
紫色のチューリップが、まるで絨毯のように丘に敷き詰められていて、その奥に真っ白い鐘が見えた。
「………ここって…」
この前、ガイドのおねいさんが説明してくれた、「恋人岬」…?
何でわざわざここに…?
ここで鐘を鳴らした恋人は、将来結ばれるって言われてるんだよ?
わかってて、わたしを連れて来たの…?
謎は残るけど、ほらって、紐を持たせようとするローの顔がやさしかったので、とりあえず、二人で鳴らしておいた。
カラン、カラン…。
青空に鐘の音が大きく鳴り響いて、次第に吸い込まれて行く。
そっと紐を離したら、腰を引き寄せられて、びっくりする間もなく、ローの唇が降ってきた。
鐘の音が鳴り終わるころに、ようやく、そっと唇が離されて、やさしく微笑まれれば、キスなんて何回もしてるのに、わたしの顔はゆでだこ状態で。
うれしそうに何度もキスをしてくるローを、受け止めるだけで、もういっぱいいっぱいだった。

Fin
32 無名さん
>>31
えー…。
実はこのお話、浮気者ローさんにチャレンジしてみようと思い、書き始めたのですが…。
………結果はご覧のとおりです。
わたしに、浮気者ローさんを書くのはムリでした。
ローさんは、いつだって一途なのですよ…! うん…!(と、自分に言い聞かせてみる。)
まあ、そのせいで、他の中篇と似たお話になった気がしないでもないですが…。
個人的には楽しかったので、UPしちゃいます。
思いがけない方向に行ってしまったお話ですが、お楽しみいただければ幸いです。(^▽^)
33 無名さん
読みにくい
34 無名さん
いちおつ
35 無名さん
いちおつ
36 無名さん
緑魚たんの素晴らしい話を皆に読んでほしい
37 無名さん
38 無名さん
39 無名さん
40 無名さん
41 無名さん
あげ
42 無名さん
あげ
43 無名さん
あげ
44 無名さん
コブタイ
45 無名さん
あげ
46 無名さん
<+))><<
47 無名さん
コブタイ
48 無名さん
リクエストの続きはー?
49 無名さん
書かないよ
50 無名さん
書けや
51 無名さん
書け
52 無名さん
書かないよ
53 無名さん
書けよ
54 無名さん
あげ
55 無名さん
あげ
56 無名さん
コブタイ
57 無名さん
リクエストはよ書けよ
58 無名さん
緑魚たんさいてー
59 無名さん
ひどいよ!
60 削除済
61 無名さん
コブタイ
62 無名さん
なんであげたの?
63 無名さん
みんなに見てほしいからだよ!
64 無名さん
いちおつ
65 無名さん
コブタイ
66 無名さん
魚やだやだ!
67 無名さん
「ひああんッそこ、そんなに擦らないでぇあっ、あっあっきもちいひあんっ」
「ざーこクリちゃん剥いたらすぐ気持ち良くなるくそド淫乱ほーらお前の好きなシコシコしてやるから腰つき出せ やりやすいようにまんこよく見せろ」
「や、誰か来たら…そんな、んんっ………これで、いい?ッ!!あっあっ、シコシコひぁ………」
「そーそーまんこつき出して偉いなァ……はあクリ、パンパンじゃんいっそのことパンツ履けなくなるまでおっきくするぅ?ぁはッまんこビクつかせて……考えちゃったんだ 期待ちゃったんだろこのへ・ん・た・い・んッおらっ、イけ!イけっ」
「あ"〜〜〜〜〜っは、あっあっあっイったもおイきまひたぁひ、あ"ッそこ、あっあっあっ〜〜〜〜ッ、らめ"っほんとっパンツ履けなくなるうううっ」
「履けなくてもいーじゃん毎日スカートの下からまん汁垂らして授業受けろよ我慢できなくなったら俺んとこ来て腰振りながらちんぽおねだりしろ………呵々っ!またイくのォ?ほーんと変態あー、なら今度教室でもしよっかァおなまえのこと教卓座らせてまんこたーっぷり舐めてやるから」
「んんんあっッイッはーはあーもぉ、がっこでえっちなこと、だめえんあああっゆびはいってきたぁ………ッ」
「俺の指好きだろはー、あっつ……まんことろっとろほら、まん汁が屋上汚してるけどォ?!ごめんなさいは?学校汚してごめんなさいって言え」
「あ"ッご、ごめ、ごめんなさあいおなまえはえんせえに触られるとすぐまん汁垂らす悪い子なのぉ……んあっひ、あっそこ、ダメになるとこやだやだやだダメになるぅう〜〜〜ッ」
「何言ってんの?もうダメになってるからあ〜、天井きもちいーなァ指2本咥えてんのにギチギチ締め付けやがって……イく時言えよー?」
「ふ、あっあああんっ、ひ、だめ、イくイくイくイくイ、ッ!!!あ"ぁ〜〜〜〜ッは、はあ………はあ………んっひあああ!?へ、あ、雨………!?」
68 無名さん
あげ
69 無名さん
あげ
70 無名さん
71 無名さん
72 無名さん
73 無名さん
天井きもちいい…
74 無名さん
はあ?
75 無名さん
>>67に書いてあるんだもん…天井きもちいい
76 無名さん
だから?
77 無名さん
それで?
78 無名さん
>>76
生理か(笑)
79 無名さん
うめたらたてる
80 無名さん
(笑)なんて同盟で使う奴初めて見た
81 無名さん
>>78
新参たん!
82 無名さん
そうですか(笑)
83 無名さん
>>82
新参たん!
84 無名さん
新参ROMってろ
85 無名さん
生理ヒスやめな〜(笑)
86 無名さん
突っかかられても困っちゃうなあ(笑)
87 無名さん
やだ〜(笑)
88 無名さん
あらまぁ(笑)
89 無名さん
埋めたくて
90 無名さん
91 無名さん
(笑)
92 無名さん
ワラ
93 無名さん
早く次スレたてたいな!(笑)
94 無名さん
はやくぅ
95 無名さん
次スレはいらないな
96 無名さん
緑魚たん嫌いだからうらる晒し続けるよ!
97 無名さん
要らない
98 無名さん
きらい
99 無名さん
すごくきらい
100 無名さん
文章きもい幼稚