これはF県のT市に本当にある公園のお話です。

うちの姉が車の免許を取りたてなのもあり、車で肝試しに行くことになりました。
どこに行くか悩んだ結果、地元でも怪奇現象が起こるという、金田公園に友人数名と行く事になりました。

金田公園には池があり昼間は地域住民が憩いの間として使っていますが、昔は炭坑で亡くなった人達を埋めておく場所でもありました。

もともとT市は炭坑が盛んな町で炭坑節の発祥の地でもあります。
また土地柄かヤクザの多い町でもあります。

そして肝試し当日に友人宅に集まりました。

もしもの事があってもいいように姉の友人でSちゃんに来てもらいました。
Sちゃんはもともと霊感の強い子で普段から見えてるようです。

そして12時になったので金田公園に入りました。
さっきまで笑ってたSちゃんが急に笑わなくなりました。

その時Sちゃんはこう言いました。

「みんな急いで池から離れて!」

一気に周りは静かになりました。
みんなが恐くて走りだそうとした瞬間、Sちゃんが「走ったらダメ! みんな一カ所に固まって! 囲まれてる」と言い出しました。

友人の一人が木の近くで急に泣き出しました。
するとSちゃんは「その木から離れて! その木折れるから!!」と怒鳴りました。

すると友人が木から離れた瞬間木の枝がバキバキバキと音をたてて折れました。
そしてSちゃんは「今は木の近くに集まってるからみんな急いで車まで走って! 例えなんか見えても目を合わせたらいかんきね!!」と言い放ち一斉に走りました。

なんとかみんな無事に車に乗り金田公園から離れました。
しかしSちゃんはまだなにか不安な顔しています。

後日何故不安そうな顔してるのか尋ねるとSちゃんは

「実は木の近くにいた霊がね、何人かついちゃって来てるの」

何故言わなかったと言うとあの場で言ったらもっと沢山ついてくると思ったらしいです。

そして一番木に近づいた友人が去年、交通事故で亡くなりました。
一体あの木にはどんな過去があるのでしょう………。