この二人は、日頃から僕の恋愛相談を受けてくれていたのだが、あまりにも女運がなさすぎると思ったらしい。
で、原因を突き止めようという一環で、合コンに連れていくことにしたらしいのだ。

で、結論からいえば、僕には何かが憑いているらしい。
霊ではなく、以前「報い」で登場した念みたいなものらしいが。

何でも、その念みたいなものが、あの女の子を呼んでいたらしいのだ。
その女の子なのだが、麒麟曰く純粋そうな雰囲気を武器に、男をとっかえひっかえしてるような、かなり強者な子らしい。

麒麟「エミリオに憑いてるのは、多分女の子の念。普通なら不安とか体調不良を引き起こすんだけど、エミリオの場合は変な女の子を引き寄せて不幸にしたいみたいね。心当たりある?」

………ある。
二人には話していないが、過去に別れた女の子の一人から、こう言われたことがあった。

「私はあんたを一生恨んでやる。あんたの不幸ばかり祈ってやるんだから」

激しい性格に耐え切れずに別れた女の子だ。

この事を二人に話すと、

キョウスケ「それはまた随分と激しいなぁ。まぁ、本人が幸せになれば忘れるだろうから、それまでは仕方ないな」

麒麟「ま、その子はエミリオを断罪してるつもりなんだろうね。けど、多分その子にも必ず同じだけの事が起こるハズよ。ほら、人を呪わば穴二つっていうでしょ? 呪いや恨みは、回り回っていずれは自分に返ってくるもんだから」

今僕に彼女の念がまとわり憑いているかは分からない。
ただ、風の噂で彼女が男に騙されて情緒不安定になっていることを聞いた。

あれ以来、僕は軽はずみに人を恨んだりすることを止めた。
いずれは、自分に返ってくるであろう恨みが怖いからだ。

また機会があれば、二人との話を書こうと思う。