18 無名さん
そっと扉を閉めて、ふぅと息をはいた
扉からコート越しに伝わる冷たさが体全体に染み渡る
「ばーか」
小さな言葉になって消えても
わたしの心には確実に突き刺さる。自業自得なのだけれど。
誰も何も悪くないはずなのに
バスケしか見えてないその事実が不安を煽る
きらきらしてる彼を見てうれしいはずなのに
遠くなったようなそんな感じがした
ごんと背中に鈍い痛みが走る
ばっと後ろを振り向けば
少し汗を浮かべている大輝の姿で睨むように私を見下ろす
片手にはバスケットボールを持っていて
寒くないの!?と言いたくなるような格好で仁王立ち

雨子たん扉いつ開けたの?