24 無名さん
読んできた
時間空いても夢主ageを忘れない浮遊たん

すぐ隣にある大木の影に身を潜めながら、その横顔がチラチラと朝日に照らされている。手に持っている本を読むために伏せている黒い瞳が。無表情に座る彼女の表情が。時折吹く風に靡く綺麗な黒髪が。その全てがまるで一枚の絵画のようで、とても神秘的なもののように感じましたわ。私はその光景に言葉を失い、ただ見惚れるのみでした。
見つめすぎたのか、彼女はふと本から顔を上げ私を見ました。

「八百万……百……?」

その綺麗な黒の瞳に私が写り、私の名前を訝しげに彼女が呟いた瞬間、私は言い知れぬ喜びがありましたわ。だって初めて彼女の瞳に写ったのですから。恐らく、彼女の瞳に写ったのは、相澤先生と轟さん、それに件の子供ぐらいではないでしょうか?それと同時に、彼女が私の名前を覚えていたことにも驚きました。