24 無名さん
>>23の続き
翌日の14時過ぎ、島に着いた。
船員達は、わずかな見張りを残して下船して行く。
わたしも、あらかじめ約束しておいたベポと一緒に、船を降りた。
ベポと手をつないで、肉球をぷにぷにさわっていると、ささくれ立った心も、少しは和らぐと言うものだ。
さわやかな風が吹く春島は、道のあちこちに花壇があり、そのすべてが花で敷き詰められていた。
「ね、ベポ。この島のログって、どのくらいでたまるの?」
訊ねてみると、ベポはかわいらしく首をかしげた。
「うんとね、二週間だよ」
「そっか…」
二週間の間、ローに会えないんだ…。
せっかく上がりかけた気分が、一気に下がる。
ローは、島にいる間は、ずっと宿に泊り続ける。
正しい表現は、娼館かもしれないけれど、そこはあえて目を瞑ろう。
彼も男だ。しかも一船の船長だ。
海軍曰く、最悪の世代として名を馳せ、賞金額もケタ違い。
その上ルックスも上等となれば、……モテない筈がない。
だから、島に着いた時には、なるべくローを解放することにしている。
その間、彼がどこで何をしようが、まったく咎めることもない。
そりゃあ、初めて彼が娼婦と腕を組んで、仲良く娼館の前に立っていた場面を目撃した時には、確かに傷ついた。
乗り込んで行って、彼と女を引き剥がしてやりたかったけれど、そんな勇気は到底なくて。
わたしは、ひとりで宿を取って、一晩中泣き明かした。
一晩泣いて、次の日は、一日宿に引きこもって、わたしはようやく答えを出した。
男に貞操など、求めてはいけないのだ。
そもそも女とは、体の作りが違う。
男は、種を残す為に、本能的に女に反応してしまう生き物なのだ。
だから、仕方ない。
彼のテリトリーに入れてもらって、さらに、「恋人」という肩書をもらっているのだから、それだけで満足しないと。
その時から、彼の島での行動は、一切関知していない。
まあ、わたしも好き勝手やっているのだから(島の観光スポットを制覇するだけだけど)、それでいいのだ。
でも、二週間は長いなあ…。ハートの船に乗ってから、そんなにローと離れるの、初めてかも…。
「リリアはまた、観光地めぐりするの?」
「うん。時間もあることだし、いっそ一周しちゃおっかなあ…」
さっき、雑貨屋の店主に聞いた話だと、一週間もあれば島の名所を巡りながら一周できるらしい。
翌日の14時過ぎ、島に着いた。
船員達は、わずかな見張りを残して下船して行く。
わたしも、あらかじめ約束しておいたベポと一緒に、船を降りた。
ベポと手をつないで、肉球をぷにぷにさわっていると、ささくれ立った心も、少しは和らぐと言うものだ。
さわやかな風が吹く春島は、道のあちこちに花壇があり、そのすべてが花で敷き詰められていた。
「ね、ベポ。この島のログって、どのくらいでたまるの?」
訊ねてみると、ベポはかわいらしく首をかしげた。
「うんとね、二週間だよ」
「そっか…」
二週間の間、ローに会えないんだ…。
せっかく上がりかけた気分が、一気に下がる。
ローは、島にいる間は、ずっと宿に泊り続ける。
正しい表現は、娼館かもしれないけれど、そこはあえて目を瞑ろう。
彼も男だ。しかも一船の船長だ。
海軍曰く、最悪の世代として名を馳せ、賞金額もケタ違い。
その上ルックスも上等となれば、……モテない筈がない。
だから、島に着いた時には、なるべくローを解放することにしている。
その間、彼がどこで何をしようが、まったく咎めることもない。
そりゃあ、初めて彼が娼婦と腕を組んで、仲良く娼館の前に立っていた場面を目撃した時には、確かに傷ついた。
乗り込んで行って、彼と女を引き剥がしてやりたかったけれど、そんな勇気は到底なくて。
わたしは、ひとりで宿を取って、一晩中泣き明かした。
一晩泣いて、次の日は、一日宿に引きこもって、わたしはようやく答えを出した。
男に貞操など、求めてはいけないのだ。
そもそも女とは、体の作りが違う。
男は、種を残す為に、本能的に女に反応してしまう生き物なのだ。
だから、仕方ない。
彼のテリトリーに入れてもらって、さらに、「恋人」という肩書をもらっているのだから、それだけで満足しないと。
その時から、彼の島での行動は、一切関知していない。
まあ、わたしも好き勝手やっているのだから(島の観光スポットを制覇するだけだけど)、それでいいのだ。
でも、二週間は長いなあ…。ハートの船に乗ってから、そんなにローと離れるの、初めてかも…。
「リリアはまた、観光地めぐりするの?」
「うん。時間もあることだし、いっそ一周しちゃおっかなあ…」
さっき、雑貨屋の店主に聞いた話だと、一週間もあれば島の名所を巡りながら一周できるらしい。