25 無名さん
『しょーたくんんんんん』
久々の休日に自宅で仕事をしていると高校の時の同級生でもある彼女の名前が合鍵を使って部屋に入り、こっちに向かって走ってきた。
「どうした」
ペンを机に置いて振り返ると一瞬息が止まった。
「本当にどうした」
屈辱です、といった顔をしている名前の頭には可愛らしい黒猫の耳がちょこんと生えていた。
『ねこみみが…クソ個性…死ね…』
俺の背中にくっついて低い声で呟く彼女の声でだいたい理解した。ねこみみを生やす個性(多分)の持ち主にねこみみを生やされてご立腹であるらしい。
「それ戻るのか?」
『一日もあれば戻るらしい。クソ個性の持ち主逮捕されたから分かったんだけど』

もう一つの短編ね