25 無名さん
いい加減懲りてください

郭嘉はほんの小さな指先の傷をじっと見つめた。

そして小さく笑う。

あの少女にまた会いに行く理由ができた、と思っていた。

郭嘉はゆっくりとその少女のもとへと向かう。

扉をノックするも、少女の声はしなかった。

不思議に思いながら扉を開くと、独特の匂いが漂っている中、金色の髪の美しい少女が、真剣に机に向かい薬を作っていた。

郭嘉は少女の名を呼ぶことなく、作業を眺めていた。

一段落ついた様子を見計らい、彼女の名を呼んだ。

「綾音殿」

『…!郭嘉様』

一瞬、ビクッとなった少女が郭嘉を捉えると、ごきげんよう、と挨拶した。

郭嘉は白衣を纏う少女をじっと見つめた。

金色の長い髪を今日は結い上げ、幼い顔立ちと背丈に似つかわしくない豊満な胸、蒼と水色の無垢な瞳…。

彼女を何度か妻に、と曹操に願い出たこともある。

しかし曹操はそれを許さなかった。

26 無名さん
綾音に近づいた郭嘉は、その幼い少女の耳元で囁く。

こそばがった少女の頬が紅く染まる。

綾音の腰を抱き寄せて太ももに手を遣ると、小さく抵抗を始めた。

しかし郭嘉はやめようとはしなかった。

郭嘉が綾音を堪能していると、郭嘉に向かってなにかが投げられた。

反射的に避けた郭嘉が振りかえると、静かに怒った荀いくが、陣杖を投げた格好のまま郭嘉を睨んでいた。

「郭嘉殿?今日という今日は許しません!」

「荀いく、押さえ…「問答無用」…て……、うわぁぁあ!」

『………ι』

郭嘉に向かってまた陣杖を投げつけた荀いくは、範囲攻撃で郭嘉をボロボロにした。

なおも睨み付けながら綾音を抱き寄せた荀いくは、郭嘉に止めの一言を放った。

「貴方が幾ら綾音を妻に望もうとも叶いませんよ。

何故ならば、綾音は私の妻ですから」

そういいながらにこりと笑う荀いくに、綾音は赤面した。

それをみた郭嘉は、成程…、となぜか納得した。

終わり

中途半端ですが日常はこんな感じ(ノ∀`*)