26 無名さん
>>26
207 :本当にあった怖い名無し:2013/05/22(水) 16:21:20.09 ID:SyPkEOA60
中に誰かいる。大人の人だ。そう思って、なんか僕は怖くなって、帰ろう、って言ったのを覚えてます。
「いやいや、誰かいるみたいだけど……勝手に俺らの秘密基地使ってんじゃねーよ!!」
A君はどっちかって言うとちょっとDQNっぽくて、喧嘩っ早い性格の子でした。何の物怖じもせず、扉を思い切り
開けて、中へずかずかと侵入。僕は怖くて彼の背中を見つめてたんですが。
部屋の中に、暗い赤色の服を来た髪の長い女性が、体をゆらゆら揺らして、そこにいました。
これはヤバい。子供ながらにそう感じて、Aにヤバいから逃げよう、と告げようとするも、震えて声が出なかった
のをよく覚えてます。
「お前俺らの秘密基地で何してんの!?」
ああもう止めてくれ、ってこの時程A君の勇気を呪ったことはありません。A君はそれを見て全く怖気付かずに、
むしろ近くにあった箒を手に取り、向かっていったんです。
そこで、僕は鼻をすするような音に気づきました。
ひっ。ひっ。ひっく。って感じです。
泣いてる? って、そんな気がしました。
その時、ふと冷静になって、ああ、もしかしたらこの人、家を追い出されて、ここへ来て泣いているのかな、って
思いました。でも違いました。
A君が何やら罵倒しつつ、女性を箒で突っつき回しています。
女性はしきりにひっ。ひっ。って言いながらゆらゆら揺れていて。
そして突然。ひひひひひひひひひひって感じで。大声で笑い出したんです。
僕はもう腰が抜けてしまいそうになって、さすがのA君も驚いたのか、僕に逃げるぞ! って言って、手をひいて
その場を駆けて後にしました。