30 無名さん
>>29の続き
ソファに足を乗せて、膝を抱えた。
もういい。こんな…、中途半端な関係なんか、壊れちゃえばいい。
ううん。きっともう壊れてたんだ。
もうずいぶん前から。ローが娼婦と一緒にいるところを見た時から。
「付き合って最初に着いた島で、ローは女の子と娼館に入ったよね?」
「――!」
ローの顔色が変わった。
「……ああ、いいよ。別に責めたりしないから。ローは、色んな子と遊びたいんだよね?」
「…!」
「だからさ…、何と言うか…、わたしにとってのローは、航海中だけの恋人なんだよ…」
「………」
「島にいる時は、恋人じゃないから、ローがどこで何をしようと気にしない…、ずっとそう思ってた」
そう、ずっと。
そう思うことで、自分を守ってきた。
「……だから…、島にいる間は、……わたしにさわらないで…」
わたしは、体を小さくして、ぎゅっと自分を抱きしめた。
それしか、自分を守る方法が思いつかないから。
「……言いたい事は、それだけか…?」
「………」
返事をしないのを、肯定と受け取ったらしく、ローは、「なら、おれも言うぞ」と前置きして話し出した。
「お前は、おれが、実際に娼館に入ったところを見たのか?」
「……えっ…、」
それは……。
見てない。
だって、娼館の前で、娼婦がローにしなだれかかってて…。
ローだって、女の好きにさせてたし、今にもキスしそうな程顔を近づけてたら、当然中に入るだろうって、……思って…。
「あれは、娼館の前で、情報収集をしていただけだ」
「………、…………は?」
「命知らずの賞金稼ぎが、おれの首を狙っていると聞いたんでな」
「………」
「お前と連絡が取れないのは気になっていたが…。お前が2日間、宿から出ていないと報告を受けて、心配ねェだろうと判断した」
「……」
「下手に連絡を取って、敵にお前の存在を感づかれたら、それはそれでやっかいだしな」
「……、」
………あ、…あれ…。
何か、思ってたのと、ちょっと…、いや、だいぶ違う…。
「次の島は…、どこかに行くかって誘ったら、お前の方が断って来たよな?」
「……」
…いや、それは…その……。
ソファに足を乗せて、膝を抱えた。
もういい。こんな…、中途半端な関係なんか、壊れちゃえばいい。
ううん。きっともう壊れてたんだ。
もうずいぶん前から。ローが娼婦と一緒にいるところを見た時から。
「付き合って最初に着いた島で、ローは女の子と娼館に入ったよね?」
「――!」
ローの顔色が変わった。
「……ああ、いいよ。別に責めたりしないから。ローは、色んな子と遊びたいんだよね?」
「…!」
「だからさ…、何と言うか…、わたしにとってのローは、航海中だけの恋人なんだよ…」
「………」
「島にいる時は、恋人じゃないから、ローがどこで何をしようと気にしない…、ずっとそう思ってた」
そう、ずっと。
そう思うことで、自分を守ってきた。
「……だから…、島にいる間は、……わたしにさわらないで…」
わたしは、体を小さくして、ぎゅっと自分を抱きしめた。
それしか、自分を守る方法が思いつかないから。
「……言いたい事は、それだけか…?」
「………」
返事をしないのを、肯定と受け取ったらしく、ローは、「なら、おれも言うぞ」と前置きして話し出した。
「お前は、おれが、実際に娼館に入ったところを見たのか?」
「……えっ…、」
それは……。
見てない。
だって、娼館の前で、娼婦がローにしなだれかかってて…。
ローだって、女の好きにさせてたし、今にもキスしそうな程顔を近づけてたら、当然中に入るだろうって、……思って…。
「あれは、娼館の前で、情報収集をしていただけだ」
「………、…………は?」
「命知らずの賞金稼ぎが、おれの首を狙っていると聞いたんでな」
「………」
「お前と連絡が取れないのは気になっていたが…。お前が2日間、宿から出ていないと報告を受けて、心配ねェだろうと判断した」
「……」
「下手に連絡を取って、敵にお前の存在を感づかれたら、それはそれでやっかいだしな」
「……、」
………あ、…あれ…。
何か、思ってたのと、ちょっと…、いや、だいぶ違う…。
「次の島は…、どこかに行くかって誘ったら、お前の方が断って来たよな?」
「……」
…いや、それは…その……。