「俺は何も間違った事は言ってない。そうだろ？」

頷くしかなかった。でも、頷きたくなかった。

「だが俺は、お前のそんな考えが、立場が、この先重要なんじゃないかと思う」
「…？」

ミラは思わず顔をあげる。するとその反動で涙が一粒零れた。

「ずいぶんと泣き虫になったもんだな」

クロスはそう言ってミラの涙を掬う。その顔は、とても優しい。

「この先、戦いが大好きだったお前がこの戦いを止める事があるかもしれない」

ただ全ては仮想。クロスはミラの顔を自分に向けさせた。そして真剣な眼差しで言った。

「考えとけ。自分自身について」

クロスはそう言って、ミラの少し腫れた瞼に口づけを落とす。

「だが、ノアへの気持ちは誰にも言うな。今度こそ…―― 殺される」
「クロス、元帥…」

ミラは改めて、彼が大人なのだと感じた。どんなにどうしょうもない人だと言われても、彼は大人なのだ。自分と違って。

「…ありがとー、元帥」

ミラはそう言って、今度は自分から彼の額に口づけた。


アレン神田ラビ寄りの連載でさえいきなり元帥とちゅっちゅちゅっちゅ