38 無名さん
黒い略奪者(ノワール夢)

AG国、反政府組織リバース内部
記憶を失ったゴーシュは、ノワールとしてそこにいた…
一人の少女とともに……
黒い略奪者

ロレンスから紹介された少女は、紅いドレスを着ていた
見た目は貴族っぽいがある実験の成功例らしい
ノワールの身の回りの世話をしていた
『君の、名は?』
『僕には名前も何もありません………ノワール様がお好きにおよび下さい』
『………『優音』……とはどうだろう?』
『『優音』……』
何度か繰り返し覚えたらしく、ノワールに向かって恭しくひざまづいた
『僕に様はいらない……これからよろしく、優音』
『はい…ノワール』

『優音』
『はい…』
呼んだらいつでもそばで返事をくれた
それが愛しくて優音の髪を撫でると、優音はいつもうれしそうだった
『優音……君は怖くないのか?』
『……ノワールは、僕が怖いですか?』
逆に質問で返されたことに驚き優音をみるが、表情はわからない
まっすぐに鎧虫を見据えていた
『ノワールは、僕が怖いですか?恐ろしいですか?』
『……』
『……僕は、ノワールが笑えるようになればいいと思っています。むしろ恐れなどありません』

そういうと優音は鎧虫を引き付けに走り出す
僕も心弾銃をかまえる
君の笑顔、僕も守りたい…
だから優音、ずっとそばにいてほしい…
『響け、ジムノペティ!
心弾、漆黒――――』
君と二人で…
未来も笑えたらいいな…
終わり