39 無名さん
「エクスペクト・パトローナム(守護霊よ来たれ)」
呪文を唱え、杖から銀白色の梟を作り出す。どうせ母の実家の奴らに私の存在はばれているのだ。もう魔法を隠す必要はない。焦凍くんは私が人通りのある道で魔法を使ったことに驚いたのか、慌てて往来から梟を隠すように体を寄せた。本当に優しい子だな、と思わず笑ってしまった。
「この子を使えば、ちょくせつ焦凍くんに手紙や伝言をとどけることができるんだ。もし返事をくれるなら、この子に手紙とかわたしてくれれば、私のことろまで運んでくれる。しばらく一緒にいられないかわりに、これでがまんしてくれないかな…?」

守護霊って伝言は伝えられるけど手紙は運べなくない?