39 無名さん
「っ、躊躇しない、ですね……」
「ちゅ、じゅる、っは、うう、ぐちゅ。あはぁ、美味しいです……っ♡♡ ぺろぺろっ♡♡♡」
「はは……さすがに、ソフトクリームを食べる女児のように、フェラをする人は初めて見ましたよ……」

目がとろんとしているのが、鏡を見なくてもわかった。大口を開けて下から亀頭までゆっくり舐めあげる私を、沖矢さんはどう思っているのだろう。これは嗜好品だ。沖矢さんがお酒を飲んでいるのと同じ。性行為ではなく、食事。
「まるでサキュバスのようですね……っ」
「うぐっ!?」
楽しく食事をしていると、沖矢さんの両手が後頭部に回り、突然喉奥までペニスを突き立てられた。生理的に吐き気を催し、抗議のように沖矢さんを見上げると、いつも閉じている目がはっきりと開いていた。灰色の瞳がこちらを見ている。今の今まで私が食べていたはずなのに、やはり捕食者は私ではなかった。
「……っあ、あが、ぐ、ぅうっ! っ、〜〜♡♡♡」
「まさか、自分が“ケーキ”だったとは驚きましたが……」
「!?」
「気づいたのは最近ですけどね。あなたがあまりにも、快楽とは別の感覚で、フェラに勤しんでいたもので……。実際、行為のあとも、濡れてはいませんでしたし……っう、」
「〜〜う゛ぅ♡♡」
びゅるううう、と精液が放たれた。ご褒美のような甘く、ぬちゃりとした液体。沖矢さんのペニスが引き抜かれたので、咥内に溜まった精液を、くちゃくちゃと噛んで、何回かに分けて飲み込んだ。
「どうですか? お味は」
「おいしい♡♡♡♡」
「やはりサキュバスのようですねぇ」