39 無名さん
彼女は純粋な瞳で振り返った。どれだけの人がそのくくりから出ようと足掻いているのか。ラビは正確に把握している。それは、洞察眼を鍛え続けたブックマン後継者にとっては容易なこと。その中に自分の名前も入っている。ラビはミラの小さな体を、自分の腕の中におさめた。ミラは驚いたように瞬きを繰り返した。

「ミラ…好き、大好き」

返ってくる言葉はずっと前から決まっている。それは例えアレンや神田でも変わらない。

「僕も好きだよ」

彼女は笑って、一番残酷な言葉を言う。


僕っ子ビッチ夢主