43 無名さん
「好きな男でもおった?」
「…っ」
「忘れたらええやん。そないええ男やったん?」
「何を…!」

だんだん距離が近くなる白石に、なつみは少しずつ後ずさる。トン、と肩に廊下の壁が当たったのを感じた。

「…俺が、忘れさせたるから」
「ッ…!?」