43 無名さん
>>イアイアン、というヒーローネームだけあって居合の速度が尋常ではない、けど。
サイタマ見慣れている身としては避けるのは容易い。体勢を低くして切り返す。
「!」
「止めちゃうか〜、すごいね」
下から振り上げて刀ぶっ飛ばしてやろうと思ったのに。
それに、一撃が重い。今まで倒した怪人がいかに弱かったか思い知らされる。
そういえば牛乳とアイス買ったんだった。早く終わらせよう。
「ふー…………」
リラックス。集中。
頭のどこかで誰かの教えがよみがえる。

──切る。

首に刃が届く、ほんの数センチまで迫った。

あ、しまった、人殺しになっちゃう。だめだ。勢いが殺せない。

ガキィィン

「…はー…よかった、止めてくれてありがとう。うっかり…うん、すごく危なかった…」
アトミック侍が割り込んで私の刀を止めてくれた。
「真剣勝負なんてやるもんじゃないね」
刀をしまい、力を抜く。ほんとヒヤヒヤした。確かにアトミック侍が止めてくれるという甘えはあったけど、命を取るほどガチでやる必要はなかった。
「…サクラバの勝ちだ」

ドサッ

「おっと、大丈夫?」
イアイアンは冷や汗まみれの顔を真っ青にして尻もちをついてしまった。
ちょっと待って、歳下虐めてるみたいですごい嫌なんだけど。
「…ほら、死ななかったじゃん!よかったよかった!わはははは…」
「………」
空気凍りすぎて無理。
オカマイタチとブシドリルもすごい顔してこっち見てるし、アトミック侍も笑みを消してシリアスな顔してる。

夢小説のふりしたなろう系なんだよな読むのきっついわ