互いに睨み付け互いに舌打ち。キリがないしさっさと言うなら言えよこの糞野郎。それに、拘束している縄が痛い。外そうと思えばこのくらい簡単に外せるが今ここで縄から解放されても周りにはトラファルガーの部下がいる。捕らえるなんざ簡単だろう。なんでこうなったと考えても、あの砂浜で一瞬で片がついたからだ。
　シャンブルズ、その声に気付いたら奴の手の中にいた。奴の能力の範囲内に入ってしまっている以上、手も足も出ないとはこの事かと落胆し大人しく着いていくことしかできなかった。ジットリと濡れた体に舌打ちしたトラファルガーは自分で歩けと砂浜に落としやがったのは本当に苛ついた。ムカツク、その言葉で頭は一杯で此方だってテメェなんかに運ばれてたまるかと直ぐに人間の姿に戻り途中で落とした下着の袋を拾って大人しく、本当に大人しくトラファルガーの船へ入ったのだ。それからあれよこれよとあっという間に拘束、変な帽子を被った部下がお前が船長の船長をとかほざいていたが。
　トラファルガーによる尋問は非常に疲れるし、部下達からは男の敵だとか言われるし、本当にこの場から逃げたい。コイツらのログは溜まり出港したといってもこちらのログは後一日だった。それがパーになってしまったから今手元にあるログホースは行きたかった島へ針を示してくれない。ふざけるな、トラファルガーと憎んでもどうしようもない。行き先は同じらしいがコイツらと共に行動するのもごめんだ。どうしたものか、もし逃げれても周りは海、しかも現在海の中に潜っている。あーあ、面倒だなぁと息を吐きトラファルガーと名を呼んだ。