5 無名さん
読んできた
声優の前野智明?の夢小説きもいな
こんな妄想されている本人かわいそう

「ただいま…」
「おかえり智くん、お疲れ様」
「うん…」
「なに、どうしたの?」
「…」

黙っててもわからないよ、と言うなまえちゃんにうーんと返すと「変な智くん」とカバンだけ受け取って行ってしまった。
気分が優れないことを悟られてしまったけれどこれでよかったんだ。
流石に仕事でまた尻を触られたなんて言えるはずも無いし、しかも相手は男ときたもんだ。
正直一回目のラジオの時も触られていたのだが
その時はなになにー?触られたの?と言いつつも目は笑っていなかったのでこの話はしない方がいいのだと思う。
収録の後も編集でカットして下さいと頼んでおいたしなんとかなるだろう、とその時は思っていたのだ。
そして本日に至るわけである。

「ただい、まっ…?!…く、くるしい…」
「おかえり、智くんお疲れ様だったねえ」
「えっ、ちょなに、なに怒ってるの…!」
「え?別に怒ってないよ?ただ…」
「ただ……?…ちょ!だめ!やあ、やめ!やめろってば!」

玄関に足を踏み入れると待ってましたと言わんばかりに壁に押し付けられた俺は苦しさを主張すると今度はおもむろに尻をサワサワと撫でられる。
一体なんのつもりだ!と思いつつも普段ならそんな積極的なことはしないなまえちゃんにそわそわしてしまい、え?ここでいいの?などといってベルトをカチャカチャしてしまいそうな所だが今日は違う。
少しまえに尻を何度も触られた事で若干のトラウマを抱えた俺には耐えられない所業だった。

「へえ、まえぬはそんな声とか出しちゃうんだ、へえ…」
「は?まえぬって…だ、だからそこはやぁ…!だ、から…っ!やめろってば!!」