53 無名さん
ヒーロー協会から呼び出しを受けた。
本部に行くと昇級の話をされた。
「そんなんリモートで良くね?」
「…一応形式を守ってるんだ」
「形式、ねえ。こんなの守らなくていいでしょ。不要なとこ削って必要なとこ厚くしないと。設立三年にしてはよくやってるとは思うけど、ヒーローという業種を独占している状態だからこそだ。新しい組織ができたら潰れてもおかしくない。あんたらがミスったら最前線で戦うヒーローたちにしわ寄せが来るんだ。意識をしっかり持っている職員とそうでない職員の差が激しいよね。この間私のケツ触ってきたやつは首が飛んで清々したけど、一度見直したら?取り返しがつかなくなる前に。で、アマイマスクと話すんでしょ?」
「………」
ぐうの音も出ないみたいだ。けっ。
サイタマを腐らせてクソみたいな運営してっからだよ。なんでたった一人の昇級のために職員数人とアマイマスクとのおしゃべりが必要なんだよ。
漫画で読んだときはそういう物語だからと楽しんでいたけど、実際に接すると反吐が出る。
『君がサクラバだね。Z市隕石落下の件ではよくやった』
「…なんで私がA級1位になれたの?隕石破壊した張本人がC級っておかしいでしょ」
『そのあたりは僕には分からない。で、君はS級に上がるよね』
「上がるよ。あんたも上がれば?」
『僕はこの位置で弱いヒーローの壁になる』
「みんなそれぞれ強さを持っているよ。弱いなんて言うな。私は帰る」
呼び止める声は無視して部屋を出て出入口に向かうと、服がボロボロのゾンビマンが前から歩いてきた。
顔色悪っ。
この人実は甘党なんだよな。好きなキャラだからちょっと挨拶しとこ。

口悪すぎてイライラする
安定して好きなキャラには媚びて嫌いなキャラは無視だし