小学五年生の修学旅行の時、柳沼(仮名)という友達から怖い話を聞かされました。

柳沼の従兄弟が男女四人組で肝試しに車で廃病院へと行きました。
その病院は使われなくなってかなりの時間が経過しているらしく、壁は穴だらけ、窓ガラスは粉々に砕け散っていました。

「雰囲気あるな!」

そんな事を言いながら廃病院の中へと足を進めました。

各個室を調べては移動を繰り返していました。

最後の個室に入ると、小さい女の子の人形がベッドの上に置いてありました。
その人形というのが恐ろしくリアルで、本当に人と間違えるくらい精密に作られているようでした。

「気持ち悪いな〜」

柳沼の従兄弟の男友達は笑いながら言い、その人形を持ちました。
すると、人形の首が落ちました。

結局何も出なかったので、帰る事になりました。

病院を出る時に女の子の声が聞こえたそうです。

「痛い、許さない、逃がさない」


皆は気のせいだと決めて、車に乗り込み帰りました。


しばらく経って、柳沼の従兄弟の男友達がいない事に気付きました。

慌てて車を止めたその時です。
前から大型の貨物トラックが突っ込んで来ました。

全員奇跡的に無傷で外に出ました。
皆トラックを見て凍り付きました。

トラックの荷台が開いており、そこにあの人形が浮いていました。男友達の首を持って。

「あなた達も死ねば良かったのに」


憎しみを込めたように言い放ち、人形は消えていきました。


後日、柳沼の従兄弟の男友達に電話をしました。
すると、その男友達は電話にでました。

さらに凍り付く出来事がありました。
男友達は昨日、ずっと自分の家に居たというのです。

昨日の男友達は誰なんでしょうか?