58 無名さん
「今後、ワタシの許可なしに自分の体に傷をつけることは許さないね。破ったら、ワタシ怒るよ」

まるで幼児に言い聞かせるようなその言葉には、母親には出せない威圧感があった。その言葉に、またこくりと頷いた。その次の瞬間、先ほど作ったばかりの傷口を、彼はこじ開けた。腹の底から高い声が上がり、セツは痛い痛いと泣き叫んだ。けれど首を横に振るたびに、彼は傷口をかき回す。飛び散った血が、彼の頬に跳ね、自分の頬にも跳ねる。

「やぱり、ワタシの目に狂いはなかったね。良い声よ」


フェイタン連載二話目にして口調が崩れてる…