62 無名さん
>>60のはこれだよな
https://nanos.jp/breaktime0250/novel/1/140/
店の勝手口から、少年の声が聞こえてくる。
…サクラにとって、久方振りに耳に届く、懐かしくも聞きたかった声であった。
「特注のお客様がいらっしゃって……」
エプロンを下げた少年と、目が合った。
あいつと同じ、茶髪の少年だった。
あいつと同じ、顔立ちをしていた。
あいつと…、同じ…。
それだけのことなのに、あたしの心臓はバクバクと早鐘を打って仕方がない。
ポケモントレーナーとして旅に出た頃から捜し求めていた人と同じ特徴を目にして、彼のことを思い出すなという方が難しい。
…もし再会できたら、あいつに言いたいことがたくさんあった。
聞いてほしいことがたくさんあった。ここまで辿り着くのにどれだけ長い道程だったかを聞いてほしかったし、…少しだけ、褒めてもらいたかった。
だというのに、言いたいことがありすぎて上手く言葉にまとまらない。唇が動かず固まってしまう。
ぐちゃぐちゃになりそうな頭の中を一旦整理しようとした、次の瞬間。
彼女は、気付いてしまった。
こちらを見つめる少年の目が、…緑色であることに。
「………。」
「…あぁ、なんて日だ。これが夢でもなければ、幻覚でもないなんて…。……ローズ!!」
駆け出す少年をイズミが制止するも止まらず。
店に客が来ているなどすっかり忘れてしまったかのように。
少年はサクラの元へ一直線に走ると、彼女をがばりと抱き締めた。
「……っ…!」
「なっ…!おい、てめぇ!!」
「よく来た…!よく帰って来たローズ…!お兄ちゃんは、ずっとおまえのことを…!」
「やめろ!!こいつはローズなんて名前じゃねー!サクラだ!」
とんでもない光景に驚いたエドワードが、サクラに抱きつく少年を引き剥がす。
一方の桃真は「わーお。またサクラを巡っての修羅場勃発だぁー」などと暢気に言っていたりする。
https://nanos.jp/breaktime0250/novel/1/140/
店の勝手口から、少年の声が聞こえてくる。
…サクラにとって、久方振りに耳に届く、懐かしくも聞きたかった声であった。
「特注のお客様がいらっしゃって……」
エプロンを下げた少年と、目が合った。
あいつと同じ、茶髪の少年だった。
あいつと同じ、顔立ちをしていた。
あいつと…、同じ…。
それだけのことなのに、あたしの心臓はバクバクと早鐘を打って仕方がない。
ポケモントレーナーとして旅に出た頃から捜し求めていた人と同じ特徴を目にして、彼のことを思い出すなという方が難しい。
…もし再会できたら、あいつに言いたいことがたくさんあった。
聞いてほしいことがたくさんあった。ここまで辿り着くのにどれだけ長い道程だったかを聞いてほしかったし、…少しだけ、褒めてもらいたかった。
だというのに、言いたいことがありすぎて上手く言葉にまとまらない。唇が動かず固まってしまう。
ぐちゃぐちゃになりそうな頭の中を一旦整理しようとした、次の瞬間。
彼女は、気付いてしまった。
こちらを見つめる少年の目が、…緑色であることに。
「………。」
「…あぁ、なんて日だ。これが夢でもなければ、幻覚でもないなんて…。……ローズ!!」
駆け出す少年をイズミが制止するも止まらず。
店に客が来ているなどすっかり忘れてしまったかのように。
少年はサクラの元へ一直線に走ると、彼女をがばりと抱き締めた。
「……っ…!」
「なっ…!おい、てめぇ!!」
「よく来た…!よく帰って来たローズ…!お兄ちゃんは、ずっとおまえのことを…!」
「やめろ!!こいつはローズなんて名前じゃねー!サクラだ!」
とんでもない光景に驚いたエドワードが、サクラに抱きつく少年を引き剥がす。
一方の桃真は「わーお。またサクラを巡っての修羅場勃発だぁー」などと暢気に言っていたりする。