62 無名さん
「あー私の個性、こういうの向いてないからさ」
「でも、除籍になっちゃうかもしれないんだよ!?」
「うーん、そうだねえ……」
まるで自分のことのように心配してくれる彼女に、思わず眉を下げてしまう。除籍、か。そうなってしまったら、それこそ仕方ないとしか言いようがない。決してやる気がないという訳ではないが、策を考えてもやっぱり出てこないのだ。それでも、テストの最終種目は目の前に迫ってきている。私は彼女に曖昧な返事をしたまま、ボール投げのボールを手に取る。投げたボールは大した距離も伸びず、すとんと静かに地面に落ちた。
結果、私は最下位。けれど除籍というのは相澤先生の「合理的虚偽」であったらしく、私は無事に除籍を免れた。とは言っても、その合理的虚偽が合理的虚偽であるんだろうけれど。久しぶりに汗をかいて、ふうやれやれと一息ついたとき、みょうじ、と相澤先生に呼び止められた。
63 無名さん
>その合理的虚偽が合理的虚偽であるんだろうけれど。

何で相澤先生と初対面のはずなのにそんなこと分かるの