65 無名さん
>>57
「な、何…?」

いつものように怯えた声で話す。すると跡部くんは不機嫌そうに顔を歪めた。手首を掴む彼の手に力が入った。

「おい、俺を騙せると思うなよ。お前の本性なんざ、バレバレだ」

私は首を傾けた。それに伴ってゆらりと髪が揺れた。跡部くんの眉間に更にシワが寄る。それを見て、私は笑った。そして跡部くんの肩に手を置き、つま先立ちをする。ぐっと二人の顔の距離が近づく。本当に綺麗な瞳。えぐりとって宝石箱に飾っておきたいぐらいだ。

「ごめんね、一位取っちゃって。あなたを見下ろしてみたかったの」

そう囁くと、私はまた距離を置いた。そして愛想の良い笑みを浮かべた。ぽかんと口を開いていた跡部くんは、私のそんな笑顔を見て、また不敵に笑った。

「お前、良い性格してるな」

クックック。彼は低く笑う。そして掴んでいた手首をそのまま引いた。ぐるりと態勢が変わり、壁に追いやられる。壁に背をつける私に覆い被さるように跡部くんは立った。


最高にウザい