72 無名さん
「今日は俺のライヴへようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!!」

「ヨーコソー!'……ありゃ?」

な、なんだかシーンとしてるよ…
う、うぅ…恥ずかしい…

「アンタ自信満々に言っといてなにプルプルしてんのさ。はい、ハンカチ貸してあげるから。」

隣に座っていたショートカットの女の子が小声で話しかけてくれた。
なにこの子!優しい!

「あ、あ、ありがとうううう。大好きだよおおおおお。」
「いやいや大袈裟すぎっしょ。ほら、説明始まるよ。」
「うん…ッ!」

なにこの子めっちゃ優しい!好き!
この子と結婚する!

なんて思っている間にプレゼント・マイクによる試験の説明は終わりかかっていた。

「俺からは以上だ!!最後にリスナーへ我が校"校訓"をプレゼントしよう。かの英雄ナポレオン!!ボナパルトは言った!「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と!!"Plus Ultra"!!それでは皆良い受難を!!」

………ええええええ!?
なんも聞いてなかったー!!

あわよくば隣の子に聞けないかなーとチラッと横を向いて見たがそこはもう空席。
ハンカチ返せてないのに!

まぁ成るように成るでしょ!
多分敵を倒せばいいんだ!

そうして彼女は、先行きが不安になるスタートを切ったのであった。


隣の少女の正体誰?