75 無名さん
こんな姿にしたアナタが憎い。
でも、私を生き返らせるほどの想いは愛しい。

もうほとんど無人と化した小さな村。足元に転がる無数の機械の残骸を無視して、村の中央に構える噴水前に来る。月を映した噴水の水は事の残酷さを表すように赤く染まっていた。

「てめぇがこの村の親玉か?」

向かい合うように立っているのは黒いコートを着た男――エクソシスト。私は彼の問いに答えず、深く被ったフードの隙間から彼を見つめる。

「肯定と見るぜ」

スッと無駄の無い動きで彼が動く。その動きに合わせて、刀が妖しく光る。
強い風が村を包み込んだ。


肯定とみなすでしょ…