78 無名さん
「ませ」は丁寧の意を添える助動詞「ます」の命令形であり、「くださいませ」は補助動詞「くださる」の連用形「くださり」がイ音便化した「ください」と「ます」からなる表現です。「いらっしゃいませ」における「ませ」もこれに同じく、「来る」の尊敬語「いらっしゃる」の連用形「いらっしゃり」の活用語尾がイ音便化した「いらっしゃい」に「ませ」が続いたものです。したがって、文法的か否かという観点に立てば、「くださいませ」は適切な表現であるということができます。
しかし、ある表現の適切性をはかる場合、文法的か否かという基準のみが考慮されるわけではありません。
だれがどのような場面でそれを用いるかという側面も重要となってきます。丁寧の意を表す助動詞「ます」は、未然形「(ください)ませ(ん)」や終止形「(ください)ます」に比べて、命令形「(ください)ませ」は男性より女性が、公的な場面よりは私的な場面で用いるという傾向が見られます。一方、上述「いらっしゃいませ」などは、慣用的な表現として定着しているため、広く性別・場面を問わず用いることが可能です。
しかし、ある表現の適切性をはかる場合、文法的か否かという基準のみが考慮されるわけではありません。
だれがどのような場面でそれを用いるかという側面も重要となってきます。丁寧の意を表す助動詞「ます」は、未然形「(ください)ませ(ん)」や終止形「(ください)ます」に比べて、命令形「(ください)ませ」は男性より女性が、公的な場面よりは私的な場面で用いるという傾向が見られます。一方、上述「いらっしゃいませ」などは、慣用的な表現として定着しているため、広く性別・場面を問わず用いることが可能です。