83 無名さん
主の飾りにされる。
つまり、私の本体を主が常に持ち歩くということだ。
初日に女の刀剣だからと言う理由で殴られたことを考えれば、何をされるか分かったものではない。
まるで心臓を握られたかのような恐怖が、ゾクリと私の中に走った。

「この件は、一期一振達にも報告した方が良いでしょう。
いくら隠れようとも、主に見つかるのも時間の問題でしょうから。」

太郎太刀さんの言葉にも頷くことが精一杯で、私は黙りこくってしまった。
ブラック本丸の本当の怖さなんて、殆ど実感したことが無かった。
確かに暴力を振られたことはあったが、こんなにも身の危険を感じたのは初めてだ。
出陣した時だって、心のどこかでなんとかなると思っていた。
本当に、私は考えが甘かったのだ。


過去形じゃなくて現在進行形です