86 無名さん
「…付き合って欲しい」

また彼の悪い癖だ。シュウの言っている意味は分かるがさっき酷い事されたからお返しで意地悪をしてみる。

「主語が抜けてて分からないよ、シュウ」
「…お前も大概、だな」
「何のことかな?」

今度は私が意地悪く笑う番。するとシュウは立ち上がり私をお姫様抱っこすると、そのままリビングを抜けて寝室のドアを足で蹴る様に開けると私の体はベッドへ放り投げられ、私の上に跨るようにシュウが乗ってくる。ギシリとベッドのスプリングだけが静かな部屋に響いた。

「すべての責任は俺が取る。結婚を前提に俺と付き合って欲しい。」
「色々すっ飛ばしてるけど流石シュウね…」

二人で笑いあってそのまま唇を重ねた。シュウのつけているドッグタグだけが私たちを見ていた…なんて、ね?

なんて、ね?草