1 ノンケとの出会い

ノンケとの出会い

その昔、ゲイビデオの制作にかかわっていたことがあるんだよ。あくまでも映像制作事業の一環として下請けした形だった。その頃は既に経営がやばくて、とにかく仕事がなければ潰れる状態だったから、選り好みはできなかったんだよね。
ところが、俺含めたスタッフにゲイはいなくて、何をどうやって作ればいいかわからず、既存のゲイビデオを流して勉強会をしたもんだ。大の大人たちがゲイビデオ見ながら「フェラは必須だな」「ケツメドはどうしましょう?」とか真剣に話し合っているのだから、今から考えれば笑える光景だね。
もっとも、確保したベテランの男優さんがガチのゲイでね、こちらは脚本も用意したんだけど「ここはこうした方が喜ばれますよ」「このシーンはこっちの角度から撮ってもらった方がいいです」と的確にアドバイスしてくれて、結局はその男優さんが監督と脚本をやっているようなもんだった。まあ、結果として作品としてもその方が良かったんだよね。
で、その男優さん以外は、大学の体育会系学生とかのアルバイト男優で賄ったんだけど、彼らはあくまでもアルバイトでいわゆるノンケだったんだよ。
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お金のために彼らも割り切ってゲイを演じてくれた・・・んだけど、撮影が終わってみれば、彼らの半数がガチゲイになってたんだよね。演技を通して、皆、男優さんのことが好きになっちゃっていたんだよ。
「僕にとって、撮影はノンケとの出会いの現場だよ」なんて、男優さんは笑っていたなあ。彼は本当にノンケとの出会いを望んでゲイ男優をやっていたわけではないのだけど、結果的に皆、彼に魅了されてしまうそうなんだよね。
ま、そのビデオは無事にリリースされたんだけど、経営難はさほど改善されずにしばらくして会社は倒産した。最後の作品がゲイビデオってのも何か悲しいものがあったな。
ただ、作品はゲイの方々には評判が良かったらしくてね、今でも地下で取引されているそうだよ。うれしいことだね。僕もマスターテープのコピーは持っているから、今でも時々当時を懐かしんで見たりしているよ。ノンケだった僕がゲイになったくらい人生に影響がある作品だからさ。
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